ジャカルタでラマダン中押収の1万本超の酒瓶を破砕処理

ジャカルタでラマダン中押収の1万本超の酒瓶を破砕処理
 ジャカルタの警察署前で7月29日、押収された酒類の瓶1万681本がローラー重機で破砕処理された。これらの酒瓶は、イスラム教のラマダン(断食月)期間中、警察の取り締まりで販売許可証を提示できなっかた販売業者から押収されたもの。このうち大半はインドネシア国内で生産されたものという。

汚職撲滅委が最高裁に捜査のメス 弁護士との癒着に迫れるか

汚職撲滅委が最高裁に捜査のメス 弁護士との癒着に迫れるか
 インドネシアの独立捜査機関、汚職撲滅委員会(KPK)が、これまで最も不透明な司法機関で汚職が常習化していると批判されてきた最高裁判所の捜査に乗り出した。KPKの調べによると7月25日、中央ジャカルタ・スディルマン駅近くにある著名弁護士ホトマ・シトンプル氏の事務所で、同氏の甥の弁護士マリオ・チャルリオ・ベルナド容疑者が、現金7800万ルピアの入った袋を最高裁教育研修局職員のジョディ・スプラットマン容疑者に手渡した。尾行していたKPK捜査員がモナス(独立記念塔)付近でジョディ容疑者を収賄容疑で現行犯逮捕した。
 KPKは現職閣僚を含む与野党の政治家、警察幹部などへ捜査の照準を拡大し、実態解明に注力する考えだ。国内世論だけでなく海外での評価も高まる中、KPKがカネに絡む悪習が指摘される「最高裁と弁護士の癒着」構造にどこまで食い込めるか、大いに注目される。

来年の大統領選に向けジョコウィ知事争奪戦が活発化

来年の大統領選に向けジョコウィ知事争奪戦が活発化
 インドネシアでいま、来年の大統領選挙に向け、複数の政党が各種世論調査で首位になったジョコウィ・ジャカルタ特別州知事を取り込もうとする動きが活発化している。各世論調査の大統領候補支持率では、2位のプラボウォ氏と3位のバクリー氏が、首位のジョコウィ氏を追いかける形となっている。2位と3位の候補者は、これまでは知事として進めるべきことを最優先に考えるとして大統領選の立候補には消極的なジョコウィ氏を、それなら副大統領候補に取り込めば勝算が上がると弾いているわけだ。
 しかし、いずれの場合もジョコウィ氏の去就は、大統領選に先駆けて行われる来年4月の総選挙の結果を基に、ジョコウィ氏の所属政党、闘争民主党(PDIP)が決定する。

6500万人の子供市場に照準を当てたビジネスが活気付く

6500万人の子供市場に照準を当てたビジネスが活気付く
 2億4000万人と日本にほぼ2倍の人口を擁するインドネシア。出生数をみると、年約400万人と日本の約4倍。0~14歳の人口は実に6500万人とタイの総人口に肩を並べる「子供大国」だ。そんなインドネシアで今、この子供市場に照準を当てたビジネスが活気付いている。
 職業体験型テーマパーク「キッザニア」、日本公文教育研究会が協力する「公文大学」、仮面ライダーで知られる石森プロが制作する、現地でテレビ放映が始まった特撮ヒーローの玩具をバンダイは順次、売り出していく。ヤマハ発動機は小学生向けにバイクの試運転教室を開く。さらには赤ちゃん専用エステサロンも登場している。日本ではとても考えられない、”熱い”取り組み方だ。
 インドネシアをはじめ東南アジアの家庭は、子供関連の支出に積極的だ。家計に占める子供にかける費用の割合「エンゼル係数」が一様に高い。シンクタンクによると、月収に対する習い事や玩具、娯楽などの子供支出の比率は、東京が約4%なのに対し、ジャカルタ、バンコク、シンガポールなど東南アジア主要都市は8~10%前後と2倍を超える。中でもインドネシアの子供市場は成長への期待が大きい。同国の子供関連市場は13年で3009億円、そして17年には3678億円と2割膨らむ見通しだ。

衣料市場タナアバンの露店撤去巡り州・露天商が攻防

衣料市場タナアバンの露店撤去巡り州・露天商が攻防
 東南アジア最大級の衣料市場、中央ジャカルタ・タナアバンの露店の撤去を巡って、ジャカルタ特別州と同市場の露天商が激しい攻防を展開している。ジャカルタ特別州がタナアバンの露店の撤去を始めたのは6月初旬。タナアバンの深刻な交通渋滞は、周辺のオフィス・官庁街にまで影響を与えている。州はその大本が、路上を占拠する露天商だと名指しした。
 だが、露天商は全くひるむことなく、頑強に抵抗している。例えば、州の要請で警官隊が早朝、露店を撤去しても、昼には露天商が帰ってくるということが繰り返されているのだ。州は、公道で商売するのは間違っているという公の論理を掲げる。これに対し露天商は、州の論理など一顧だにすることなく、彼らが従うのは、全国で衣服が一番安くて、首都最大級の露天商街・タナアバンで慣習として続いてきた昔ながらの路上の”しきたり”だけだ。したがって、双方の主張が全くかみ合っていない。

汚職撲滅委に”アジアのノーベル賞”マグサイサイ賞

汚職撲滅委に”アジアのノーベル賞”マグサイサイ賞
 フィリピン・マニラのラモン・マグサイサイ賞財団は7月25日、インドネシアの独立捜査機関・汚職撲滅委員会(KPK)に2013年マグサイサイ賞を授与すると発表した。今年で設立10年を迎えるKPKは、インドネシアをかつての「世界で最も腐敗した国」から「世界で最も称賛される反汚職キャンペーンの国」にしたと評価。この間の大型汚職事件の訴追や啓発を通じ、汚職撲滅への主体的な市民参加を促進したと称えた。
 マグサイサイ賞はフィリピン第7代大統領のラモン・マグサイサイ氏(飛行機事故で死亡)を記念し、米国のロックフェラー財団が出資して1957年に創設。ラモン・マグサイサイ財団が運営し”アジアのノーベル賞”とも称される。過去の受賞者はインドが最多の51人、フィリピン44人。日本からは緒方貞子氏(国際協力機関特別顧問)、秋葉忠利(元広島市長)ら24人、インドネシアとタイはそれぞれ22人が受賞している。

レバランTHR 西ジャワ州労働者が5割増しを要求

レバランTHR 西ジャワ州労働者が5割増しを要求
 レバラン(断食明け大祭)を控え、企業が従業員に対して支給を義務付けられているTHR(賞与)を規定の5割増しで支給するよう求める声が、西ジャワ州カラワン県の労働者から出ている。7月24日には一部工場でデモやストライキに踏み切る動きもあり、こうした争議は8月上旬のレバラン直前まで継続する可能性がある。
 インドネシア政府は勤続1年以上の従業員を対象に、レバランの7日前までにTHRとして月額定額賃金の1カ月分を支給することを義務付けている。

イスラム強硬派FPIに非難強まる 警察との癒着明るみに

イスラム強硬派FPIに非難強まる 警察との癒着明るみに
 インドネシアでイスラム強硬派団体のイスラム擁護戦線(FPI)に対する風当たりが一段と強まっている。これは、FPIが中部ジャワ州クンダル県でラマダン(断食月)中の取り締まりと称したカラオケ店襲撃中に交通事故を起こし、一般市民を死なせたためだ。ユドヨノ大統領をはじめ政府関係者は、FPIへの非難を強めている。
 また、想定外の事件が警察に対する一般市民の”眼”を覚醒させた感がある。それはこの事件を機に、酒類販売や娯楽施設への違法営業を巡り、警察との根強い癒着関係を浮き彫りにしてしまい、強硬派の暴力行為を看過してきた警察の内部改革の必要性を訴える声が高まってきたからだ。

 

労働移住省がレバランTHR未払い問題で苦情窓口開設

労働移住省がレバランTHR未払い問題で苦情窓口開設
 インドネシアの労働移住省は7月22日、レバラン(断食明け大祭)THR(賞与)の未払い問題に対処するため、苦情受付窓口を開設することを明らかにした。ムハイミン・イスカンダル労働移住相は、中央と地方の各地に窓口を設け、労働移住省・地方自治体の労働局が未払い問題に対処する企業が当局の勧告に応じない場合、監督者を企業に派遣する。昨年は28件の苦情を受け付け、解決したという。労働者はTHRをレバラン帰省の費用に充てることが多いため、THR未払いが労使間のトラブルになりやすい。

インドネシア沖での難民船沈没で3人死亡、157人救助

インドネシア沖での難民船沈没で3人死亡、157人救助
 7月23日午後8時ごろ、西ジャワ州チアンジュール県沖のインド洋で、難民認定希望者を乗せていたとされる船が沈没した事故について、インドネシアの救急当局は7月24日、3人が死亡、157人が救助されたと発表した。亡くなったのは女性2人と子供1人。船はオーストラリアに向かっていたとみられる。今年に入って、オーストラリア領内に船で到着した難民認定希望者は1万5000人に上っており、同国では難民政策を巡り、激しい議論が交わされている。