21年1~5月飲食業倒産270件で15.6%減 協力金で抑制

東京商工リサーチのまとめによると、2021年1~5月の飲食業倒産(負債1,000万円以上)は前年同期比15.6%減の270件だった。年間最多を記録した2020年(842件)と比べ、今回は政府の給付金や協力金など支援効果もあり、厳しい環境にあるにしては飲食業の倒産件数は現時点では抑制されている。
ただ、飲食業倒産のうち、新型コロナウイルス関連倒産が123件(構成比45.5%)とほぼ半数を占め、コロナ禍の影響が事業継続に深刻な影を落としていることは間違いない。
「酒場・ビヤホール(居酒屋)」では倒産が69件発生し、このうち新型コロナ関連倒産は43件と6割以上(構成比62.3%)を占めている。酒類提供が制限され、来店客数や客単価の低下などで売り上げが落ち込み厳しい状況に置かれている。
コロナ禍でインバウンド需要の消失や外出自粛、在宅勤務の広がり、酒類提供の停止など経営環境の激変が1年以上続き体力的限界に近付いている事業者も少なくないと思われる。
飲食業に占めるコロナ関連倒産の構成比は1月43.3%、2月35.1%、3月43.6%、4月53.7%、5月49.0%。