日本政府は6月12日、東京電力福島第1原子力発電所事故に伴い、福島県内7市町村で残る帰還困難区域のうち、葛尾村の一部区域の避難指示を解除した。居住再開に向けて指定された特定復興再生拠点区域(復興拠点)のうち、同村北東部にある野行地区の0.95k㎡で解除した。同区域での居住を目的とした解除は初めて。
原発事故から11年3カ月を経て、これまで帰還できなかった住民の暮らしの再開に向けた歩みがようやく始まる。ただ、この歳月の長さは重すぎる。同地区では30世帯82人(6月1日時点)が住民登録するが、避難先での定住化が進み、帰還意向があるのはわずか4世帯8人にとどまる。
同村に続き、福島県大熊、双葉の両町でも近く復興拠点での避難解除が見込まれている。