トヨタ自動車は10月29日、初の量産電機自動車(EV)「bZ4X(ビーズィーフォーーエックス)」の仕様を発表した。航続距離(1回の充電で走行可能な距離)は460~500kmと、先行する米テスラ「モデル3」の448~580kmや日産自動車「アリア」の430~610kmに迫る。世界のEVメーカーの中では先頭集団に入り、先行組を猛追する構え。
bZ4Xは、多目的スポーツ車(SUV)で価格は未定。2022年半ばから世界販売を始める。車台はEV専用の設計としてSUBARU(スバル)と共同開発した。スバルの四輪駆動や衝突安全、トヨタの電動化や「つながるクルマ」のノウハウを反映させた。出力が最大150KWの「急速充電器」に対応し、30分でフル充電の80%分の電気を貯めることが可能だ。外装に太陽光パネルも設置できるようにし、1年間で1,800km走行する電力を生み出すことができる。アウトドアや災害時に住宅に給電することも可能にした。
トヨタは「TOYOTA bZ」シリーズとして位置付けられるEVを2025年までに7車種発売する方針。今回はその第一弾にあたる。日本と中国で生産するが、既存車両の製造ラインを活用し、専用の拠点は設けない。