「独自技術を集積」佐藤繊維4代目社長招きセミナー
日本貿易振興機構(ジェトロ)、インドネシア日本友好協会(PPIJ)などは8月29日、佐藤繊維(山形県寒河江市)の4代目社長・佐藤正樹氏を講師に招き、中央ジャカルタのホテルで「モノづくりセミナー」を開催した。このセミナーは”日本のモノづくり精神”を通じ、企業理念などをインドネシアに伝えようと松下ゴーベル財団の後援を受け、開催されているもので、今回が4回目。会場にはインドネシアのファッション産業、繊維産業関係者など150人が参加した。
今回のセミナーで佐藤氏が強調したのは、顧客のニーズに合わせて製品をつくっているだけでは、生き残っていけない。生産者が主体となって製品を開発し、独自の技術を蓄積することで、流行を自らつくり出していく必要がある-との考え方だ。さらに、企業として、雇用を守り続けていくためには製品開発と広告宣伝に注力し、独自技術とブランドを確立することが重要だ-とし、生産だけでなく、つくった製品を売り込んでいく宣伝活動の重要性を説いた。
佐藤繊維は2005年、南アフリカに生息するアンゴラヤギの毛に着目し、1㌘の原料から52㍍の糸を紡ぎ出すことに成功。これにより、極細モヘア糸が可能になり、素材が持つ独自の柔らかさを実現した。その功績が認められ、09年には第3回モノづくり日本大賞の製品・技術開発部門で経済産業大臣賞を受賞している。