タイNCPO 経済再建急ぐ 前政権の政策見直す
軍事クーデターで全権を掌握して1カ月となるタイ国軍による「国家平和秩序評議会(NCPO)」は、経済の立て直しを急いでいる。旧政権下でマヒしていた経済政策を、前政権の政策見直しを含め矢継ぎ早に打ち出している。
2015年度(14年10月~15年9月)の予算編成に着手。前年度比2%増の総額2兆5700億バーツという大枠を決めた。その一方で8000億バーツを投じる高速鉄道4路線の整備計画や、3500億バーツの治水事業など不透明さが指摘された、中長期をにらんだ大型インフラ事業を相次ぎ凍結。コメの買い上げ政策や、小中学生へのタブレット端末の無料配布など論議を呼んだ政策も廃止した。
そして6月18日には、政情混乱で企業の投資申請の認可作業が滞っていた本委員会を8カ月ぶりに再開。総額1230億バーツ(約4000億円)の大型投資案件を認可した。NCPOのプラユット議長(陸軍司令官)が自ら本委員会のトップに就き、陣頭指揮を執る。未承認だった約700件、総額6000億バーツ超の認可を2カ月以内に終える方針だ。また、NCPOが明示している行程表によると、民政復帰に向け、今後15カ月程度で新憲法制定と国内改革を終え、総選挙を実施する方針。