高齢者福祉で協力 現地ニーズ把握へ東南アジアを調査

高齢者福祉で協力 現地ニーズ把握へ東南アジアを調査
 厚生労働省は今月から9月にかけて、インドネシア、ベトナム、タイの3カ国を対象に、高齢者福祉の現地調査に乗り出す。高齢者向けの介護や保健医療のサービス状況を視察し、政策担当者らに聞き取りを行う。同省は2014年度から高齢者対応の政策協力を予定。現地の実情やニーズと、日本側が提供できるノウハウを擦り合わせる。
  東南アジアでは今後30年前後で65歳以上の高齢者が人口の約2割に達する国が多い。急増する高齢者向けの福祉制度づくりでタイなどから協力を求められているが、日本の取り組みを単純に移植するのは難しいと判断した。そこで、高齢化対策に関する厚労省の国際協力の検討会に参加する専門家が訪問。政府や研究機関、福祉施設などを視察する。各国で高齢者の介護や病気を防ぐ医療などが、どのように提供されているか現地の社会構造や習慣とともに把握する。
 厚労省は東南アジアの高齢者福祉の実態把握を先行しながら、日本国内でも今夏に都市部と農村部の計4カ所で調査を実施。東南アジアへの導入に適した実例を探る。

元日本留学生原作の関西が舞台の映画「ラ・ターザン」公開

元日本留学生原作の関西が舞台の映画「ラ・ターザン」公開
 日本に留学経験がある通訳業のエルノフィアンティ・ニネさん(39、通称ノフィ)が日本での様々な体験を綴った短編を映画化した「ラ・ターザン」が8月2日、ジャカルタなどの映画館で公開される。題名の「ラ・ターザン」はアラビア語で「悲しまないで」の意味。
 じゃかるた新聞によると、2011年に発刊された日本留学経験者による短編集「ラ・ターザン・フォー・スチューデント」に収録されたノフィさんの「プラジャール・ストゥンガ・TKI(半分出稼ぎの学生)」を原作に、アルバイトをしながら日本で学ぶという夢を叶えたインドネシア人女性の話を、恋愛などの要素を交えて脚本化した作品だ。
 長・短所含めた現在の日本の大学の教育現場の状況はじめ、入国管理局の取り締まりにおびえながら、不法就労を続けるインドネシア人など、負の部分や宗教観の違いなども盛り込み、留学生のラブストーリーを超えた作品に仕上がっている。
 キャスティングは、主役のフィオナには有名女優のアティカ・ハシホランさんが配されているが、インドネシアで活動している日本人俳優や在留邦人も多く出演している。道頓堀や大阪港、京都の伝統的な街並み、和歌山のみかん畑など関西を舞台に、日本の美しい風景もふんだんに盛り込まれているという。

経産省とジェトロがイでの日系中小企業の支援体制強化

経産省とジェトロがイでの日系中小企業の支援体制強化
 日本の経済産業省と、日本貿易振興機構(ジェトロ)は7月30日、インドネシアのジャカルタで日系中小企業の事業展開を支援する枠組み「中小企業海外展開現地支援プラットフォーム」を立ち上げた。従来の情報提供に加え、現地での支援機関・団体との連携によるサービス体制を強化。経済成長に伴い注目が集まるインドネシアでの事業活動を促す。
 同日、支援機関・団体となる在インドネシア日本国大使館、国際協力機構(JICA)、一般財団法人海外産業人材育成協会(HIDA)、ジャカルタ・ジャパン・クラブ(JJC)、中小企業連合会(SMEJ)、インドネシア投資調整庁(BKPM)、JACリクルートメント、朝日ネットワークの関係者と立ち上げに伴う幹事会を開いた。
 ジェトロによると、昨年の調査では約1300社がインドネシアに進出。現時点では1400社を超えたもよう。JJCの法人会員数は520社超、日系中小企業が加盟するSMEJの会員数は約400社でともに過去最高を更新している。

東京都品川区がインドネシア大使館と災害時協定締結

東京都品川区がインドネシア大使館と災害時協定締結
 東京都品川区は7月25日、災害時に区民や帰宅困難者を一時待機させるため、在日インドネシア大使館(品川区東五反田)と協定を結んだと発表した。大使館と自治体がこうした協定を結ぶのは極めて異例。品川区によると、災害時は同大使館が敷地の一部を待機場所として開放。区民や帰宅困難者を受け入れるほか、区が大使館の倉庫に水や食料などを備蓄して提供する、東日本大震災の際、同大使館は約50人の区民らを受け入れ、飲食物を提供した。

日・イ関係をより緊密なものに 大使公邸でブカプアサ

日・イ関係をより緊密なものに 大使公邸でブカプアサ
 南ジャカルタの駐インドネシア日本大使公邸で7月23日夕、インドネシアのイスラム団体の有識者やプサントレン(イスラム寄宿学校)教師ら54人を招き、今年で10回目を迎えたブカプアサ(断食明け)の夕食会が開かれた。鹿取克章・駐インドネシア日本大使は「インドネシア教育におけるプサントレンの果たす役割と存在の大きさを実感している」とあいさつし、2004年から始まったプサントレン教師の日本招へいプログラムを通じて、「日・イ関係をより緊密なものにしていきたい」と今後の活動に期待を寄せた。
 プサントレン招へいプログラムは、日本とインドネシアのイスラム世界との相互理解を深めることを目的に、日本政府が2004年に開始。毎年12人を日本へ招へいし、日本の教育現場を視察し教師や有識者、大学生との意見交換、ホームステイなどを実施している。
 今回、インドネシア側から出席したのは同国第2のイスラム団体ムハマディヤのディン・シャムスディン議長や、国立イスラム大学イスラム社会研究所(PPIM)関係者、プサントレン教師ら。鹿取大使らと懇談しながら食事を楽しんだ。

バリ日本語補習校で夏休みが終わり2学期がスタート

バリ日本語補習校で夏休みが終わり2学期がスタート
 地元紙によると、バリ日本語補習授業校で、6月中旬から始まっていた夏休みが終わり、7月8日から2学期がスタートした。ただ、夏休みは現地校の学年末の休み期間に合わせて決めており、一時帰国した児童の登校は遅れることが多いという。したがって、日本国内のように日を区切って全員が顔を揃えてというわけには行かないようだ。
 新学期が始まってから、児童たちには思いがけない遊び場ができた。それは、夏休み期間に保護者の支援も受けて学校の敷地内にミニアスレチックが設置されたからだ。これまで運動することが少なかった児童たちは、手が痛い、足が疲れたなどといいながらも、体を動かす喜びを感じたのか、アスレチックに行列をつくり連日好評だという。
 学習面では日本語能力試験で、より高い級での合格を目指すため授業時間を増やした。7月から1カ月に1回だけ2時間、小学4年から中学生までの児童・生徒を受験級に応じたクラスにまとめる「チャレンジクラス」を編成。8月4日には希望者を対象に日本語能力校内模擬テストを行うという。
 同校は1990年に設立され、小・中学部では5月時点で約190人の子供が学んでいる。8月には運動会、11月には補習校祭りを開催する予定だ。

バンドン日本人学校で夕涼み会、七夕会 さながら夏祭り

バンドン日本人学校で夕涼み会、七夕会 さながら夏祭り
 地元紙によると、バンドン日本人学校(BJS)はこのほどPTA主催の夕涼み会、七夕会を開いた。夕涼み会の当日は昼過ぎに雨が降り、一時は開催が危ぶまれたが開会予定時間前に雨がやみ、無事、会を催すことができた。佐藤邦壽校長、バンドンジャパンクラブ(BJC)の高森健彰会長のあいさつで会がスタート。BJSの子供たちや職員、BJCの参加者も浴衣姿で、会場はさながら日本の夏祭りのような雰囲気に包まれた。
 輪投げや射的などのゲームや、焼きそばやホットドッグ、フライドポテト、たこ焼きなどの出店が並び、インドネシアにいながら、日本さながらの祭りを楽しんだ子供たちは、すいか割りや神輿担ぎも体験した。日本人だけでなく、会場のインドネシア人も参加し、盆踊りや線香花火で盛り上がった。
 7月5日にはBJSで七夕会を開催した。当日までにそれぞれのクラスで願い事を短冊に書き、七夕飾りを作って準備していた子供たち。1人ずつ願い事を発表し、願いが叶うように全員で七夕の歌を元気に歌った。

西ジャワ州でスマートコミュニティ技術の実証事業

西ジャワ州でスマートコミュニティ技術の実証事業
 新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)は、インドネシアで日本のスマートコミュニティ技術を売り込む実証事業を開始する。インドネシアのエネルギー・鉱物資源省と7月15日、基本協定書を締結。同日から西ジャワ州カラワン県のスルヤチプタ工業団地に電力品質の安定化技術や省エネ化に向けたエネルギーマネジメントシステムなどの設置に取り掛かり、システムの基盤となる情報通信技術(ICT)プラットホームを導入し、来年4月をメドにシステムの運用を始め、効果を実証する。
 事業費は35億円。期間は2016年2月まで。システム運営のビジネスモデルも確立し、実証事業終了後は民間へシステムを売却する予定。事業は委託先の住友商事、富士電機、三菱電機、NTTコミュニケーションズが現地の国営電力PLN、スルヤチプタ工業団地と協力して進める。

アジア文化交流懇談会の委員9人がジャカルタを訪問

アジア文化交流懇談会の委員9人がジャカルタを訪問
 東京大学の山内昌之名誉教授を座長とするアジア文化交流懇談会の委員9人が7月14~16日の日程でジャカルタを訪れた。15日夕、インドネシアの文化人たちと4時間にわたり意見交換。相互に文化の違いを認識したうえで、アジアの文化の融合や調和を目指し、対話やコラボレーションを継続していくことが大切-との認識を共有した。
 日本大使館とインドネシア日本友好協会(PPIJ)が主催した両国の文化人による意見交換会では、インドネシア側の旗振り役となったラフマット・ゴーベルPPIJ会長のほか、歌手で国会議員のタントウィ・ヤフヤ氏ら、映画、音楽、舞踊、テレビなど各界の著名人が参加した。今回参加の日本側の懇談会委員は山内座長のほか、井上弘・日本民間放送連盟会長、猪子寿之チームラボ代表、コシノジュンコ(デザイナー)、迫本淳一・松竹社長、知花くらら(モデル)、鳥井信吾(サントリーホールディングス副社長)、長谷川三千子・埼玉大学名誉教授、宮廻正明・東京芸術大学教授(日本画家)。
 アジア文化交流懇談会は、ASEAN(東南アジア諸国連合)を中心としたアジアでの日本の文化交流を促進させようと、安倍政権の肝いりで立ち上げられたもの。安倍首相がASEAN外交5原則の中で掲げた方針に基づき、映画、音楽、ファッション、絵画などの各分野の有識者11人を委員として4月に発足。月1回のペースで会合を重ね、今回が初の海外視察となった。会合や視察を踏まえたうえで、今年12月に日本で開かれる予定の日・ASEAN特別首脳会議で日本政府が発表する予定のアジアとの文化交流政策に向け提言する。 

インドネシアの日本語学習者が87万人余で世界2位に

インドネシアの日本語学習者が87万人余で世界2位に
 国際交流基金が3年ごとに実施している海外の日本語学習者調査によると、2012年度のインドネシア国内の日本語学習者数は09年比21%増の87万2406人となり、世界3位から2位に上がった。とりわけ、インドネシア国内の中等教育(中学・高校)における日本語学習者は多く、世界一となった。親日国のインドネシアでは日本文化に対する関心が高く、高校の選択科目への日本語採用で学習者が増加している。ただ、日本語教師不足や新しい教材の開発など課題も多く、継続的な取り組みが求められている。
 日本語学習者の総数は、09年比9.1%増の398万4538人と大幅な伸びを記録。国別では中国が同26.5%増の104万6490人で前回の2位から首位に。2位がインドネシアで、3位は首位から転落した韓国で、同12.8%減の84万187人だった。インドネシア国内の日本語学習者を地域別にみると、西ジャワ州が22万5566人で最多、以下、東ジャワ州13万8431人、中部ジャワ州8万416人と続いた。同国内の日本語を教える教育機関はは06年の1084、09年の1988から増加し、12年は2346となっている。