国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29 )は11月11日、アゼルバイジャンの首都バクーで開幕した。国連環境計画(UNEP)によると、2023年のCO2排出量は前年比1.3%増の571億トンと過去最高を記録した。
開会式で議長に選出されたアゼルバイジャンのムフタル・ババエフ環境・天然資源相は、「気候変動により我々は滅亡への途上にある」と強い危機感を表明。各国が2025年2月までに国連に提出する2035年までの削減目標について「世界の温暖化対策を軌道に乗せる最後のチャンスだ」とし、目標の引き上げを要請した。
また主要議題に、途上国の温暖化対策支援として先進国が拠出する「気候資金の」の上積みも挙がっている。しかし、世界2位の排出国・米国で政権交代があり、復帰するトランプ次期大統領は、大統領選中パリ協定からの再離脱を主張。現在のバイデン政権が約束した資金拠出を撤回する方針を明らかにしている。これにより、世界の気候変動対策の見通しは不透明感を増している。
COP29は22日までの会期中、190を超える国や地域の代表らが温暖化対策を話し合う。