海外からの投資促し、企業の透明性向上へ 金融庁
インドネシア金融庁(OJK)は、上場企業の企業統治の向上のための規制を導入し、企業の透明性を高めて、外国からの投資を促したい考えだ。株主保護や情報の透明性など5分野33項目について企業を評価。海外の投資家が判断しやすい環境を整える。バスリ財務相も、さらなる外国資本誘致のためには、企業統治の向上が欠かせないとの認識を示している。インドネシア政府には米の量的金融緩和縮小を受けて、今後はとくに海外の投資家が運用先を見極めて投資するようになるとの危機感がある。世界銀行などと協力し、2015年1月からの導入を目指す。
13年第4四半期のGDP伸び率は予想上回る5.72%
13年第4四半期のGDP伸び率は予想上回る5.72%
インドネシア中央統計局が2月5日発表した2013年第4四半期の国内総生産(GDP)伸び率は、エコノミストらの予想を上回る前年同期比5.72%となった。これはインドネシア中央銀行の積極的な金融引き締めにもかかわらず、国内消費がいぜんとして底堅かったためだ。とりわけルピア安で輸出が堅調だったことと、輸送・通信業界の成長がGDPを押し上げた。ロイターなどが報じた。これを受けて、5日のジャカルタ株式市場の株価は約1%上昇した。
インドネシアの13年末の政府債務残高は4年で49%増に
インドネシアの13年末の政府債務残高は4年で49%増に
インドネシア財務省はこのほど、2013年末の政府債務残高が2009年末から約49%増の2371兆3900億ルピア(約20兆円)に達したと発表した。政府債務は外貨建ての借り入れ比率が高いことから近年のルピアの下落が増加の主因としている。また、この政府債務を国内総生産(GDP)比でみると26%で、09年の28.3%から2.3%低下している。
近隣諸国の政府債務残高のGDP比をみると、マレーシアが57%、タイが47%、フィリピンが41%などとなっており、インドネシアはいぜんとして安全な水準-と財務省では話している。
貿易収支は2年続きで赤字に 13年は40億㌦に拡大
貿易収支は2年続きで赤字に 13年は40億㌦に拡大
インドネシア中央統計局が発表した貿易統計によると、2013年通年の貿易収支は40億6000万㌦(約4000億円)の赤字となった。1961年以降では、初めての貿易赤字に陥った12年(16億3000万㌦)より大幅に拡大し、2年連続の赤字。
インドネシアの1月物価上昇8.22% 12月比やや鈍化
インドネシアの1月物価上昇8.22% 12月比やや鈍化
インドネシア中央統計局によると、1月の消費者物価指数は前年同月比で8.22%上昇した。2013年のガソリン値上げなどによる急激な物価上昇の影響がやわらぎ、上昇率は13年12月の8.38%から鈍化した。ただ、国として課題のインフラの未整備で、雨期の首都圏をはじめ国内各地で発生した洪水を受け、1月は前月比では1.07%上昇した。
2014年の経済成長率は5.76% 経済調整相が見通し
2014年の経済成長率は5.76% 経済調整相が見通し
地元メディアによると、インドネシアのハッタ経済調整相は1月21日、2014年の経済成長率は5.76%になると予測した。同相は「今年は選挙があるが、経済活動は停滞しないだろう。国内経済の成長を促し、中間層の購買力を拡大させることが重要だ」と話した。ただ「世界経済が停滞し、インドネシア経済へ悪影響が及ぶ可能性もある」との懸念も示した。
対策として①第1、2四半期の国家予算支出の質の向上②食料品の価格安定③コストに占める物流費の比率を15年に13年から4%減の10%に削減④主要エネルギー源の輸出削減によるエネルギー安保の強化⑤16年まで段階的に鉱物禁輸措置を講じることによる加工産業発展-などを挙げている。
カディン会頭が鉱物の輸出関税率の緩和、再考求める
カディン会頭が鉱物の輸出関税率の緩和、再考求める
インドネシア商工会議所(カディン)のスルヨ会頭は、1月12日から施行された新鉱業法で定められた鉱物の精鉱への輸出関税率は高すぎるとして、政府に緩和するよう再考を求めている。新鉱業法では6品目で2017年まで輸出関税率を段階的に引き上げる。スルヨ会頭によると、政府が関税率を継続すれば多くの関連企業が操業を停止せざるを得なくなる。すでに少なくとも40のボーキサイト採鉱業者が5万人の労働者を解雇したという。
外国からの直接投資 最高の2.3兆円 首位は7年ぶり日本
外国からの直接投資 最高の2.3兆円 首位は7年ぶり日本
インドネシア政府は1月21日、2013年の外国からの直接投資額が前年比22%増の270兆4000億ルピア(約2兆3300億円)となり、過去最高を更新したと発表した。日本は自動車およびその関連企業が牽引し、全体の17%を占め、シンガポールを抜き7年ぶりに首位に浮上した。投資調整庁がまとめた直接投資額(実行ベース、金融、石油・ガス採掘などは除く)によると、日本の13年の投資額は前年比で9割増の約47億1000万㌦(約4900億円)。
2位のシンガポールからの投資は46億7000万㌦で、前年比4%の減少。3位の米国は前年比で2倍の24億㌦に拡大。シェアを5%から9%に高めた。4位の韓国は22億㌦で16%増となったが、シェアは横ばいだった。
14年の投資について投資調整庁は、外国・国内合わせて13年比で15%増とみている。国内総生産(GDP)の実質成長率が5.7%(速報値)と4年ぶりに6%を下回るなど、ここにきて高成長に陰りがみられることに加え、4月の総選挙や7月の大統領選挙を前に、大型投資を手控える空気もある。
ルピアが一時1㌦=1万2000ルピアの1カ月ぶり高値
ルピアが一時1㌦=1万2000ルピアの1カ月ぶり高値
今週のアジア通貨相場は対米ドルで高安まちまちの値動きだった。インドネシアルピアは1月17日、一時1㌦=1万2000ルピアちょうどまで上げ、1カ月ぶりの高値を付けた。インドネシア政府が新鉱業法に基づき、12日から実施した鉱石輸出規制の対象品目は、銅、鉄鉱石、砂鉄などが緩和されて、当初予定より縮小されたが、これにより経常赤字拡大圧力が弱まるとの見方からルピアが買われたとみられる。
世銀より強気の14年5.8~6.1%成長と予測 財務相
世銀より強気の14年5.8~6.1%成長と予測 財務相
インドネシアのバスリ財務相は1月15日、2014年のインドネシアの経済成長率が5.8~6.1%との予測を明らかにした。先に世界銀行が出した5.3%を意識しながらも、外国直接投資額も今年は増加し、安定した成長を遂げると強気の見通しを示した。また、15年には6%以上へ上昇するとしている。
世銀はインドネシアに関して、14年は内需の伸びが鈍化し、米国の金融緩和縮小で経済の冷え込みが予想されると指摘。15、16年の成長率はそれぞれ5.5%に回復すると予測している。