林芳正外相は4月2日、北京で中国の秦剛(しんごう)国務委員兼外相と会談した。林氏は3月に北京でアステラス製薬社員の男性社員が中国当局に拘束されたことに抗議し、早期解放を要求した。一方、秦氏は日本が尖端半導体製造装置の輸出規制の厳格化方針を発表したことについて、「悪人(=米国)の手先になるべきでない」と批判した。
ただ、「建設的かつ安定的な日中関係」の構築を目指すことでは一致した。韓国を交えた3カ国の首脳や外相らの協議の枠組みを再び動かす方針を申し合わせた。
だが、米中対立が深刻化する中で、ほかにも対立点は多く、この日の会談でも立場の違いが浮き彫りになった。日本の外相の訪中は2019年12月以来、約3年3カ月ぶり。
林外相 李強首相、外交トップ・王毅氏とも会談
林外相は3月に就任した李強(りきょう)首相と日本の閣僚では初めて面会し、日本人解放を働きかけた。首脳間を含むあらゆるレベルで緊密に意思疎通を継続することの重要性で一致した。また、外構担当トップの王毅共産党政治局員とも会った。