マンガ論巡りUI大学院と日大芸術学部がシンポ共催
じゃかるた新聞によると、インドネシア大学(UI)大学院日本地域研究科と日大芸術学部は9月4、5日、南ジャカルタの国際交流基金ジャカルタ日本文化センターで「日本のマンガ・文学」をテーマにシンポジウムを共催した。日本からホラー漫画家の日野日出志氏や文芸評論家の山崎行太郎氏など日大芸術学部講師陣を迎え、世界各地で親しまれている日本のマンガの隠された魅力や創作方法などを巡り、学生や大学講師陣ら出席者も参加しながら概説した。
中でも、インドネシアで24年間放映されている国内最長寿テレビ番組のアニメとして、またインドネシア語版コミックで人気の「ドラえもん」について日野氏の独創的な見解が目を引いた。主人公やキャラクターの設定の背景を、ドストエフスキー作品やギリシャ神話を援用しながら解き明かしていく過程がとくに印象的だった。
シンポジウムを企画したUIのスーシー・オング氏は「学生には文化や社会問題など日本に関する幅広い知識を持ってほしいが、日々のカリキュラムの授業ではどうしても日本語習得に終始し勝ち」と指摘。その点、今回のような「日本人による講義から学生が得るものは計り知れない」と話していた。