在留邦人の増加でインドネシアの県人会の発足相次ぐ

在留邦人の増加でインドネシアの県人会の発足相次ぐ
 インドネシアの在留邦人の増加に伴い、新たな県人会の発足が相次いでいる。じゃかるた新聞によると、2012年5月時点で30だった県人会は、13年5月に新潟県人会、11月に栃木県人会、茨城県人会、そして14年1月に島根県人会がそれぞれ発足、計34になっている。
 インドネシアにおける県人会で、歴史があるのが北海道の道産子会で、1980年発足だから結成34周年を迎える。鹿児島県人会は88年、ジャカルタ沖縄会は93年にそれぞれ発足している。会員規模は様々で、神奈川県人会は200人を超え、福岡県人会(飛梅会)も180人を上回り、とくに12年以降、約100人が加わり急拡大したという。大阪もこの4年で会員が大幅に増え100人を超えている。
 製造業を中心に企業のインドネシア進出の流れはさらに強まることが予想されるだけに、在留邦人の増加、そして新たな県人会の発足はまだまだ続きそうだ。12年10月1日時点の外務省発表のインドネシア在留邦人は過去最多の1万4720人(11年比2251人増)。ジャカルタ・ジャパン・クラブ(JJC)会員企業は14年1月時点で548社(13年7月比15社増)となっている。

北九州市がインドネシア・メダンで環境インフラ事業

北九州市がインドネシア・メダンで環境インフラ事業
 北九州市がインドネシア北スマトラ州メダン市で、1月から民間企業で廃棄物の管理改善業務を開始、産官民一体でアジアへの環境インフラ輸出の拡大を図るべく、インドネシアで環境インフラ事業を積極的に展開している。メダン市によると、同市では毎日約1000万㌧以上のごみが廃棄され、うち約63%が生ごみだ。ごみ処理方法の確立や廃棄量の減量が課題となっており、廃棄物の管理制度構築が求められている。じゃかるた新聞が報じた。
 こうした状況に対応、同市でいま取り入れられているのがモデル地区の導入だ。家庭ごみやパームオイル産業の産業廃棄物を堆肥にするコンポストセンターや、再利用可能なごみを回収し、換金するごみ銀行を設置する。さらに廃棄物の処理関係者を対象にした研修を通じ、人材育成も進める計画。
 メダン市環境局の担当者は「北九州市と協力し、環境都市のモデルになりたい」と意気込みを語っている。同事業は国際協力機構(JICA)の草の根技術協力事業(地域提案型)の枠組みで実施。北九州市や九州大、企業では環境リサイクル事業を展開する新菱が参加している。期間は2016年3月末まで。

日本能率協会がインドネシアで生産管理者を育成へ

日本能率協会がインドネシアで生産管理者を育成へ
 日本能率協会(JMA)は、インドネシアで日本流の生産現場マネジメントの普及を図る。2013年10月に開始した管理・監督者を育成する研修で、年間200人の受講者および管理者育成を目指す。日系企業にとって共通の課題となっている人材育成を支援する。JMAは日本で実施する資格制度をインドネシアに導入。工場のマネジャー(管理者)とスーパーバイザー(監督者)を対象に、1年間の研修を実施して資格を認定する。NNAが報じた。
 第1期の受講生は16人。研修はテキスト学習、試験対策講座、筆記試験、自社工場の改善活動-の順で進める。半年ごとに受講生を募集し、第2期は4月に開講する。

 

東京五輪に向け日・イバドミントン協会が協力関係強化

東京五輪に向け日・イバドミントン協会が協力関係強化
 日本バドミントン協会(NBA)とインドネシア・バドミントン協会(PBSI)はこのほど、2020年に開催される東京五輪に向け、協力関係を強化することで合意した。日本側はバドミントン強豪国のインドネシアから選手を招き、合宿所などを提供し、練習試合でレベルアップを図る。インドネシアを訪れた今井茂満NBA専務理事らが、PBSI会長を務めるギタ商業相と会談し、明らかにしたもの。
 会談には07年の国体開催以来、スポーツ合宿の誘致に力を入れている秋田県の堀井啓一副知事らも出席。日本で開かれるジャパン・オープンや五輪の前に行う合宿の宿泊施設や練習会場の提供を申し出た。

 

日本政府の草の根支援で東ジャワ州の病院を増改築

日本政府の草の根支援で東ジャワ州の病院を増改築
 インドネシア東ジャワ州ボジョヌゴロ県のスンブンレジョ・ムハマディヤ病院で1月21日、日本政府が草の根・人間の安全保障無償資金の枠組みで支援した病院施設の増改築の完成式典が開かれた。式典には野村昇スラバヤ総領事、ボジョヌゴロ県知事、同病院院長らが出席した。じゃかるた新聞が報じた。
 野村総領事は「今回建設された部屋には東京、京都、梅、ひまわりなど日本の都市と花の名前が付けられており、感銘を受けた。しっかり維持管理して地域住民に質の高い医療サービスを提供してほしい」とあいさつした。同病院では治療室が不足しており、低所得者向けの施設などが増改築された。供与限度額は10万8000㌦。

JJS中学部が地元5校と友好親善スクール 交流深める

JJS中学部が地元5校と友好親善スクール 交流深める
 ジャカルタ日本人学校(JJS)中学部は1月18日、地元中学校5校の生徒をバンテン州タンゲラン市ビンタロのJJSに招き、ゲームや発表を通して交流を深めた。この「日イ友好親善スクール」は今年で36回目の伝統行事。じゃかるた新聞が報じた。
 今回はJJSの生徒253人と、5つの地元の生徒約200人が参加。両国の生徒による約10人ずつの混成チームをつくり、共同で紙飛行機をつくったり、大縄を飛んだりした。昼食も一緒にとり、午後からは各校が日頃、練習を重ねた歌や演奏を披露し合った。

 

首都圏走る日本の中古電車 鉄道網拡充で新たな広告媒体に

首都圏走る日本の中古電車 鉄道網拡充で新たな広告媒体に
 東急田園都市線、都営三田線、東京メトロ東西線などを走っていた日本の中古電車がインドネシアへ輸出され、いまジャカルタ首都圏の通勤者の足として活躍している。しかも車内の中吊り広告やドア横広告のスペースがそのまま再利用され、日系企業の広告も掲載されている。首都圏の鉄道網拡充に伴い、これまでインドネシアであまり活用されてこなかった電車が、新たな広告媒体として注目されている。じゃかるた新聞が報じた。
 中吊りは1両に8カ所のスペースを設け、ドア横は16カ所、さらに天井パネル、つり革にも当然のことだが広告が貼られている。1車両を丸ごとラッピングした車体広告も登場している。
 首都圏の路線を管理・運営するKAIコミューター・ジャボデタベック(KCJ)によると、首都圏沿線の1日の平均利用者は40万人で、2013年7月に実施した料金値下げで利用者が急増。19年までには1日120万人まで増加するとの
試算もある。こうした状況を反映、利用者増と相まって、広告掲載を希望する企業も増えているという。
 KCJは09年から日本の中古車両の輸入を開始し、12年までに308両を購入。13年12月末までにJR東日本埼京線を走っていた205系車両など180両が到着、19年までに毎年160両を購入する計画がある。

スマトラ沖地震・大津波の被害を伝える画像を保存

スマトラ沖地震・大津波の被害を伝える画像を保存
 京都大学の山本博之准教授らは首都大学東京と共同で、2004年12月26日、インドネシアで発生したスマトラ沖地震による大津波の被害を伝える画像を長期保管する「デジタルアーカイブ」をつくり、ウェブサイト(https://ache.mapping.jp/)で公開した。インドネシア政府によると、23万人以上の死者・行方不明者が出た災害の恐ろしさを伝え、防災の備えを呼び掛けるのが狙い。
 サイトでは、最大の被害に見舞われた、地震直後の05年1月から11年8月までのインドネシア・アチェ州の1000カ所以上の画像を公開。津波に襲われた街が復興に向かう様子を見ることができる。スマートフォンで使うアプリも今後提供するという。

駐日大使に知日家のユスロン氏 新大使14人を任命

駐日大使に知日家のユスロン氏 新大使14人を任命
 ユドヨノ大統領は12月24日、中央ジャカルタの大統領宮殿で14大使を任命、新駐日大使にユスロン・イフザ・マヘンドラ氏が就任した。ユスロン氏は筑波大で修士、博士号を取得し、日刊紙コンパスの東京支局長を務めるなど、計13年の日本滞在経験を持つ知日家。日本語が流暢(ちょう)な初めての駐日インドネシア大使となる。

歴史文書の保存・修復へ日・イ連携で専門技術者育成

歴史文書の保存・修復へ日・イ連携で専門技術者育成
 日本とインドネシアの学術専門家が連携し、大地震や津波などの災害で被災した歴史文書の保存・修復を進めている。この作業を担っているのは東京外国語大学アチェ文化財復興支援室。スマトラ沖地震・津波直後の2005年、アチェ州の歴史文書の被災状況を調査するため創設された。この間、文化庁の事業としてアチェ州で文書修復セミナーを開いたり、アチェ州から日本へ研修生を受け入れたりして、専門技術者を育成してきた。
 業務はアチェ州や西スマトラ州などのスマトラ島から、ジャワ島、スラウェシ島など各地のモスクや家屋に眠る古文書・歴史文書の写本を探り出し、保有者の了解を得て修復作業に取り組む。これまでの作業では、インドネシアにおけるイスラム普及など歴史解明につながる文書も多く、文化財としての価値を周知しながら、専門技術者の育成に力を注いでいる。
 研修では西スマトラ州の州都パダンの国立アンダラス大学と同州立公文書館の2人を日本へ招聘した。国立公文書館や元興寺文化財研究所、奈良文化財研究所、京大総合博物館などの機関が協力。のりの作り方や資料の乾燥方法、繕い方、裏打ちなど和紙を使った破損資料の補修技術を伝えた。また、研修生は宮城県石巻市を訪れ、東日本大震災の津波被害を受けた際、実際に行った、安価な材料で公文書に付着した泥と塩を除去する方法を学んだ。