ノルウェー科学文学アカデミーは3月26日、「数学のノーベル賞」とも呼ばれる国際数学賞「アーベル賞」に、京都大数理解析研究所の柏原(かしわら)正樹・特任教授(78)を選んだと発表した。ノーベル賞が数学分野を対象としていないことから、ノルウェー政府が2002年、数学分野のノーベル賞としてこの「アーベル賞」を創設。日本人の受賞は初めてとなる。賞金約1億円が贈られる。柏原さんは代数解析学の要となる「D加群」の基礎理論を構築し、この分野の発展の貢献した。
柏原氏は27日、京都大で「50年を超える研究全体が評価されたと思う。多くの共同研究者に感謝したい」と喜びを語った。