インドネシアの禁輸続きニッケルの国際価格上昇

インドネシアの禁輸続きニッケルの国際価格上昇
 ステンレス原料となるニッケル地金(じがね)の国際価格が上昇傾向を強めている。指標となるロンドン金属取引所(LME)では3月6日、年初から1割強高い1㌧当たり1万5300㌦台で推移し、約9カ月ぶりの高値を記録した。これはニッケルの主要産地インドネシアの輸出規制で、供給不安が根強いためだ。
 ニッケル鉱石で1割強のシェアを占めるインドネシアは、新鉱業法施行に基づき1月12日から自国の製錬産業育成を狙い、鉱石の輸出を禁止。関係商社によると、3月に入っても禁輸措置が続いている。
 ニッケル地金に加え、ステンレス原料となるニッケル銑鉄の供給が減少するとの見方も浮上している。インドネシア産ニッケルの残さは品質に優れ、銑鉄の主要原料にもなっていたという。