年末に向け1ドル=1万2000ルピアの大台割れ懸念
通貨ルピアの対ドル相場がジリ安で推移しており、年末に向け1ドル=1万2000円ルピアの大台割れの懸念が強まっている。インドネシア中央銀行のアグス・マルトワルドヨ総裁は11月22日、ルピア安について、例年年末は民間の対外債務支払いが増えるなど季節的要因でドル買い需要が高まると指摘。数カ月以内の量的緩和縮小が可能との米国連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録の影響についても、世界中が影響を受けており、インドネシアに限ったことではないとし、ルピア安の進行に過剰に悲観視しないよう呼びかけた。ハティブ財務相も同日、重要なのは為替レートが急激に上下せず、安定していること-と、市場関係者に冷静な見方を保つようにアピールしている。
ただ、12日の政策金利引き上げがルピア安の国内要因とされる経常赤字の縮小に与える効果が疑問視される中、中銀はさらなる利上げや市場介入などの対策を迫られる場面も予想される。