フジオーゼックスが西ジャワ州に合弁新会社 来年10月稼働
フジオーゼックス(静岡県菊川市)は5月13日、インドネシアの西ジャワ州カラワン県のミトラ・カラワン工業団地(KIM)に四輪・二輪用エンジンバルブを製造・販売する合弁新会社「フジオーゼックス・インドネシア」を設置すると発表した。日系自動車メーカーが現地で増産計画を進めているのに合わせた動きで、工場の建設を含む初期投資として約20億円を予定。来年10月に生産開始し、2018年には売上高20億円を目指す。
合弁新会社の資本金は2000万米ドル(約20億円)を予定、フジオーゼックスが75%、現地でホンダと自動車の製造・販売を手掛けるプロスペクト・モーターが25%をそれぞれ出資する。工場の敷地面積は2万4000平方㍍で、建屋は5500平方㍍。鍛造機などを設置し、乗用車や商用車のほか、二輪用のエンジンバルブの材料から完成品までの一貫生産体制を構築する。日系自動車メーカー中心に売り込み、2年後には黒字化にこぎつけたい考え。フジオーゼックスの海外の拠点は5カ国、6拠点目。
メタルアートが西ジャワ州に工場建設 14年9月稼働
メタルアートが西ジャワ州に工場建設 14年9月稼働
㈱メタルアート(滋賀県草津市)は5月10日、インドネシア西ジャワ州カラワン県KIIC工業団地に自動車用部品の鍛造品を製造販売する子会社「メタルアート・インドネシア」を5月中に設立すると発表した。主力ユーザーが海外生産を加速、部品の現地調達化を推進していることに対応するもので、とりわけ鍛造部品需要の伸びが著しいインドネシアでの事業を開始し、メタルアートグループの更なる業容拡大を目指す。
設立する子会社の資本金は590万米ドル(約6億円)で、メタルアートが70%、完全子会社のメタルテックスが30%を出資する。敷地面積は3万2000平方㍍で、設備投資額は土地取得、建屋建設、設備含め約37億円。2014年9月に稼働、17年をメドに売上高40億~50億円を目指す。操業当初は月産能力1500㌧、従業員65人の体制とする予定。
コクヨがオフィス家具販売でインドネシアに本格参入
コクヨがオフィス家具販売でインドネシアに本格参入
コクヨのオフィス家具事業などを担うコクヨファニチャーは、インドネシア市場に本格参入する。同社は先月、アジアを中心に電気機器などの販売・調達を行うセツヨーアステックの現地法人と販売代理店契約を締結。黒田英邦社長(コクヨ常務執行役員)がこのほどインドネシアを訪れ、アジアの新興国に特化した商品開発を進め、販売の大幅な拡大を目指す考えを示した。
コクヨファニチャーは10年ほど前に、アジアに進出する日系企業向けのオフィス家具販売やオフィス構築支援事業を開始、中国、マレーシアに生産拠点を置き、3年前からは日系以外の多国籍企業や各国の地場企業向けの自社製品販売に取り組み始めた。この間の経験を踏まえ、耐久性や機能、デザインなどの価値を伝えられるパートナーが必要と判断、今回インドネシアで40年以上の経験を持つセツヨーと組み、本社からの出向の形で駐在員も派遣し、対応することになったもの。手作業による製品も多い小規模の地場系家具業者がひしめくインドネシア市場で、安定した品質やオフィス空間全体を考えたレイアウトの提案などを通じた付加価値を追求していく。コクヨは、海外の売り上げを現在の約3%から2020年に30%まで引き上げる目標を掲げている。
労働集約型産業の進出先には中部ジャワが狙い目か
労働集約型産業の進出先には中部ジャワが狙い目か
日系企業にとって製造業の生産拠点として”脱”中国の動きが加速しつつある中、インドネシアにおいても工場立地には、都市郊外や大都市を離れる傾向が強まっている。インドネシアでも都市部での賃金上昇圧力があるためだ。労働集約型産業の場合、とくにそうした傾向が強い。
今年、ジャカルタと西ジャワ州ブカシ県の最低賃金は4割以上も上昇した。その結果、賃金は月額200万ルピア(約2万円)を超えた。一方、中部ジャワ州スマラン市は約120万ルピアと4割も低く、労働力の確保も容易という。
例えば、アパレル産業で「洋服の青山」や「スーツ・カンパニー」などを運営する青山商事の製造子会社、服良(名古屋市名東区)の現地法人、服良インドネシアが2月末、中部ジャワ州スマラン市郊外の工業団地でスーツ製造工場の建設を開始したのもこうした背景があるからだ。
従来、日系企業がASEAN(東南アジア諸国連合)に進出したのは労務費が安いということが最大の要因だった。だが、それも国・地域別に分類して考慮しなければいけない時代に入ってきたというわけだ。一定の水準でインフラが整備されていることを前提にすれば、インドネシアでは賃金が低い中部ジャワに生産拠点を構える形態は、今後、縫製業など労働集約型産業の進出モデルになる可能性がある。
GMがインドネシアに再進出 ブカシの新工場で開所式
GMがインドネシアに再進出 ブカシの新工場で開所式
米国の自動車最大手、GMは再びインドネシアでの生産に乗り出すことになり5月8日、同国の産業相らが出席し、西ジャワ州北西部のブカシに完成した新工場で開所式が行われた。新工場は、GMが1億5000万㌦(約150億円)を投資して建設。年産能力は4万台で、インドネシア国内だけでなく、タイヤフィリピンなどASEAN(東南アジア諸国連合)主要国への輸出を計画。新工場は700名の雇用を創出する。
同工場ではシボレー「スピン(SPIN)」の量産第1号車がラインオフ。同車は3列シート、7名乗りのコンパクトMPV。2列シートの5名乗り仕様も用意する。新興国を中心に販売されるため、価格は抑えめに設定する。同クラス唯一の6速ATが設定されるという。
GMは2000年代半ば、ジャカルタ郊外の工場を閉鎖し、インドネシアの現地生産から撤退していた。
丸紅がインドネシアでウナギ養殖事業に参入 本格輸入へ
丸紅がインドネシアでウナギ養殖事業に参入 本格輸入へ
丸紅はこれまでインドネシアで試験的に続けてきたウナギの養殖事業を本格化、今年から本格的な輸入を始める。同社が養殖・輸入するのはインドネシア周辺に生息する「ビカーラ種」。2009年からインドネシア・ジャワ島東部で試験的に養殖を続け、餌や水温などの養殖方法を改良し、日本で流通するウナギと遜色のない味を実現したという。
丸紅が生産過程を管理し、抗生物質を一切使わないなど、安全性にもこだわる。4月から本州と四国の一部の大手スーパーで販売開始した。価格は中国などからの輸入ウナギと同程度だが、生産量の拡大などでコスト削減を目指す。今年度は、かば焼きに換算して年間約100㌧を生産し、5年後をメドに約600㌧まで増産する計画だ。
資源枯渇が懸念され、高騰するニホンウナギとは異なり、インドネシアやフィリピンなどに生息するビカーラ種は、資源に比較的余裕があり、稚魚の相場はニホンウナギの10分の1以下。
森永製菓がインドネシア進出 14年から看板商品を本格販売
森永製菓がインドネシア進出 14年から看板商品を本格販売
森永製菓は5月8日、インドネシアに進出すると発表した。現地菓子メーカー、キノセントラ・インダストリンド(ジャカルタ)の経営者2人と9月に合弁会社を設立し、森永ブランドでキャラメルやソフトキャンデーを販売する。2016年度にも年間売上高100億円を目指す。同社の東南アジア進出は初めてで、タイヤマレーシアなど全域で販売する。
合弁会社の資本金は14億円で、出資比率は森永が51%、キノセントラ側が49%。当面はジャカルタにあるキノセントラの工場で生産し、需要が増えれば森永が自社工場を建てる。14年から森永の「ミルクキャラメル」「ハイチュウ」といった看板商品を本格販売する。
森永はこれまで米国や中国で菓子を販売してきた。12年3月期の海外売上高は総売上高1471億円の数%にとどまっており、今回の東南アジア進出をテコに早期に10%以上に引き上げる。
三井住友銀行がインドネシア銀行に出資 筆頭株主に
三井住友銀行がインドネシア銀行に出資 筆頭株主に
三井住友銀行は5月8日、インドネシアの年金貯蓄銀行、バンク・タブンガン・ペンシウナン・ナショナル(BTPN)の発行済み株式の40%を約1500億円で取得することで合意したと発表した。58%を保有する米投資ファンドのTPGなどから段階的に株式を買い取り、筆頭株主となる。邦銀によるアジアの銀行への投資としては過去最大規模。
同行は、世界第4位の人口と中間層の拡大により今後も継続的に高い経済成長が見込まれるインドネシアにおいて、リテール業務に強みを持つBTPNに出資することで、インドネシアを含めたアジアにおける業務の多様化を進めていく考えだ。
トヨタホームがインドネシアに駐在員事務所を設立
トヨタホームがインドネシアに駐在員事務所を設立
トヨタホーム(名古屋市東区)はこのほど、インドネシアに駐在員事務所を設立し5月7日、記念式典を開いた。同社の海外進出は初めて。現在、世界第4位の人口約2億4000万人、そして2020年には1億4000万人を超えるといわれる中間層の人口を擁するに至るインドネシア。こうした顧客層に向け、グループの自動車事業で培われた技術とITを駆使したユニット工法と鉄骨軸組み工法による施工精度や工期短縮などの特長を訴求、戸建て住宅の販売機会を模索する。
スズキがインドネシアで110ccクラスの新型二輪車
スズキがインドネシアで110ccクラスの新型二輪車
スズキのインドネシア子会社、スズキ・インドモービル・モーター社は5月4日、新型二輪車「シューター」を販売すると発表した。シューターはインドネシアでの使用状況に適した新設計の113ccのエンジンにクラス初のフューエルインジェクション(燃料噴射装置)を採用。従来の同社110ccクラスの同タイプに対して約3割燃費が向上した。猿人には軽量ピストンや小型クランクシャフトなどを採用。摩擦抵抗の低減や、給排気システムの見直しにより燃焼効率を改善し、燃費向上に加え出力特性の改善を図っているという。