2カ月高止まりの牛肉の輸入ようやく再開へ 商業相
地元紙によると。インドネシアのギタ・ウィルヤワン商業相は10月15日、年末までに10万㌧の牛肉の輸入許可発行を決定したと明らかにした。豪州など数カ国から輸入する。これにより同商業相は、通常より10%以上割高な水準で高止まりしている牛肉価格は、年末には通常水準に戻るとの見通しを示した。
日本がインドネシアで新幹線導入に向け初の本格調査へ
日本がインドネシアで新幹線導入に向け初の本格調査へ
地元メディアによると、インドネシアがジャワ島で検討している高速鉄道建設構想で、日本とインドネシアの両政府が、来年から新幹線導入に向けた事業化調査を開始することで合意したことが10月16日、分かった。中国、韓国など競合国に先駆けた初の本格調査で、50兆ルピア(約4500億円)規模とみられる大型案件の受注を目指す日本にとって大きな一歩となる。
調査を実施するのは国際協力機構(JICA)。JICAとインドネシア政府が17日にも覚書に調印する見通し。
ジャカルタ特別州のアホック副知事がブンハッタ賞受賞
ジャカルタ特別州のアホック副知事がブンハッタ賞受賞
ジャカルタ特別州のアホック副知事が10月16日、汚職撲滅に貢献した政府高官らを称えるブンハッタ賞を受賞した。受賞理由は、州政府の業務の幅広い情報公開を実施したこと。動画投稿サイト「ユーチューブ」に州の専用チャンネルを開設、予算や各種事業などに関する会議の様子を全面的に公開し、透明性を高めたことが評価された。
カラワン国際空港建設に向け年内認可取得へ最終調整
カラワン国際空港建設に向け年内認可取得へ最終調整
地元紙によると、インドネシア運輸省のヘリー・バクティ・グマイ航空総局長は10月10日、西ジャワ州カラワン県のカラワン国際空港建設に向けた行政手続きが最終調整の局面に入ったことを明らかにした。年末までに認可を取得し、来年第1四半期から第2四半期までに建設費用を確保する予定。同州カラワンで建設が予定されているチラマヤ新国際港との相乗効果で、スカルノハッタ国際空港やタンジュンプリオク港の混雑による貨物輸送の停滞緩和を目指す。
カラワン国際空港とチマラヤ新国際港の建設が予定されているカラワンや周辺地域は、付近を通るチカンペック高速道路沿いに工業団地が建ち並ぶなど国内最大の工業地帯。ジャカルタを経由せずに西ジャワ州のみで、貨物輸送が完結できるという点が評価され、計画が進められている。
政府は経済成長促進・拡大マスタープランで、2025年までに14の空港を新設・拡張する32兆ルピア規模の計画を進めている。
首都モノレール着工から9年凍結,そして10/16事業再開
首都モノレール着工から9年凍結,そして10/16事業再開
ジャカルタ特別州のモノレール「ジャカルタ・エコ・トランスポート(JET)」の建設計画が10月16日、ようやく再開する。中央ジャカルタの北スティアブディ~ドゥク・アタス間から工事を開始。並行して計画が中断する前の2008年以前に国営ゼネコンのアディ・カルヤが建設した橋脚の強度を再調査する。渋滞緩和に躍起の州は早期開業を目指す考えだ。
JET建設計画は、中央ジャカルタのスディルマン通りやクニンガン、スナヤンを結ぶ環状線のグリーンライン(約15㌔、15駅)と、東ジャカルタのカンブン・ムラユとタマン・アングレックを結ぶブルーライン(約14㌔、12駅)の2つの路線がある。グリーンラインの建設から始め、2年半の工期を予定。ブルーラインは3年の工期を予定。総工費は8兆ルピア。
ジャカルタのモノレールはスティヨソ知事時代の04年に着工したが、資金難で挫折。後任のファウジ知事が11年9月に事業凍結を宣言した案件。昨年就任したジョコウィ知事が建設再開を目指していた。すでに建設され、放置されていた橋脚の資産評価などでもめたが今年3月、投資会社オルトゥス・キャピタル(シンガポール)を中心とする企業連合が事業を引き継ぐことで合意していた。
国民皆保険導入に備え製薬会社が体制強化も時期は不透明
国民皆保険導入に備え製薬会社が体制強化も時期は不透明
地元紙によると、インドネシアで来年1月に予定されている国民皆保険制度導入に備え、製薬会社は資金調達や設備投資を急ぐなど生産体制を強化しつつある。ただ、政府は制度設計に手間取っており、国内では困惑の声が上がっており、制度の導入時期は不透明なままだ。
米医療コンサルティング大手IMSヘルスの試算によると、予定通り国民皆保険制度が実施された場合、同国の医薬品市場の規模は、2018年までに現在の2倍の96億㌦(約9400億円)に達する見通しだ。任期満了まで1年を切ったユドヨノ大統領が、自ら掲げた来年1月からの導入を実現できるのか、関係各方面の眼が注がれている。
ジャカルタ特別州が人工降雨策に予算付け 洪水対策で
ジャカルタ特別州が人工降雨策に予算付け 洪水対策で
ジャカルタ特別州のジョコウィ知事は10月12日、国家災害対策庁(BNPB)が先に行った「人工降雨が首都の降雨量軽減に有効」の報告に基づき、この人工降雨策を治水事業の一環に加え、180億ルピア(約1億6000万円)の予算を充てる意向を明らかにした。この人工降雨は毎年降雨量が最も多い時期の来年1~3月中に実施。州内各地に住民の避難所も設置するとしている。
この人工降雨策は科学技術応用評価庁がBNPBや空軍と協力、雲の下に雨粒の核になる食塩を撒き、人工的に雨を降らせるもの。上空9000フィートに約5㌧の食塩を散布し、本来ジャカルタに降るはずだった雨の一部をバンテン州パンデグランに降らせることに成功しているという。
同州はほかに総額5000億ルピアの予算を投じ治水事業に取り組む。地下の地層に雨水を浸透させて排水する「浸透井戸」は11月までに州内1900カ所以上の設置を目指している。ジャカルタで1月に発生した大洪水では、首都の約3分の1が冠水。4万人以上が避難生活を強いられ、被害額は数百億円以上に上った。
スラバヤ動物園でまたボルネオオランウータンが病死
スラバヤ動物園でまたボルネオオランウータンが病死
飼育環境の劣悪さで、不評を買っているインドネシアのスラバヤ動物園で10月10日、飼育されていたボルネオオランウータンがまた病死した。同動物園の広報担当者によると、死亡したオランウータンは15歳で、1週間にわたって集中治療を受けていたが、呼吸困難で死亡したという。医療記録によると、スラバヤ市内でこのところ著しく高い気温が続いていたことが原因で、肺に炎症を起こしていた。
同動物園では、2週間ほど前にも12歳のボルネオオランウータンが腸腫瘍と肝機能障害で病死している。ボルネオオランウータンは通常50~60歳まで生きることが多いとされている。こうした動物の不審死が相次いでいることから、同動物園の閉鎖を求める声が強まっている。
バンテン州の名士一族の不正追及 現職知事を聴取 KPK
バンテン州の名士一族の不正追及 現職知事を聴取 KPK
インドネシアの元憲法裁判所長官の収賄事件を捜査中の汚職撲滅委員会(KPK)は10月11日、先に贈収賄容疑で現行犯逮捕したトゥガグス・ハエリ・ワルダナ容疑者の姉のラトゥ・アドゥット・チョシヤ・バンテン州知事(51)を参考人聴取した。スハルト独裁体制を支え、ゴルカル党と深い関係を築き、バンテン州設立運動の中心人物でもある名士の一族に、今回の事件で初めて捜査のメスが入った。来年の総選挙を控え、同党は一連の党関係者の汚職事件の悪影響を懸念し、予定していた党大会を延期するなど動揺が広がっている。
社会復帰へ支援を要する人は800万人プラスα 社会省
社会復帰へ支援を要する人は800万人プラスα 社会省
インドネシア社会省のまとめによると、国内に社会復帰へ支援を必要としている人は800万人に達するとして、非政府組織(NGO)など支援者に積極的な協力を呼び掛けるなど、支援体制の強化を図っている。
800万人プラスαの内訳は麻薬常習者400万人、高齢者380万人、路上生活者の子供23万人、物乞い18万人。ただ、この数値の基となっている、同省に統計を提出する州などは正確な記録を取っておらず、実際はこれらの数をはるかに上回るとみられる。「正確な数字を把握するには、とても職員が足りない」と同省担当者も半ば諦めざるを得ない表情で、その実情を語っている。