夢かけ再来日し再挑戦の人も 看護師国家試験
日本とのEPA(経済連携協定)に基づき日本に滞在しているインドネシアとフィリピンの看護師候補者たちは2月17日、5万人を超える日本人に混じって、日本各地で行われた102回看護師国家試験を受験した。合格発表は3月下旬。
試験は午前9時から午後零時半、同2時20分から同5時50分の計7時間にわたって行われた。大阪では近畿大学を会場に、2カ国合わせて約120人が受験した。試験会場には、すでに合格して看護師となった先輩たちが、後輩の応援に駆けつけていた。いったん帰国し、夢を諦めかけたが、インドネシアの日系人を支援する組織・団体の協力で、再来日して受験した候補者の姿もみられた。
2008年7月に発効した日本とインドネシアのEPAに基づき、同年8月からこれまでにインドネシアから392人が看護師候補者として来日。合格者はこれまで約50人にとどまっている。言葉の壁などが大きく、9割前後で推移する全体の合格率と比べ極端に低いのが現状。
厚生労働省は今年の試験で、EPAに基づく外国人看護師候補者の試験時間を一般受験者より1時間40分長い7時間に延長し、問題文の漢字に振り仮名を付けるなど徐々に改善策を講じている。