太平洋クロマグロの資源管理を話し合う国際会議「中西部太平洋まぐろ類委員会」(WCPFC)は12月3日までフィジーで年次会合を開き、2025年以降の漁獲枠を拡大することを正式に決めた。30キロ以上の大型魚は従来の1.5倍、30キロ未満の小型魚は10%増となる。これにより、日本の漁獲枠は大型魚が現在の5,614トンから8,421トンに、小型魚が4,007トンから4,407トンに増える。
WCPFCが漁獲枠拡大を決めたのは、近年の資源量が回復傾向にあることを受けた措置。
プラスチックごみ 国際条約 隔たり埋まらず合意見送り
地球規模のプラスチックによる環境汚染の防止に向け、初めてとなる国際条約の案をまとめるため、11月25日から韓国・釜山(プサン)で開かれていた政府観光省委員会は12月1日、今回の交渉での合意を見送った。今後改めて会合が開かれ、今回の交渉内容をもとに条文案をまとめるための協議が再開されることになる。
同委員会は、世界的な削減内容を設け、各国が目標達成のためにとった対応やデータを報告するという案と、プラスチックの原料となる石油産出国などが規制に強く反対していることを踏まえ、条約に盛り込まないという案の、対照的な2つの選択肢が示されたまま、意見の隔たりが埋められなかった。
世界のプラスチックごみの量は、2019年までの20年間で2倍以上に増え、各国はプラスチックによる環境汚染を防ぐため法的拘束力のある国際条約をを今年中に取りまとめることを国連で決議している。
日本 レバノンに毛布など無償提供 被災民に物資協力
COP29 閉幕 「気候資金」35年までに3倍超の年間3,000億㌦
アゼルバイジャンの首都バクーで開かれた国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)は11月24日、途上国の温暖化対策に先進国が拠出する「気候資金」の目標額を2035年までに現在の3倍超の年間3,000億ドル(約46兆円)以上に引き上げることで合意し、閉幕した。
成果文書では、資金拠出は先進国が主導する一方、途上国の自主的な拠出を促すとした。現在は」各国の公的資金による支援が主流だが、民間投資を拠出額に参入することを認めた。また、世界全体で途上国への官民合わせた拠出額が2035年までに年間1兆3,000億ドル(約201兆円)に達するよう呼び掛けた。今回2日間、会期を延長して交渉を重ねて成果文書の採択にこぎつけたが、インドなどの新興国や途上国が「納得できない」と非難するなど亀裂が残った。
COP30は2025年11月、ブラジルのアマゾン地域のベレンで開催される予定。
日・英・伊首脳 次期戦闘機の開発計画 強力推進で一致
G20首脳宣言「反保護主義」明記せず ”機能不全”の様相
主要20カ国・地域首脳会議が11月18日、ブラジル・リオデジャネイロで開幕し、首脳宣言を採択した。米国のトランプ次期大統領の2025年1月の返り咲きを控え、首脳らからはトランプ氏が掲げる関税引き揚げなど保護主義的な製作を警戒する声が出ていたが、首脳宣言に「反対」は明記されず、意思は反映されなかった。
宣言は、世界貿易機関(WTO)を中核とする「ルールに基づく、公正で、開かれた多角的貿易体制確保」の必要性に言及するにとどめられた。ウクライナ情勢についても「人的被害や食料、エネルギー安全保障等に関する悪影響を強調する」との表明にとどまった。その結果、ウクライナを侵略するロシアに対する非難や、保護守護への反対を明記しない中身の乏しい文書となった。
欧米と中露、新興・途上国「グローバル・サウス」で構成され、”世界の縮図”ともいえるG20は、それぞれの思惑が交錯して、いずれもが納得感の得られない結論しか出せず、安全に”機能不全”に陥っている。
APEC首脳会議 自由な国際貿易体制維持へ多国間協力を
日中首脳が意思疎通強化で一致 石破首相, 習主席と初会談
日米韓 連携継続へ「調整事務局」新設 首脳会談で合意
COP29首脳会合 島嶼国 対策資金拠出要求 先進国欠席目立つ
アゼルバイジャンで開催中のCOP29 (国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議)は11月13日、2回目の首脳級会合が開かれ、気候変動の影響を受けやすい島嶼国の首脳らが相次いで先進各国に対策資金の拠出求めた。
一方、資金の出し手となる先進国や主要排出国の首脳は、それぞれの国内情勢や諸事情を抱え欠席が目立った。米国における、気候変動対策に消極的な政権交代を前にすると、これで国際社会が脱炭素で協調できるのか?不透明感が漂っている。
2日間の首脳級会合に参加した先進7カ国(G7)の首脳は、イタリアのメローニ首相と英国のスターマー首相の2人だけで、石破首相や米国のバイデン大統領らは出席しなかった。二酸化炭素(CO2)の排出量が世界1位の中国と3位のインド、来年のCOP30議長国のブラジルの首脳も出席を見送っている。