半導体不足など部品の供給制約を受け、自動車部品各社が在庫を積み増す動きを強めている。主要27社の原材料や製品など棚卸資産は3月末時点で1年前と比べ4割近く増え、過去最高水準となっている。高い稼働率を維持しているトヨタ自動車系のメーカーでとりわけ増加が顕著。自社の部品供給停止で完成車生産に影響が出るのを防ぐためだ。
とはいえ、在庫を積み増せばその分、利益が圧迫されることになる。だが、中国・上海市のロックダウン(都市封鎖)で部品不足が長く続き、自動車各社が軒並み減産を余儀なくされた経験を教訓に、当面は供給網の維持を優先する。