東大 処理速度1,000倍速くする素子開発

東京大学などの研究チームは、コンピューターなどに使われる半導体チップの情報処理速度を1,000倍速くする素子を開発した。熱が生じにくく、消費電力が大幅に低減できる。研究成果は米科学誌「サイエンス」に掲載された。2030年までに実用的な試作チップの開発を目指す。
今回新たに開発した「不揮発量子スイッチング素子」は電気の流れではなく、電子が持つ磁石の性質(スピン)を使ってビットを表す。実験では1ビットの情報を40ピコ(ピコは1兆分の1)秒と、従来の1,000分の1の短い時間で処理できた。
この技術を応用すれば、例えばダウンロードに1時間かかっていたデータがわずか1秒で処理できる可能性があるという。

iPS製品 パーキンソン病治療で初の保険適用

中央社会保険医療協議会(中医協、厚生労働相の諮問機関 )は5月13日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った再生医療製品で、パーキンソン病の治療に用いる「アムシェプリ」の公的医療保険適用を20日付で承認した。
国内の薬価(公定価格)は約5,500万円に決まった。iPS細胞由来の再生医療製品の保険適用は初めて。医療現場での使用が始まる見通し。
住友ファーマのアムシェプリはiPS細胞からつくった神経細胞で、脳内に移植して運動機能の改善を図る。

太陽系外天体で初めて大気を確認 海王星の外

国立天文台などの研究チームは、太陽から57億km離れた「太陽系外縁天体」で大気の存在を確認した。太陽系の冥王星以外の外縁天体で大気が確認されるのは初めて。大気が見つかった太陽系天体として最も遠いものになる。太陽系外縁部の常識を覆す発見という。この研究成果は5月4日付の英科学誌「ネイチャー・アストロノミー」に掲載された。
この外縁天体は太陽から最も遠い惑星、海王星より外側に存在する。国立天文台が2024年1月、外縁天体の一つ「2002XV93」が恒星の手前を横切る掩蔽(えんぺい)と呼ばれる現象を観測した。掩蔽の始まりと終わりで恒星の明るさが緩やかに回復することを捉えた。詳細な解析の結果、この2002XV93には非常に薄い大気が存在し、恒星の光が大気で屈折して明るさが変化したことが分かった。大気の成分は特定できないが、気圧は地球の約1000分の1と推定できた。

中国で超急速充電へ新型電池の開発競争激化

中国で電気自動車(EV)普及の課題克服へ超急速充電に向け、新型電池の開発競争が激化している。寧徳時代新能源科技(CATL)は4月21日、北京で技術発表会を開き、わずか約6分でフル充電状態にできる新型電気自動車(EV)電池、リン酸鉄リチウムイオン電池を発表した。これは急速でのフル充電を繰り返しても劣化しにくいという。
急速充電用電池では先行していた自動車大手の比亜迪(BYD)もすでに、約9分間でフル充電できる新型電池を開発しており、急速充電地分野で、先行する中国勢の開発競争は激しさを増している。

パナソニックHD iPS細胞自動作製装置開発

パナソニックホールディングス(HD)は4月20日、iPS細胞を患者の血液から自動で作製できる装置を開発したと発表した。4月から公益財団法人・京都大iPS細胞研究財団と実証実験を始め、2028年度の製品化を目指す。実用化されれば、作製費用を大幅に引き下げられる。
開発した装置は、高さ75cm、幅70cm、奥行き45cm。患者の血液の成分や試薬などを入れると、遺伝子の組み入れを含む工程が自動で行われ、約2〜3週間でiPS細胞ができることを確認したとしている。
1人分のiPS細胞を従来の手作業で作製する場合、施設の維持費や人件費などで約5,000万円かかるとされる。財団は、将来的に100万円程度に下げることを目標にしており、それには自動化が不可欠という。
iPS細胞は、様々な臓器や組織の細胞に変化させることが可能で、失った臓器や体の機能を回復させる「再生医療」への応用が期待されている。

人型ロボット 人類のマラソン世界記録超え

中国・北京市で4月19日、人型ロボットが走る第2回ハーフマラソン大会が開かれた。人型ロボットが街中を軽快に走る姿は、特撮映画を見ているような感覚に襲われるほど。”ロボット強国”を掲げる中国政府の、昨年の「量産元年」から、今年は「実用化元年」と位置付けるロボット開発推進の成果の一端を見る思いだ。
トップのロボットは48分19秒の好タイムでゴールした。ただ、大会規定?とかでタイムが修正され、別のロボットの50分26秒が優勝タイムとなった。だが、これでも極めて速い。人間の男子の世界記録57分20秒を大幅に上回っている。ちなみに、初開催だった昨年の優勝タイムは2時間40分42秒だった。

いすゞとトヨタ FCVの小型トラックで協業

いすゞ自動車とトヨタ自動車は4月15日、水素燃料電池車(FCV)の小型トラックを共同開発すると発表した。いすゞの電気自動車(EV)のトラックをベースに、トヨタが開発した燃料電池システムを搭載し、2027年度の生産開始を目指す。実現すれば、小型トラックでは国内初の量産化となる見通し。

東京ガス 米国産バイオメタン26年度から供給

東京ガスは3月25日、米国から輸入した、ごみの埋め立て地から発生するガスを原料としたバイオメタンを2026年度から都市ガスとして供給すると発表した。供給先は積水ハウス、日立製作所、アサヒグループジャパンなどを予定。
このバイオメタンは、ごみの埋め立て地から大気中に放出されるはずだったガスを回収して精製し、天然ガスと同程度までメタンの濃度を高めている。主成分は天然ガスと同じメタンのため、既存のガス設備をそのまま使える。燃焼時の温暖化ガス排出量を実質ゼロにできる利点がある。

全固体電池のイオン伝導率 世界最高の材料開発

産業技術総合研究所は3月11日、全固体電池の基幹部材となる「固体電解質」で液体と同レベルのイオン伝導率を持つ材料を開発したと発表した。イオン伝導率は充電速度に直結する。急速充電が可能な全固体電池の開発につなげることが期待される。
固体電解質には硫化物系と酸化物系があるが、酸化物系としては「世界最高」(産総研)になるという。全固体電池はリチウムイオンの通り道となる電解質に液体ではなく固体を使う。

中国 BYDがわずか9分で満充電の新型電池

中国の自動車大手、比亜迪(BYD)は3月5日、本拠の広東省深圳市で電気自動車(EV)向けなどで性能を大幅に高めた新型の電池を発表した。この電池は満充電までの所要時間がわずか約9分と、従来より大幅に短縮できる。まず11車種に搭載する。低迷する国内販売で消費者心理を刺激、需要を喚起する。