移植医療体制 法施行後初の抜本見直し 改革案を了承 厚労省

移植医療体制が1997年の臓器移植法施行後初の大幅な改革が行われる見通しとなった。検討を進めてきた厚生労働省の臓器移植委員会は12月5日、移植希望者が移植を受ける施設の複数登録を可能にし、臓器斡旋期間の日本臓器移植ネットワーク(JOT)から業務の一部を新設法人に移行する最終案を了承した。今年度中にJOTのシステムを整備し、当面は登録できる施設を2カ所までとする。
国内の臓器移植の待機患者は今年10月末現在で約1万6,500人いる。脳死下の臓器提供数の増加で、移植施設が人員や病床の不足などから臓器の受け入れを断念している問題などを受け、抜本的に見直す。
厚生労働省のまとめによると、2023年に人員や病床の不足など院内態勢が整わないことを理由に臓器の受け入れを断念した施設は26、そして移植が見送られた患者数は延べ803人に上っている。