ロシア 中国からのオートバイ輸入1.7倍 戦場に投入

日本貿易振興機構(ジェトロ)の分析によると、2024年の中国からロシアへのオートバイの輸出台数が、およそ83万3,000台に上り、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まった2022年と比べて1.7倍に増加したことがわかった。
米国のシンクタンク、戦争研究所は、中国製オートバイのロシアへの急増の背景について、ロシア軍が大量のオートバイを戦場に投入しているためとの見方を示している。2024年1年間にロシア軍に納入された中国製のオートバイはおよそ2万台に上る。ウクライナ軍の当局者も、「戦場で押収されるオートバイの殆どが中国製だ」と証言している。また、別の関係者はロシア国内の製造能力だけでは、戦場で急増するオートバイ需要に追いつかないためーーと話している。
では、なぜオートバイの戦場投入がこれほど増えているのか?それはウクライナ軍の無人機による攻撃で、およそ3,000両の戦車を失ったためだーーと同研究所では指摘している。無人機の標的になりやすい戦車の代わりに、機動力が高いうえ、小回りも利くオートバイを投入することで、損害を抑える狙いがあったとみられる。