ブラジルなどのチームは7月2日付米科学誌サイエンス電子版に、環境中に放出されたプラスチックごみを誤って摂取している野生生物が、世界で少なくとも約1,500種に上るとする研究結果を発表した。汚染が目立つ海の生き物だけでなく、河川などの淡水域や陸域の多くの種でも確認される深刻な状況という。
1980~2021年5月に報告された、野生生物のプラスチック摂取例を集約した。魚類は932種、鳥類は291種、哺乳類で94種、無脊椎動物などを含め計1,565種で摂取が判明。生息域の分類別では、海の生き物が1,288種、淡水域が224種、陸域が53種だった。
プラごみは、生き物が餌と間違えて飲み込んで直接摂取するほか、食物連鎖を通じて蓄積する。摂取により餌の消化や吸収ができず、衰弱死したり、含まれる有害な化学物質が悪影響を及ぼしたりすることが懸念される。
研究チームは、毎年数百トンのプラスチックが環境中に出て蓄積していると指摘。生産と使用を大幅に減らし、廃棄物管理と回収に投資することが必要だと訴えている。