給油状態のモニタリング ジャカルタなどで実施目指す

給油状態のモニタリング ジャカルタなどで実施目指す
 日本貿易振興機構(ジェトロ)ジャカルタ事務所によると、インドネシアのエネルギー・鉱物資源省と国営石油プルタミナは、国内の二輪車・自動車など合計1億台を対象に、無線ICタグの取り付けを目指す。同タグの取り付けにより、二輪車・自動車の給油状態をモニタリングする。燃料補助金が財政を圧迫する状況が続く中、補助金付き燃料の販売削減を念頭に置いた措置とみられる。ただ、政府は現時点では具体的な計画はないとしている。
 同タグの取り付けについて、ジャカルタなどの一部の地域では2013年内の完了が目標となっているが、周知や準備不足により実施は困難とみられている。

 

入札事業の手続きの簡素化こそ重要 フィトラが指摘

入札事業の手続きの簡素化こそ重要 フィトラが指摘
 非政府組織(NGO)、予算透明性フォーラム(フィトラ)のウチョック・スカイ・カダフィ氏は12月15比、高速道路建設などの入札事業の多くで仲介業者の関与をなくすことは難しいとの見解を示し、手続きの簡素化を進めることが重要だと指摘した。また、ジャカルタ特別州のアホック副知事は入札事業における仲介業者の存在を問題視し、入札業者を援助する部署の設立を検討している。
 一般に事業の入札には煩雑な書類の提出が必要だ。その際、こうした手続きを担うのが仲介業者だ。ジャカルタ特別州内では年間で1000件以上の仲介業者の関与があり、1事業につき20~40%の費用を支払うことが多いという。さらに仲介業者は手続きを円滑に進めるために、政府担当者に金銭を授与している場合もある。会計検査院(BPK)の監査報告書でも、ジャカルタ特別州内の入札事業の多くで不必要な経費の計上が指摘されている。 

総選挙委とPPATKが資金洗浄・流れ監視で協力

総選挙委とPPATKが資金洗浄・流れ監視で協力
 地元メディアによると、総選挙委員会(KPU)と資金洗浄を摘発する金融取引報告分析センター(PPATK)は、2014年4月に行われる総選挙に向けて、不透明な資金の流れを監視することで協力する。出馬する政党や個人にKPUだけでなく、PPATKにも選挙資金報告させる。
 総選挙法では選挙期間中、個人からは100万ルピア以上、企業からは750万ルピア以上の献金を禁止。外国政府や政府系機関からの献金も禁止している。PPATKは現在、国会で審議が停滞している金融取引を規制する法律の早期成立を要請。PPATKが選挙資金の流れを監視する権限を強めることで、総選挙の年に急増する不透明な金融取引を減らしたい考えだ。

「賄賂を受けた候補者・政党に投票する」は18.1%

「賄賂を受けた候補者・政党に投票する」は18.1%
 アジア財団はこのほど、9月にインドネシア5州の2760人を対象に、2014年の総選挙キャンぺーに向けて行った世論調査の結果を発表した。その結果、総選挙の際は「良心に基づいて投票する」42.8%、「賄賂を申し出た政党や候補者には投票しない」21.1%となり、「金銭やモノを受け取り、その候補者や政党に投票する」は18.1%にとどまった。これにより、同財団インドネシア支部代表は「金品を配っても、有権者は良心に基づいて投票することが示された。選挙で賄賂は役に立たない」と話した。
 ただ、「賄賂を申し出られたらどうするか?」の問いに対しては、40.8%が「拒否する」と回答したが、「受け取る」と答えた者も38.8%に達し、僅差だった。一方、民間超団体インディケーターによると、ジャカルタ市民1万5000人を対象にした世論調査では、「票の売買は問題ない」と容認する人が41.5%に上った。55.7%は票の売買は「良くない」としながらも、「実際に現職の議員が票を売買している」と批判的にみていることが分かった。

 

主要都市の14年の最低賃金2割高で決定 労働者は不満

主要都市の14年の最低賃金2割高で決定 労働者は不満
 インドネシアの主要都市で2014年の最低賃金が決まった。首都ジャカルタ郊外で日本企業の製造拠点が数多く集まる西ジャワ州は13年比で20%超の引き上げとなった。全国的に50%の引き上げを求めてきた労働者団体は不満のデモで応酬。まだ、労働者の間では憤懣の思いがくすぶっている。ただ、経済成長が減速する中、今年に続く引き上げ幅でのコスト負担が増す企業の業績悪化は避けられない情勢となっている。
 トヨタ自動車など100社以上の日系企業が集中する西ジャワ州カラワン県の月額の最低賃金は、前年比で22%高の244万7450ルピア(約2万1000円)で、全国の州や県で最高だった。カラワン県は業種別賃金も定めている。自動車や二輪車のメーカーは281万4590ルピアとなり、12年からの2年で84%もの上昇となる。日系企業のすべての企業が最低賃金で採用しているわけではないが、影響は避けられない。
 西ジャワ州ではカラワン県と同様に日系メーカーが多いブカシ県で22%、プルワカルタ県が24%、バンドン市では30%上昇した。ジャカルタ特別州は、前年比の上昇率が今年の44%から14年は11%に鈍化するが、金額は244万1301ルピアと高水準だ。日系家電メーカーは14年も上昇率が15%を超えたら業績は危機的状況になっていた-と不安を隠さない。
 インドネシアの最低賃金は地方政府と企業、労組の3者の合意に基づき決定し、毎年1月に改定するしくみだ。すでに全34州で決定した。ジャカルタ特別州は13年比で68%高を要求する労組連合が、回答が要求とは大幅な乖離があったことで州政府・労組・企業の審議会出席を拒否したため、州知事が労組抜きで最終決定している。

インドネシア国防相「日中の衝突を懸念」中国側に伝える

インドネシア国防相「日中の衝突を懸念」中国側に伝える
 インドネシアのプルノモ国防相は12月16日、ジャカルタを訪れた中国の常万全(チャンワンチュエン)国防相と会談し、中国が東シナ海に設定した防空識別圏などについて話し合った。会談後、記者会見したプルノモ国防相によると、常国防相は、東京で14日開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)特別首脳会議の共同声明を受け、「2国間や地域の問題は、対話を通じて解決すべきだ」などと主張したという。プルノモ国防相は「日中関係は地域の安定に非常に重要だ。衝突を懸念している」と伝えたと語った。

インドネシアの民主化指数低下 62.63で過去最低に

インドネシアの民主化指数低下 62.63で過去最低に
 インドネシア政治法務治安担当調整省がこのほど発表した2012年版のインドネシア民主化指数(IDI)は、総合62.63で前年比2.85ポイント低下した。憲法が保障する意見公表の自由を暴力で阻もうとする一部市民の活動が横行しているためとみられる。
 調査は民主化の進捗状況を、市民・言論の自由に代表される市民的自由や政治的権利、民主主義の制度の計3分野・11項目について聞き取りや報道、公的文書などを基に評価。州別の総合値はジャカルタ特別州の77.72が最高で、アチェ州の54.02が最低だった。09年に始まり、今年で4回目。総合評価は09年に67.30、10年に63.17、11年に65.43と増減を繰り返してきたが、今回が最低となった。調査には中央統計局(BPS)や、内務省、国家開発計画庁(バペナス)、国連開発計画(UNDP)が協力した。

初代大統領の伝記映画「スカルノ」主要都市で封切り

初代大統領の伝記映画「スカルノ」主要都市で封切り
 スカルノ初代大統領の幼少期から独立宣言の日までを描いた伝記映画「スカルノ」が12月11日、全国主要都市の映画館で封切られた。1960年代後半の失政や失脚には触れず、オランダ統治下のスカルノ少年の恋愛、人種差別による破局、そして挫折、独立運動に身を投じた時期、日本軍政期に政府に接近、逆に日本のプロパガンダに利用される姿、慰安婦の徴用や労務者の強制労働に心を痛め、インドネシア人から「裏切り者!」と中傷され苦悩する様子や、盟友ハッタらの理解を得ながら難局を乗り越える姿などがドラマチックに描かれている。
 スカルノが国家5原則「パンチャシラ」について熱弁を振るう場面もあり、独立指導者が掲げた建国の目標を振り返りながら、ナショナリズムを鼓舞する。スカルノを記録でしか知らない、新しい世代が想い描く古き良き「ブン・カルノ(スカルノ兄さん)」への郷愁を注ぎ込む内容となっている。

2015年に北スマトラ州など3州の高速道路の建設開始

2015年に北スマトラ州など3州の高速道路の建設開始
  公共事業省の高速道路調整機関(BPJT)はこのほど、2015年に国内3カ所で高速道路の建設を開始することを明らかにした。地元メディアが報じた。対象となるのは北スマトラ州のメダン-ビンジャイ間(全長15.8㌔)、東ジャワ州パンダアン-マラン間(同37.6㌔)、北スラウェシ州マナド-ビトゥン間(同38.7㌔)。官民連携(PPP)事業で、建設費総額は9兆4400億ルピア。

 

ユドヨノ大統領 国家警察にクリスマスのテロ警戒を指示

ユドヨノ大統領 国家警察にクリスマスのテロ警戒を指示
  地元メディアによると、インドネシアのユドヨノ大統領はこのほど、国家警察にクリスマスや年末年始の時期を狙ったテロに警戒するよう指示した。同大統領は、ある地域で治安秩序を乱す計画があるとの報告を受けたという。国家警察長官は中部スラウェシ州やジャカルタ特別州などで欧米諸国の権益や警察を標的としたテロ計画があると指摘している。同国では昨年のクリスマスでは国家警察は全国で3万8000カ所の教会を警備、警視庁は7200人の警官を配備した。