東京都 次世代「ペロブスカイト太陽電池」実証実験開始

東京都は大手化学メーカーと共同で5月24日から、フィルム状の薄くて折り曲げることが可能な次世代の太陽電池として注目される「ペロブスカイト太陽電池」の国内最大規模の実証実験を開始した。場所は大田区の下水処理施設。同施設内にはおよそ9㎡にわたって、フィルム状のペロブスカイト太陽電池が設置され、最大1KWの電力を発電できるという。都は発電効率や耐久性を検証したうえで、2025年からの実用化を目指している。
ペロブスカイト太陽電池は、薄いフィルムに「ペロブスカイト」と呼ばれる結晶の構造をした物質を塗布するだけ。このフィルムが極めて微弱な太陽光でも電気に変える、次世代の太陽電池として注目されている。

4月の世界粗鋼生産2.4%減 中国1.5%減響く, インド3.2%増

世界鉄鋼協会のまとめによると、4月の世界粗鋼生産量(速報値、対象は63カ国・地域)は、前年同月比2.4%減の1億6,140万トンだった。前年同月を下回るのは2カ月ぶり。最大生産国の中国で生産量が減ったことが影響した。4月の主要国の生産量は、中国が1.5%減の9,260万トン、インドは3.2%増の1,070万トン、日本は3.1%減の720万トン、米国は5.3%減の660万トンだった。

大阪ガス EV充電インフラ事業のTerra Motorsと資本業務提携

大阪ガス(本社:大阪市中央区)は5月23日、電気自動車(EV)向けの充電インフラ事業を手掛けるTerra Motors(本社:東京都港区)と資本業務提携に関する契約を締結したと発表した。DaigasグループのEV関連事業の拡大に向け、Terra Motorsとの連携を進める。
Terra Motorsは、インドでEV3輪の開発・販売事業を展開。日本国内では2022年4月にEV向け充電インフラ事業「Terra Charge」を開始。今回の提携に先立ち2023年1月、大阪ガスの100%子会社、大阪ガス都市開発が保有する環境に配慮した都市型賃貸マンション「アーバネックス」の都内23棟に「Terra Charge」の導入を決めている。

「富岳」2部門で7期連続世界一 世界のスパコンランキング

半年ごとに発表される世界のスーパーコンピューターの性能を競うランキングで、理化学研究所の「富岳」はビッグデータの処理性能とシミュレーションなどの計算方法の2つの部門で7期連続世界一となった。このほか、計算速度を競う部門は2位、人工知能の性能を示す部門は3位だった。順位はいずれも前回、2022年11月と同じだった。富岳は、2022年6月は4部門とも1位だった。

島津製作所 梱包材のポリ容器へのリサイクルで龍谷大と包括連携

島津製作所(本社:京都市中京区)は5月23日、日本で初めて推進する梱包材をポリエチレン容器に再生して利用する取り組みで龍谷大学と同日、包括連携協定を締結したと発表した。同社が推進している循環型社会づくりの一環。
同社はプラスチックの一種、ポリエチレンの使用量を減らすために、使用済みの梱包材をペレット化し、新品のペレットに混ぜて再生材配合率30%のポリ容器をつくっている。すでに社外の協力先で量産しており、本社工場に導入している。今回の連携により、龍谷大学内の使用済み梱包材もリサイクルして、同大学の研究開発施設でもポリ容器を利用していく。

スズキ データ・テックとハンドル形電動車いすの見守り通信Sで実証

スズキ(本社:静岡県浜松市)は5月23日、データ・テック(本社:東京都大田区)と、ハンドル形電動車いす「セニアカー」の利用者とその家族らに、より安心・安全を提供することを目的に、IoT車載器を活用した見守り通信システムの実証実験を2023年6月より開始すると発表した。全国で、実験期間は2023年6月から10月。
今回の実証機関では、スズキが製造するセニアカーにデータ・テックが開発したIoT車載器「SR-LPWA」を装着し、利用中の位置情報の取得や、転倒検知を行う。取得した位置情報は専用サーバーを介して、あらかじめ登録された家族の持つ見守りアプリで閲覧が可能。また、転倒を検知した際は家族にメール通知を行い、リアルタイムでセニアカーの状態を把握することができる。実証実験を通してセニアカーに求められる機能やサービスを把握し、今後の製品展開につなげていく。

4月パソコン国内出荷8.1%減, 小型ノートは堅調 出荷金額は増加続く

電子情報技術産業協会(JEITA)は5月23日、2023年4月のパソコン(PC)国内出荷台数が前年同月比8.1%減の44万8,000台だったと発表した。デスクトップPCが20%減の8万台、ノートPCが5%減の36万9,000台だった。ノートPCのうち、小型モバイルノートは20.6%増の15万9,000台。大学などの対面授業が再開したことに伴い、持ち運びしやすい製品を選ぶ消費者が増えた。出荷金額は前年同月比3.9%増の553億円だった。部材コストの上昇や円安を受けた値上げにより、2022年6月から11カ月連続で前年同月を上回っている。

東工大など4者が「富岳」で生成AIの言語モデルの研究開発開始

東京工業大学、東北大学、理化学研究所、富士通の4者は5月22日、スーパーコンピュータ「富岳」を活用した大規模言語モデルの分散並列学習手法の研究開発を、2023年5月から実施すると発表した。大規模言語モデルはChatGPTをはじめとする生成AIの中核として使用される深層学習のAIモデルで、4者は今後、今回の研究開発の成果物を公開することで、アカデミアや企業が幅広く使える大規模言語モデルの構築環境を整え、国内のAIの研究力向上に貢献し、学術および産業の両面で「富岳」の活用価値を高めることを目指す。

NTT西日本 地方自治体のDX加速へ日本マイクロソフトと協業

西日本電信電話(本社:大阪市都島区、以下、NTT西日本)は5月22日、国が掲げる「デジタル化社会の実現に向けた構造改革」および「デジタル田園都市国家構想の実現」に向け、地方自治体およびそれを支える地域ベンダーのデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)を加速させるため、日本マイクロソフト(本社:東京都港区)と協業を開始すると発表した。両社は、ICTに精通した専門職員が不足している地方自治体のDX推進について、アプリケーション群の提供を通して、地方自治体を支えている地域ベンダー各社とも連携しながら、進めていくことで合意した。

福井・永平寺町で国内初の自動運転レベル4運行サービス ソリトン

ソリトンシステムズ(本社:東京都新宿区)は5月22日、産業技術総合研究所、ヤマハ発動機、三菱電機と共同で開発を進めてきた自動運転システムにより、21日から福井県永平寺町で遠隔監視のもと、自動運転レベル4の運行サービスを国内で初めて開始したと発表した。このシステムは経済産業省から、上記の4法人が2021年度から開発を受託しているもの。自動運行の区間は永平寺町内「永平寺参ろーど」の南側約2kmの区間。運行は「まちづくり株式会社ZENコネクト」が担当。
今回開発の遠隔監視システムは、一人の遠隔オペレーターが、必要に応じ標準最大4台の自動運転車両を監視できる。さらに複数車両の運行管理制御を行う管制システムとのシステム連動を行うことで、効率的かつ的確な監視と、異常発生時における安全確保その他必要となる措置の迅速化を図っている。