貿易統計によると、建設資材や日用品に使われる塩化ビニール樹脂の2023年の輸出量は前年比12%増の65万2,662トンと4年ぶりに前年を上回った。この牽引役となったのがインド向けで、前年比41%増の47万7,621トンに上った。全仕向け先で突出した伸びを記録、輸出全体の73%を占めた。インドは2023年央、中国を抜き人口世界No.1を擁する国となった。経済成長とともに様々な需要が増大。塩ビ樹脂も農業インフラ関連などの需要が大幅に伸びているとみられる。
千代田化工とトヨタ 大規模水電解Sの共同開発で協業
千代田化工建設(本社:横浜市西区)とトヨタ自動車は2月5日、大規模水電解システムの共同開発および戦略的パートナーシップを構築していくことで合意し、協業基本合意書を締結したと発表した。トヨタが持つ燃料電池技術を用いた水電解セル・スタックの生産や量産技術と千代田化工が持つプロセスプラント設計技術や大規模プラントの建造技術を融合し、競争力のある大規模水電解システムを開発する。これにより、急激に拡大する国内外の水素製造市場に対応していく。
世界最小レベルのサイズでありながら、水素の製造効率が高い水電解システムの開発を目指す。5MW級を原単位として開発し、それらを組み合わせて標準パッケージとすることで、大規模水電解システムを構築する。
23年の実質賃金2.5%減 給与増も物価上昇に追いつかず
厚生労働省が2月6日公表した毎月勤労統計調査(速報値、従業員5人以上の事業所3万余対象)によると、2023年の働く人1人当たりの実質賃金は前年と比べ2.5%減少した。現金給与の総額は増えたものの、物価上昇に追い付かず実質賃金は2年連続でマイナスとなった。
働く人1人当たりの現金給与総額は、基本給、残業代、ボーナスなどを合わせ月平均で32万9,859円となり、前年に比べ1.2%増え、3年連続でプラスとなった。フルタイムが43万6,849円、パートタイムが10万4,570円で、いずれも統計を取り始めた平成5年以降で最も高くなった。
しかし、物価上昇率3.8%と42年ぶりの記録的な高い水準となり、給与増が追い付かなかった。この結果、物価変動を反映した実質賃金で前年に比べ2.5%減少した。