中国の全国人民代表大会(全人代)の常務委員会は6月10日、外国から制裁を受けた場合に報復するための「反外国制裁法」を可決、成立し、施行した。同法では、中国は外国による封じ込めや圧力、国民への差別的な制限措置などに対し、相応の報復をする権利があると規定。
新疆ウイグル自治区や香港などを巡る問題で、欧米各国から相次いで制裁を受ける中、直ちに反撃する体制をとる狙いがあるとみられる。
social のすべての投稿
地震保険0.7%引き下げ 全国平均 耐震性向上などで
損害保険各社でつくる損害保険料率算出機構は6月10日、住宅向け地震保険の基準料率を全国平均で0.7%引き下げる内容の改定を金融庁に届け出たと発表した。引き下げは2007年以来で、2011年の東日本大震災以降では初めて。金融庁の審査を経て、損保各社が2022年度にも保険料に反映させる。
アルツハイマー新薬低所得者にも投与できる枠組み構築 エーザイ
製薬大手のエーザイの内藤晴夫最高経営責任者(CEO)は6月9日、米FDA(食品医薬品局)の承認を得たアルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」について、オンラインで記者会見した。
エーザイとの共同開発先の米製薬会社バイオジェンは、4週に1回の点滴投与による価格を、標準的な患者1人当たり年約610万円としていることで、供給価格が注目される。この点について、内藤氏は高い投薬費用を踏まえ、非政府組織(NGO)などと連携して低所得者にも投与できる枠組みを構築する考えを示した。また、中所得者向けの枠組みについては、保険会社と協業した保険商品の創出を例に挙げた。
新薬は、アルツハイマー病の原因物質とされるタンパク質「アミロイドβ」を除去する働きがあり、根本治療になる可能性が期待されている。
「骨太」脱炭素・デジタル化など4分野重視 月内にも閣議決定
日本政府は6月9日に開いた経済財政諮問会議で、今後の経済財政運営の指針となる「骨太の方針」の原案を示した。看板政策の①脱炭素化②デジタル化③地方創生④少子化対策-の4分野を改めて重視する姿勢を示した。6月中にも閣議決定する。
脱炭素化では、洋上風力発電や水素・蓄電池といったクリーンエネルギーについて、研究開発や設備投資を促進する方針を明記。デジタル化では、行政手続きの大部分を5年以内にオンライン化する目標を掲げた。地方創生では最低賃金をより早期に全国平均1,000円とすることに触れ、賃上げによる地方経済活性化を狙う。少子化対策では「こども庁」を念頭に「行政組織を創設するため、早急に検討に着手する」としている。
スリランカ政府 日本に60万回分のコロナワクチン供給要請
スリランカ政府は6月9日、日本政府と新型コロナウイルスのワクチン提供を巡って協議したと発表した。スリランカ側は60万回分の英アストラゼネカ社製ワクチンを供給要請し、日本側から肯定的な反応があったとしている。
東京五輪の観客判断は6月末が最終決定期限 IOC
国際オリンピック委員会(IOC)は6月9日、東京オリンピックの観客上限について6月末が決定期限との見解を示した。日本側は緊急事態宣言の期限となる6月20日以降に判断する見通しを示しており、最終決断の時期が絞られた。
また、選手らに向けて新型コロナウイルス対策をまとめた「プレーブック(規則集)」について、来週にも最終版となる第3版を公表すると明らかにした。
コロナ感染症で児童労働が過去20年減少から一転増加へ
国際労働機関(ILO)と国連児童基金(ユニセフ)は6月10日、2020年に世界で5~17歳の子ども1億6,000万人が、国際条約で禁じられている「児童労働」に従事したとの推計を発表した。4年ごとに取りまとめてきた推計で、過去20年間は減少が続いてきたが、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行を受け、増加に転じた。
児童労働に従事したのは世界の5~17歳の約10人に1人に相当し、前回2016年の推計から840万人増か。内訳は男子が9,700万人、女子が6,300万人。全体の半数近くの7,900万人は、安全面に問題があり、健康を害する恐れがある危険な作業に従事したとみれられている。
群馬・石川・熊本「まん延防止」期限の6/13で解除を決定
日本政府は6月10日、新型コロナウイルス感染症対策本部を開き、群馬・石川・熊本3県について、緊急事態宣言に準じる「まん延防止等重点措置」の適用を期限の6月13日までで解除することを決めた。3県の感染状況が改善したと判断した。
厚労省 FDA承認の認知症新薬 年内にも国内承認の可否判断
厚生労働省は6月8日、米食品医薬品局(FDA)が承認し、日本でも審査中のアルツハイマー病新薬「アデュカヌマブ」について、年内にも承認の可否を判断する可能性があると明らかにした。アデュカヌマブは、米バイオジェンとエーザイが共同開発した、脳内にたまるアルツハイマー病の原因物質と目されるタンパク質「アミロイドβ」を除去し、症状の進行を遅らせる、あるいは抑制する効果がある新薬。
理研「毛包」ができる仕組み解明 再生医療への活用に期待
神戸市の理化学研究所は6月9日、毛をつくり出す「毛包」と呼ばれる器官が形づくられる仕組みについて、マウスの細胞を詳細に解析することで解明したと発表した。同研究所生命機能科学研究センターのグループは特殊な顕微鏡を使ってマウスの毛包ができていく様子を細胞単位で撮影し、解析した。
その結果、当初は平らな皮膚の上に4種類の細胞が同心円状に並んでいるが、それぞれの種類の細胞が段階的に皮膚の奥に成長していくことで、伸縮式の望遠鏡を伸ばすように筒状の毛包ができることが分かった。さらに同心円の中の1種類の細胞が、毛が生える際に重要な働きをする「毛包幹細胞」という特殊な細胞になることも初めて確認したという。