月面探査機SLIM 極寒の夜を克服 2度目の再起動に成功

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は3月28日、日本初の月面着陸に成功した無人探査機「SLIM(スリム)」が再起動したことを明らかにした。27日夜、太陽電池で発電するスリムとの通信を確立し、着陸時に使ったカメラで周囲を撮影した。
月は2週間に1度、昼夜が入れ替わるため、昼の温度はセ氏110度、夜はマイナス170度にさらされる。夜の低温を耐えられない設計にしていたが、幸運にも2度も克服したことになる。JAXAではどこまで機体が機能できるか確認することで、今後の月探査機の開発に役立つとみている。

国交省 関空など新ルート案 地元の運用時間制限受け入れ

2025年大阪・関西万博に向けて、関西空港と神戸空港の発着枠を増やすために新たな飛行ルートが検討されている。国土交通省と関西の3つの空港(関西・大阪・神戸)の地元の自治体や経済団体の会合が3月27日、大阪市内のホテルで非公開で行われた。
その結果、国交省は騒音への懸念から運用時間の制限を求める地元自治体の要請を受け入れると回答した。そのうえで万博での需要増加を見据え①神戸空港への国際線の就航②関西空港の発着枠を引き上げるーことで合意した。今後、国交省は万博直前の2025年夏ダイヤ、3月30日からの運用開始に向けて西行を進める。

「東京圏」地価 3年連続上昇 住宅・商業地プラス4.0%

国土交通省によると、東京都とその周辺地域(神奈川県、埼玉県、千葉県および茨城県の一部)を含めた「東京圏」の住宅地と商業地を合わせた2024年1月1日時点の地価は、昨年と比べて平均でプラス4.0%と3年連続で上昇した。上昇率も昨年より1.6ポイント拡大した。
用途別にみると、住宅地はプラス3.4%で上昇率は昨年より1.3ポイント拡大した。このうち東京23区はプラス5.4%と東京圏の住宅地の平均を上回る上昇率となった。一方、商業地はプラス5.6%となり、昨年より上昇率が2.6ポイント拡大した。このうち東京23区は全体でプラス7.0%で、上昇率は3.4ポイント拡大した。また、周辺も千葉市がプラス7.4%、横浜市がプラス6.0%、川崎市がプラス7.1%と高い伸びとなった。

東京都「晴海フラッグ」に水素ステーション開設 全国初

東京都は3月27日、中央区の東京オリンピック・パラリンピックの選手村跡地につくられたマンション群「晴海フラッグ」にエリアに水素ステーションを開設した。脱炭素化に向けて水素エネルギーを活用したまちづくりを進める一環。3月29日から運用を開始する。
同ステーションでは水素を燃料として走る都営バスやBRTのほか、地下に整備されたパイプを通してエリア一帯に供給する機能が備えられている。この水素はエリア内に設置された燃料電池の発電に使われ、マンションの共用部の照明などの電気として利用される。パイプを通した本格的な水素の供給は全国でも初めて。

大阪市 小林製薬に「紅麹サプリ」回収命令 健康被害で

大阪市は3月27日、小林製薬(本社:大阪市中央区)の「紅麹」成分が入ったサプリメントによる健康被害が確認された問題で、同社に回収命令を出したと発表した。命令回収の対象製品は「紅麹コレステヘルプ」3種類と「ナイシヘルプ+コレステロール」「ナットウキナーゼさらさら粒GFOLD」。
厚生労働省は26日、2人目の死亡事例が報告されたとして、食品衛生法に基づく製品の廃棄命令などの措置を取るよう市に通知を出していた。

東京都 2月も4,450人転入超過 都への移動14カ月連続

総務省のまとめによる2月の住民基本台帳人口移動報告によると、東京都は他の道府県からの転入者が、転出者を4,450人上回った。2023年1月以来、14カ月連続で転入超過となっている。2月の東京への転入者は前年同月比0.5%増の3万1,029人、転出者は同1.4%減の2万6,579人だった。
新型コロナウイルス禍の最中には、感染対策として”密”を避けるべく異例の転出増となった東京。だが、コロナ禍が落ち着いて以降、東京圏をはじめとする都市部に人口が集まる傾向がまた戻っている。ちなみに、2月は首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)でみても6,532人に転入超過だった。

東京都の新型コロナPCR検査補助金の不正請求額393億円

東京都は3月26日、新型コロナウイルスのPCR検査補助金の不正請求額が、最終的に393億円に上り、このうち102億円が交付されていたことが分かったと公表した。不正申請は検査を行った588事業者のうち21事業者で、都は検査数の水増しなどがあったとして、公布の取り消しや返還命令などの措置を行った。

23年HIV感染者7年ぶり増加 検査数4年ぶり10万件超に

厚生労働省のエイズ動向委員会は3月26日、2023年にエイズウイルス(HIV)感染が判明した人は前年比37人増の669人(速報値)で、7年ぶりに増加に転じたと発表した。
検査件数は前年比3万3033件増の10万6,137件。新型コロナウイルス禍により検査控えで流行前の半分程度まで現象していたが、4年ぶりに10万件を超えた。
新規エイズ患者数は前年比39人増の291人(速報値)。HIV感染者とエイズ患者は合わせて960人。このうち男性が全体の9割を超えている。感染経路別では同性間の性的接触663人、異性間の性的接触133人などとなっている

ウズベキスタン 万博パビリオン テーマは「知の庭」

2025年大阪・関西万博に出展する中央アジアのウズベキスタンが3月25日、会場の大阪・夢洲で同国政府や博覧会協会の関係者らが出席し、パビリオンの起工式を行った。パビリオンのテーマは「知の庭」。延床面積はおよど1,200㎡の3階建てで、3階建部分は高さ6mから8mの丸太およそ300本を立ち並べ、人々が集い知識を共有して、未来社会をつくるという考えを示している。
パビリオン内部は教育者、先端技術、そして「自然環境への取り組みを紹介する3つのスペース
に分かれている。パビリオンは近く本格ケ的な工事が始まり、年内には主な建設工事を終え、2024年3月中にも内装を含め工事を完成させるよ問い。

23年いじめが原因の事件292件 過去10年で最多 警察庁

警察庁によると、2023年に全国の警察が取り扱った学校などでのいじめが原因となった事件は、前年比116件増の292件に上り、過去10年で最も多くなった。また、検挙されたり補導されたりした人も181人増えて404人あった。内訳は中学生が189人と最も多く、小学生が125人、高校生が90人となった。
罪種別では「暴行」が最も多く102件、次いで「傷害」が60件、わいせつな画像を撮ったり、送らせたりするなどのケースが46件、「不同意わいせつ」11件だった。