豪政府 大詰めのEPA交渉を前に捕鯨勝訴にも沈黙

豪政府 大詰めのEPA交渉を前に捕鯨勝訴にも沈黙
 オーストラリアのアボット政権が対日関係に配慮し、日本が敗訴した国際司法裁判所の3月31日の捕鯨判決への対応に、苦慮の姿勢をにじませている。現地紙は反捕鯨国の筆頭だけに、豪州側の勝利を大きく報じているが、対照的に政府の反応は控えめで、ブランディス司法長官が「決定を歓迎する」と短く述べたほかは、主要閣僚が公式声明を見送り、勝利の高揚感とは程遠い。
 これは、大詰めを迎えた両国の経済連携協定(EPA)交渉が焦点の牛肉の関税引き下げを巡って、ロブ貿易・投資相がぎりぎりの折衝にあたっているからだ。判決を無邪気に喜んでいては両国間の対立をあおりかねない。また、アボット首相が4月5~8日の日程で訪日する予定で、日本との関係強化に専念したい大切な時期にある。同首相自身、絶対的な優先課題と位置付けるEPA交渉を、物別れに終わらせては元も子もないとの思いが強い表われ。オーストラリアの現政権にとっては、勝訴の朗報も、大切な時期に飛び込んできた極めて間の悪いニュースだったわけだ。