トランプ米政権の関税政策の影響が、米国企業の業績に波及している。関税によるコストの増加や消費の低迷で今後、さらに業績が悪化する恐れもある。米国内製造業を守り、支援するはずだった関税政策が苦境に陥れている。
米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は5月1日、トランプ政権の関税政策の影響で、2025年に40億〜50億ドル(約5,800億〜約7,300億円)のコスト増が見込まれると発表した。GMは米国で販売する車両の半数を、メキシコなどから輸入している。トランプ政権は4月29日、米国産車両を対象に2年間の期限付きで、輸入部品にかかる関税負担を軽減する措置を発表したが、短期間で米国に生産を移転するのは難しいと判断したもの。
こうした状況を踏まえ、同社は同日、2025年12月期の業績見通しも下方修正した。最終利益を1月に見込んでいた112億〜125億ドルから82億〜101億ドルへ引き下げた。日本円で4,000億円程度の下方修正を余儀なくされた。