慶応大学のチームは11月24日、生まれつき子宮がない「ロキタンスキー症候群」の患者や、手術により子宮を摘出した患者らを対象に、こうした女性が出産できるようにするため、第三者の子宮を移植する臨床研究の実施計画を学内の倫理委員会に申請した。承認されれば国内初の子宮の移植手術が実施される。計画では20〜30代の女性3人程度に実施。子宮の提供者は母親など親族を想定している。
日本医学会によると、世界では2021年3月時点で米国やスウェーデンなど16カ国で85例の人での子宮移植が実施され、うち40例が出産に成功しているという。
厚労省 塩野義のコロナ飲み薬「ゾコーバ」緊急承認
厚生労働省は11月22日、塩野義製薬(本社:大阪市中央区)が開発を進めていた新型コロナウイルスの日本初の国産軽症・中等症患者向け飲み薬「ゾコーバ」を緊急承認した。
7月に行われた厚労省の専門部会では承認が見送られ、継続審議となっていた。これを受け塩野義製薬は9月、新型コロナウイルス患者約1,800人を対象に実施した最終段階の臨床試験の結果を提出。今回は咳、発熱などの症状改善効果や抗ウイルス効果の療法で有効性があると判断、正式承認された。国産創製薬に緊急承認制度が適用される初めてのケースとなった。
ゾコーバについて、加藤厚生労働相は「軽症から中等症の患者を対象とする、新たな治療法の選択肢の一つとして期待している」としている。塩野義製薬との間ですでに100万人分の購入契約を締結しており、「12月初頭には医療現場で使用できるよう供給を開始する予定」という。
ヤマハ発,日本製紙 CNF樹脂で水上バイク部品共同開発
北大 常圧でCO2からアルコールの直接合成に成功
次世代半導体「ラピダス」8社が共同で新会社設立
トヨタ自動車、ソニーグループ、NTT、デンソー、NEC、キオクシア、ソフトバンク、三菱UFJ銀行の8社が、次世代の先端半導体の国産化に向けた新会社「ラピダス」を設立した。2020年代後半に向けて経済安全保障の観点から重要になっている半導体で、製造技術の確率を目指す。新会社にはトヨタ、ソニーグループ、NTT、デンソー、NEC、キオクシア、ソフトバンクの7社がそれぞれ10億円、三菱UFJ銀行が3億円を出資する。
西村康稔経済産業相は11月11日、新会社の研究開発計画に700億円を助成すると表明。また、日米が連携する研究拠点「技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC)」の年内設立を目指すことも明らかにした。
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カンボジアで日本発もみ殻固形燃料に関心 縫製業など
日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、もみ殻固形燃料を製造する装置を販売するトロムソ(所在地:広島県)は、カンボジアの首都プノンペンから約170km離れたコニポントム州の精米工場で10月14日行われた、もみ殻をもみ殻を固形燃料化する実証実験の結果に同国企業から関心が集まっている。
もみ殻を固形燃料化した「モミガライト」は、造船技術を応用した特殊なミルで原料のもみ殻を細粉化し、高密度に圧縮することで製造される。その結果、①連続燃焼時間が長く、薪(まき)と比べ単位あたりの製造原価を抑えられる②化学接着剤に圧縮・固形化することで、燃焼時に有毒ガスが発生せず、環境に優しい−−などの特長があるという。
こうした結果を踏まえて、もみ殻固形燃料に対し代替燃料として、カンボニアの主力産業の縫製産業で導入を検討する企業で、モミガライトの活用が期待されている。
LIXIL 廃プラと廃木材を融合した循環型素材開発
米ジョビー・A「空飛ぶクルマ」日本で認証申請
トヨタ自動車などが出資する小型航空機の米国企業、ジョビー・アビエーションは10月18日、「空飛ぶクルマ」の日本での運航に必要な安全認証「型式証明」を国土交通省に申請した。海外メーカーが日本で申請するのは初めて。
今回申請したのは有人の電動垂直離着陸機(eVTOL)。操縦士含め5人乗りで最大航行距離は240km超。最高速度は時速約320キロ。米国でも認証を申請している。
「空飛ぶクルマ」は日本政府が2025年の大阪・関西万博で実用化を目指しているが、日本メーカーでは2021年10月にトヨタ出身者が起業、設立したスカイドライブが、国交省に認証申請している。
同日、日本の国交省と米連邦航空局(FAA)が、「空飛ぶクルマ」の商用運航に向けた制度整備で合意した。期待の認証や運航基準などで協力する。制度を共通化することで、日本のメーカーが開発した機体が海外で型式証明を取りやすくなるという。