東京大学などの研究チームは、コンピューターなどに使われる半導体チップの情報処理速度を1,000倍速くする素子を開発した。熱が生じにくく、消費電力が大幅に低減できる。研究成果は米科学誌「サイエンス」に掲載された。2030年までに実用的な試作チップの開発を目指す。
今回新たに開発した「不揮発量子スイッチング素子」は電気の流れではなく、電子が持つ磁石の性質(スピン)を使ってビットを表す。実験では1ビットの情報を40ピコ(ピコは1兆分の1)秒と、従来の1,000分の1の短い時間で処理できた。
この技術を応用すれば、例えばダウンロードに1時間かかっていたデータがわずか1秒で処理できる可能性があるという。
iPS製品 パーキンソン病治療で初の保険適用
太陽系外天体で初めて大気を確認 海王星の外
国立天文台などの研究チームは、太陽から57億km離れた「太陽系外縁天体」で大気の存在を確認した。太陽系の冥王星以外の外縁天体で大気が確認されるのは初めて。大気が見つかった太陽系天体として最も遠いものになる。太陽系外縁部の常識を覆す発見という。この研究成果は5月4日付の英科学誌「ネイチャー・アストロノミー」に掲載された。
この外縁天体は太陽から最も遠い惑星、海王星より外側に存在する。国立天文台が2024年1月、外縁天体の一つ「2002XV93」が恒星の手前を横切る掩蔽(えんぺい)と呼ばれる現象を観測した。掩蔽の始まりと終わりで恒星の明るさが緩やかに回復することを捉えた。詳細な解析の結果、この2002XV93には非常に薄い大気が存在し、恒星の光が大気で屈折して明るさが変化したことが分かった。大気の成分は特定できないが、気圧は地球の約1000分の1と推定できた。
中国で超急速充電へ新型電池の開発競争激化
パナソニックHD iPS細胞自動作製装置開発
パナソニックホールディングス(HD)は4月20日、iPS細胞を患者の血液から自動で作製できる装置を開発したと発表した。4月から公益財団法人・京都大iPS細胞研究財団と実証実験を始め、2028年度の製品化を目指す。実用化されれば、作製費用を大幅に引き下げられる。
開発した装置は、高さ75cm、幅70cm、奥行き45cm。患者の血液の成分や試薬などを入れると、遺伝子の組み入れを含む工程が自動で行われ、約2〜3週間でiPS細胞ができることを確認したとしている。
1人分のiPS細胞を従来の手作業で作製する場合、施設の維持費や人件費などで約5,000万円かかるとされる。財団は、将来的に100万円程度に下げることを目標にしており、それには自動化が不可欠という。
iPS細胞は、様々な臓器や組織の細胞に変化させることが可能で、失った臓器や体の機能を回復させる「再生医療」への応用が期待されている。