東レ(本社:東京都中央区)は3月21日、工場廃水の再利用、下水処理等での厳しい条件のもとで、これまでの除去性を維持したまま、長期間安定して良質な水を製造できる高耐久性逆浸透膜を開発したと発表した。今回の開発品は、膜の洗浄時の薬品に対する耐久性を従来品の2倍に向上させたほか、交換頻度を半減させている。
現在、量産準備を進めており、2024年上期に市場が急拡大する中国での販売を目指し、日本を含むその他の国・地域に向けた製品開発に活用していく計画。
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鹿島 大阪万博でCO2排出7割削減したコンクリートでドーム
鹿島は3月13日、2025年大阪・関西万博の会場に、製造時や現場施工時発生する二酸化炭素(CO2)排出量を7割削減したコンクリートを使用したドームを建設すると発表した。万博会場の西ゲート付近に建て、環境教育のための展示施設として使用される。鉄筋コンクリート造りで、高さが5.45m、幅23m、奥行きが18mの楕円形とする。
低炭素コンクリートと、同社がNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「グリーンイノベーション基金事業「CO2を用いたコンクリート等製造技術開発」プロジェクトの一環としてデンカや竹中工務店などと共同開発した、CO2の排出量よりも削減効果の方が大きいコンクリートを組み合わせる。全体でCO2を約17.9トン、従来比で7割削減した。
東大発スタートアップELYZA 国内最大規模の生成AI開発
東京大学発スタートアップ企業、ELYZA(イライザ、所在地:東京都文京区)は3月12日、日本語への対応に優れた、日本国内最大規模の生成AIの基盤技術」を開発したと発表した。この生成AIは基盤となる大規模言語モデルの学習量を示す「パラメータ数」が700億で、これまで各社が手掛けた国産の生成AIとしては最大規模の処理能力がある。
大規模言語モデルの開発はオープンAIやグーグルなど米国テクノロジー企業が先導してきたが、イライザの曽根岡侑也・最高経営責任者(CEO)は「先行する米国企業の生成AIと同等の日本語の処理能力がある」としている。
イライザは、チャット形式の生成AIを今後、一般に公開するほか、企業や自治体などに向け順次提供を始める予定。
スペースワンの小型ロケット打ち上げ直後に爆発、失敗
宇宙スタートアップのスペースワン(本社:東京都港区)が3月13日午前11時すぎ、和歌山県串本町のロケット発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げた小型ロケット「カイロス」初号機が打ち上げ直後5秒ほどで爆発、打ち上げは失敗した。発射場近くに設けられた見学会場には、朝早くから発射を待ちわびる人たちが続々と集まって見守っていたが、打ち上げ失敗のアナウンスに悲鳴が漏れた。
日本の民間ロケットで初めて人工衛星を宇宙空間の軌道に投入する計画だった。同社は詳細については調査中とするコメントを発表、原因究明を急いでいる。カイロスの全長は18mで、H2Aロケットの3分の1程度。重さは23トン。
スペースワンにはキヤノン電子、IHI子会社のIHIエアロスペース、清水建設などが出資している。
アデランス 米ステムソン社と毛髪再生でライセンス契約
毛髪・美容。健康のウェルネス事業をグローバルに展開するアデランス(本社:東京都品川区)は3月11日、iPS細胞の再生力を活用した毛髪再生の研究を手掛ける米ステムソン・世羅ピューティクス(本社:米国カリフォルニア州サンディエゴ、以下、ステムソン社)と、細胞培養による毛髪再生の知的財産権のライセンス契約を2月22日に締結したと発表した。同社が毛髪再生の知的財産権のライセンス契約を結ぶのは今回が初めて。
これによりステムソン社は、アデランスのグループ会社、アデランス・リサーチ・インスティチュート(本社:米国ジョージア州アトランタ、以下、ARI)がフェーズ2の臨床試験として取り組んでいた「細胞治療毛髪再生プログラム」の実施を再開し、既存の脱毛細胞治療開発パイプラインに統合することが可能となる。両社が協力することで、脱毛患者や毛髪再生を望む多くの方に対する毛髪再生治療薬の開発、商品化の実現に繋げていく。