ASEAN3カ国と年内に通貨交換協定締結 進出企業支援

ASEAN3カ国と年内に通貨交換協定締結 進出企業支援
 日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)は5月3日、財務相・中央銀行総裁会議を開き、新たな金融協力の枠組みをつくることで正式に合意した。日本はすでに協定を結んでいるインドネシアやフィリピンに加え、年内にもタイ、マレーシア、シンガポールの3カ国と2国間の通貨交換協定を締結するほか、日系企業が現地通貨を調達しやすい仕組みもつくる。インドネシア、フィリピンとは交換通貨額を増額する。これにより、ASEAN諸国との結びつきを強め、アジア市場の成長を取り込みたい考え。
 今回合意した新たな金融協力の柱はASEAN域内の日系企業の現地通貨での資金繰り支援だ。邦銀が現地の銀行から現地通貨を借りる際に、国際協力銀行(JBIC)が返済を保証する仕組みも新設する。この背景には日系企業の東南アジア戦略の加速がある。ASEAN各国に数多くの企業が進出、下請けの中小・零細企業も含め産業集積が急速に進んでおり、進出先の現地通貨で取引するニーズが高まっていることがある。