中国から購入の新車両バスの半数が走行不可 BPPT調査

中国から購入の新車両バスの半数が走行不可 BPPT調査
 インドネシアの科学技術応用庁(BPPT)長官は2月18日、中国企業から購入したトランスジャカルタの新車両に中古部品が使われていた問題について、新車として購入したジャカルタ特別州内のバス約半分が走行に適していないとする調査結果を公表した。地元紙が報じた。
 BPPTの調査は、2013年中に購入した中通客車やアンカイのバス177台について行われ、部品が錆び付いているものや、エアコンが動かないものがあったという。購入1年以内のバスや走行距離が10㌔以下のものは保障期間内であるととして返却し、修理する。BPPTは今後も州運輸局と協力して、中国から輸入した車両の点検を進め、性能が不十分なものには運行許可を出すことはできないとしている。
 バスの購入を巡っては購入費用が高額であることから、汚職の可能性も指摘されており、州は汚職撲滅委員会(KPK)への通報も検討している。

ワワン容疑者から俳優や人気芸能人らに”汚染”広がる

ワワン容疑者から俳優や人気芸能人らに”汚染”広がる
 インドネシアの汚職撲滅委員会(KPK)の調べによると、アトゥット・バンテン州知事一族による汚職事件の渦中のワワン容疑者が、車や金品を渡していた疑いのある人物に、俳優や歌手など人気絶頂の芸能人が多数含まれていることが分かり、反響が広がっている。汚職まみれの金品による”汚染”が、芸能界に波及しつつある実態が明らかになった。地元メディアには、ワワン容疑者から車や金品を受け取った疑いのある十数人が列挙されている。
 KPKはこのほど、女優ジェニファー・ダンさんを参考人聴取し、自宅に保管されていた高級車(約8億8800万ルピア)1台を押収した。ジェニファーさんは同容疑者が運営する芸能事務所に所属、テレビ番組などに出演している。聴取後、ジェニファーさんは車を受け取ったと認め、「事務所に入った昨年6月にプレゼントされた。私を含む所属モデルや女優に服や化粧品を渡していた」と証言している。
 女優のシンティア・アロナさんは2月18日、KPKに任意出頭し、自身が保有するポルシェはワワン容疑者から受け取ったものではないと否定。車のローン支払いを示す書類などをKPKに提出した。また、KPKは同容疑者からマンションの部屋をプレゼントされた疑いのあるモデルのキャサリン・ウィルソンさんを近く参考人聴取する方針だ。

ジャカルタ特別州が清掃局の不正、ごみ収集事業にメス

ジャカルタ特別州が清掃局の不正、ごみ収集事業にメス
 ジャカルタ特別州のアホック副知事はこのほど、州清掃局の内部調査に着手するとの方針を明らかにした。ごみ収集車購入予算を巡る不正、ごみ輸送委託企業との癒着など職員の不正を洗い出す。地元紙が報じた。
 清掃局は、ごみ担当職員は3500人としているが、同副知事によると給与振り込み人数は3000人に満たないという。この不明の500人の給与が不正流用されてきた疑いがある。また、2014年予算でごみ収集車200台の購入費を計上したが、大胆にも予算案を承認する過程で削除されていたことが発覚。ごみ収集を委託している民間企業26社の契約が昨年末に更新されたばかりであることも分かった。
 事業を独占したい企業が、州のごみ収集車調達計画を阻止するため、州幹部に働きかけた可能性も指摘されている。同副知事は、ごみ収集車を新規購入できなければ、レンタルし、州がごみ収集の主導権を握るとしている。

バンテン州知事一族の汚職事件で押収乗用車最多の40台

バンテン州知事一族の汚職事件で押収乗用車最多の40台
 インドネシアの汚職撲滅委員会(KPK)が、憲法裁判所長官への贈収賄容疑で逮捕されたバンテン州のアトゥット知事を巡り、同知事の弟で事業家のワワン容疑者から押収した乗用車が2月17日、ランボルギーニなどの高級車を含め40台に上り、汚職事件に絡む自動車押収台数としては過去最多になった。一族が州政府を事実上支配、悪用して蓄財に励んでいた実態が明らかになった。地元紙が報じた。
 KPKは1月27日からワワン容疑者の関連企業などから計8回に分けて車を押収。17日、同容疑者が経営する会社から2台を差し押さえ、記録を更新した。この中にはランボルギーニ、ロールスロイス、ベントレーなど100億ルピアを超える高級車も多数含まれている。KPKの調べによると、アトゥット州知事らがバンテン州北岸に30㌶と50㌶の広さの島を保有。豪州には自宅、シンガポールにマンションを保有している疑いがあるという。

クディリ県で損壊家屋5000軒 8.3万人避難 クルド山噴火

クディリ県で損壊家屋5000軒 8.3万人避難 クルド山噴火
 インドネシア国家災害対策庁(BNPB)は、東ジャワ州のクルド山の噴火に伴い、18日までにクディリ県で損壊家屋が5000軒に達しているほか、クディリで3万9018人、バトゥで1万50人、マランで2万5151人など計8万3018人が避難生活を送っていることを明らかにした。

モノレールの建設、資金難で再び計画頓挫の可能性も

モノレールの建設、資金難で再び計画頓挫の可能性も
  2013年10月、シンガポール企業の資金で再開したジャカルタのモノレール建設事業が一向に進んでいない。資金難が原因とみられる。最悪の場合、再び計画頓挫の可能性も指摘されている。地元紙が報じた。
 建設再開にあたっては、頓挫した時に放置されている橋脚90本を、今回事業を請け負う企業連合のジャカルタモノレール(JM)が買い取り、再利用する計画だが、その際、国営建設アディ・カルヤに1930億ルピアを支払う必要がある。ところが、その支払いがまだ済んでいない。建設許可を出すジャカルタ特別州のアホック副知事は2月17日、JMに13年10月以降、橋脚など路線の建設が進んでいないことについての説明を求めた。そして、遅延の理由が不明瞭であれば、建設許可を取り消すと言明した。
 JMは実現可能性調査を実施している段階で、橋脚については強度を十分に調べる必要があった。支払いが済んでいないのは手続きの遅れによるものと説明。そして改めて建設を続行し、予定通り17年に完成させるとの方針を示している。JMは複数の企業連合で、シンガポールのオルトゥス・キャピタルが90%を保有。モノレール建設事業は07年にも資金難で頓挫し、11年に凍結。13年10月にジョコウィ知事が起工式に出席し、再開している。

残る1人の捜索続行 不明邦人を遺体で発見 バリ島沖

残る1人の捜索続行 不明邦人を遺体で発見 バリ島沖
 インドネシア・バリ島南部サヌール付近の沖合で2月18日見つかった遺体は、現地当局によると安否不明となっていた宮田律子さん(59)と確認された。遺体は発見された際、ダイビングスーツやボンベを着用したままだったということで、身につけていた結婚指環などから宮田さんと判明した。複数のメディアが報じた。
 この結果、安否の確認が取れていないのは、バリ在住のインストラクター高橋祥子さん(35)だけとなった。19日も地元ダイバーらが現場海域で捜索を行う予定。
 一方、17日に無事救助された5人のうち、バリ在住のインストラクター古川さおりさんは18日、体調が回復したため病院を退院、残る4人も早ければ19日にも退院できる見込みだという。

中国から輸入の中古品使用新車両の捜査にKPK前向き

中国から輸入の中古品使用新車両の捜査にKPK前向き
 インドネシアの汚職撲滅委員会(KPK)の広報官は2月16日、ジャカルタ特別州が中国企業から輸入したトランスジャカルタの新車両に中古部品や壊れた部品が使用されていた問題で、「汚職の疑いがあれば通報してほしい」と捜査に前向きな姿勢を示した。地元メディアが報じた。州は現在、専門家を招いて内部調査を進めており、調査結果を待って、KPKへの通報を検討するものとみられる。
 今回のトランスジャカルタの調達事業が正規の公明正大な取引として行われたのか、極めて疑わしい。正規のものなら輸入新車両に中古品部品や壊れた部品が使用されていたことが発覚した時点で、中国側の当該企業からきちんとした釈明なり説明が行われたはずだ。それが、その後も放置されたままだったわけだから、当該の受け入れ窓口を含め、自ずと不正あるいは汚職まがいのものの存在を感じざるを得ない。
 同州のジョコウィ知事の、中国製の車両を1台当たり6億5000万ルピアで調達し、トヨタ製のエアコン付きコパジャを同4億5000万ルピアで調達したと聞く。錆び付いた中国製のバスがトヨタ製のバスより高額ということがあるだろうか-との率直なコメントが、今回の調達事業の異常さを如実に物語っている。

バリ島行方不明の邦人女性5人救出 残る2人の捜索続く

バリ島行方不明の邦人女性5人救出 残る2人の捜索続く
 インドネシアのバリ島でスキューバダイビング中に行方不明となっていた日本人女性7人のうち5人が、消息を絶ってから4日目の2月17日午後、救出された。救出されたのは行方不明になったレンボンガン島沖から約30㌔南東のペニダ島の岩場。
 デンパサールの日本総領事館によると、生存が確認されたのはバリ在住のインストラクターの古川さおりさん(37)ほか、山本栄美さん(33)、吉留温美さん(29)、冨田奈穂美さん(28)、森園彩さん(27)の5人。5人はバリ島内の病院で手当てを受けている。現地の対策本部はいぜん行方が分かっていないバリ在住のインストラクター、高橋祥子さん(35)と宮田律子さん(59)の2人の捜索を18日早朝から再開する予定だ。

 

インドネシアの軍事予算 3年で1.6倍 13年81.8兆ルピア

インドネシアの軍事予算 3年で1.6倍 13年81.8兆ルピア
 インドネシアの軍事予算が近年大幅に増加しており、2013年は前年比34%増の81兆8000億ルピアとなっている。近年の傾向をみると、11年は前年比3倍の51兆1000億ルピア、12年は同20%増の61兆2000億ルピアと高い伸びを示し、この3年で1.6倍に達している。
 他のASEAN諸国と異なり、南シナ海の紛争には巻き込まれていないものの、オーストラリアとの関係は盗聴事件、そして難民の密航阻止を図る豪州の領海侵犯問題で冷え込んでいる。こうした状況を受けて、今年度はF16、戦闘機30機、アパッチ・ヘリコプター12機、戦車103台などを調達する計画だ。
 近隣諸国との軍事規模比較は次の通り。
        陸軍軍人数 戦艦 空軍機 ヘリコプター
インドネシア   438,410    150    444      187
タ イ      305,860    596    743      283
ベトナム     412,000    161    644      218
フィリピン    120,000    110    184       89
オーストラリア   47,135     54    377      106