有権者は「政党より人物本位」総選挙・大統領選世論調査

有権者は「政党より人物本位」総選挙・大統領選世論調査
 国立インドネシア科学院(LIPI)が6月27日発表した世論調査によると、来年の総選挙・大統領選挙で有権者は「政党より人物本位」で候補者を選ぶ傾向が鮮明になった。
 これは相次ぐ汚職事件による政党への失望・不信によるもので、”庶民に近い”と人気のジャカルタ特別州のジョコウィ知事が大統領候補支持率で首位だった。追走するブラボウォ・グリンドラ党最高顧問を8.4ポイント離した。インドネシアリサーチセンターの世論調査でも、ジョコウィ氏は2位のブラボウォ氏を10ポイント離して首位だった。
 ただ、本人は大統領選への出馬について慎重な発言を繰り返し、現時点では「ジャカルタの行政に集中する」と否定している。

全国各地の特産品、伝統・文化が集結 ジャカルタ・フェア

全国各地の特産品、伝統・文化が集結 ジャカルタ・フェア
 中央ジャカルタ・クマヨランの国際展示場(JIエキスポ)で7月7日まで開催されているインドネシアの国内最大規模の物産展「ジャカルタ見本市(ジャカルタ・フェア)」が大盛況だ。一日ではとても回りきれないほど広い会場内には全国各地の特産品や伝統・工芸・装飾品、家具、IT機器など多様な商品を展示・即売する2500以上のブースがひしめき合い、子供用遊戯施設やコンサート会場も揃っている。ジャカルタ市民へ貴重な娯楽の場を提供するだけでなく、通常ジャカルタではなかなか見ることができないインドネシア各地の多様な伝統文化を知る絶好の機会でもある。会場ではジャカルタ土着のブタウィ音楽や、DJパフォーマンスなどの特別イベントも連日行われている。

過激派300人が爆弾製造法を習得 国家テロ対策委員会

過激派300人が爆弾製造法を習得 国家テロ対策委員会
 地元メディアによると、インドネシアの国家テロ対策委員会(BNPT)委員長は6月26日、過激派組織が高い殺傷能力を持つ爆弾製造に注力し、これまでに約300人が製造技術を習得した可能性があるとの見方を明らかにした。中部スラウェシ州ポソ県の山間部で過激派300人以上が訓練を受け、この際、爆弾製造方法を習得したとみられ、当局はこのうち約100人を逮捕しているという。

モノレール計画の着工は10月に ジョコウィ知事が見解

モノレール計画の着工は10月に ジョコウィ知事が見解
 ジャカルタ特別州のジョコウィ知事は、中断しているジャカルタ中心部の「ジャカルタ・モノレール(JM)」計画の着工について、10月になるとの見方を示した。2008年以前に橋脚が建設され、その後、建設計画が凍結されたため、放置された橋脚90本の検査が必要になり、その作業が遅れているためだ。当初、順調に検査が進めば4月に着工する予定だった。

煙害問題で「謝罪は適切」ユドヨノ大統領が批判に反論

煙害問題で「謝罪は適切」ユドヨノ大統領が批判に反論
 インドネシア発の煙害問題で、ユドヨノ大統領が6月24日、シンガポール、マレーシア両国に謝罪したことを受け、インドネシア国内で弱腰で行き過ぎではないかとの批判の声があがっていることに対して、同大統領は26日、インドネシアで発生した煙が両国に大気汚染などの被害を与えていることは事実だとし、「謝罪は適切だった」と反論した。
 インドネシア政府は違法野焼きの摘発に力を入れ始め、少なくとも10人を逮捕している。気象地理物理庁によると、とくに被害のひどかったリアウ州を中心に26日から雨が降り始め、ピーク時に州内で264カ所あった火災地点は100カ所以下になったとしている。

アジア最大級の中部ジャワ発電所建設計画に揺れる農村

アジア最大級の中部ジャワ発電所建設計画に揺れる農村
 アジア最大級の中部ジャワ石炭火力発電所建設計画で、のどかだった農村がいま用地買収を巡り、賛成・反対両派に分かれた住民が鋭く対立。事業主体に日本企業も加わり、日本が官民一体で進める大プロジェクトと目されていることから、反日感情も高まっているという。
 場所はジャワ島中部、バタン県カラングヌン村。年3回コメを収穫できる豊かな土地だった。ところが、インドネシア政府が同地でのアジア最大規模の石炭火力発電所の建設計画を決定した以降、賛成・反対両派の対立はエスカレート。会ってもあいさつもせず、口論が始まる。冠婚葬祭も両派に分かれて別々に行う状況だという。こうした状況下では、当然、用地買収交渉は思うに任せない。また、このカラングヌン村へは第二次世界大戦中、日本軍が侵攻しているのだ。そんな歴史的背景も加わって、日本は昔は武力で、今度はカネで我々の土地を奪おうとしていると捉え、反日感情も高まっている。
 事業会社の「ビマセナ・パワー・インドネシア(BPI)」は7月中に用地買収を完了、政府や企業側は10月の着工を厳守する姿勢を崩していないが、現地の状況から判断する限り、同計画はメドの立たない事態となっている。

 

訪日インドネシア人の数次ビザの滞在期間を30日に延長

訪日インドネシア人の数次ビザの滞在期間を30日に延長
 日本政府は6月25日、7月1日からインドネシア国民に対し、3年間で複数回入国できる短期滞在数次ビザの滞在期間を、これまでの15日から30日に延長することを決めた。昨年開始した数次ビザ発給に続く滞在期間の延長で、昨年10万人を超え、今年上半期は約5割増のペースを記録するインドネシア人観光客の誘致に力を入れる。
 日本政府は日本・ASEAN(東南アジア諸国連合)40周年を契機とし、東南アジア5カ国を対象にビザの発給要件を緩和した。タイは15日の滞在ビザを免除、マレーシアは3カ月以内の滞在ビザを免除。ベトナムとフィリピンは15日の数次ビザを発給する。自民党が4月に発表した観光対策提言案ではビザ免除対象国にインドネシアも含まれていたが、今回は見送られた。
 今年1~5月の訪日旅行者はタイが18.1万人、マレーシアが6.2万人、インドネシアが5万人、フィリピンが4.9万人、ベトナムが3.4万人と東南アジア5カ国が高い伸びを記録した。

中部ジャワ州ソロの居住外国人30%増に 出入国管理局

中部ジャワ州ソロの居住外国人30%増に 出入国管理局
 中部ジャワ州ソロの出入国管理局は6月25日、市内在住の外国人数が前年比30%増え、800人に達したと明らかにした。同管理局では、首都圏から同州に移転してくる企業が多いからではないかと分析している。中国、韓国、台湾からは繊維関連産業、欧州からは家具産業従事者が多いという。

”煙害”長期化なら隣国2国の観光業への影響は必至

”煙害”長期化なら隣国2国の観光業への影響は必至
 スマトラ島の野焼きに端を発した、インドネシア発の煙害が今後数週間続けば、シンガポール、マレーシア両国の観光業への影響は必至で、同様な事態に陥った16年前を上回る規模の打撃を被るのではないかとの観測が飛び交い始めている。
 煙害はシンガポールの高級ショッピング街やマレーシアの人気ビーチリゾート地にも及び、すでに外食産業や観光ビジネスに影響が出ているという。1997年の煙害は約3カ月続き、航空機の運航停止、医療費、商業活動への打撃など被害は90億㌦に達したと推定されている。今回エコノミストや企業からは、大気汚染が深刻化して約1週間が経過した時点で、すでにコストがかさんでいると指摘され、事態は前回より悪いことを示唆する発言が多い。
 シンガポールの大気汚染は先週末から24日にかけてやや緩和したが、煙害の今後については長期化するとの悲観的な見方が多い。シンガポールのリー・シェンロン首相はあと数週間、悪くするとスマトラ島で乾季が終わる9月か10月まで続くとみており、天候、とくに降雨の有無次第で状況が大きく変わり、全く予断は許さない。観光産業はシンガポール経済の5~6%、マレーシアの6.4%を占めている。

生鮮品など諸物価値上げで懸念される市民生活への影響

生鮮品など諸物価値上げで懸念される市民生活への影響
 補助金付き燃料の値上げに伴い、予想されていた諸物価への影響は早くも表面化しつつあるほか、公共交通機関の運賃引き上げなども控え、インドネシアはいま幅広い”値上げの季節”を迎え、一般市民の生活への影響が懸念されつつある。
 燃料値上げの影響を受けつつあるのが生鮮品、生活必需品だ。中でも最も敏感に反応したのが赤トウガラシ。卸売商によると、燃料値上げ発表の11日前の6月11日、平時で1㌔当たり1万6000ルピアだったのが、その後、同2万6000ルピアを付け、6月第3週には最高で3万3500ルピアと従前の2倍超の水準まで高騰した。現在は2万2000ルピアまで下がり小康状態にある。野菜はおおむね値上がりしており、ジャガイモ、ニンニクなどを取引する卸売商は「全体で2割ほど上がっている」という。
 燃料値上げとは関係ないのだが、イスラム教徒のラマダンも諸物価へ微妙な影を落とす。というのは、7月7日ごろの断食入りを前に食品全般の需要が増えるからだ。これが需給関係に影響を及ぼし、価格上昇要因になるのだ。公共交通機関の運賃値上げも実施される予定だ。値上げを巡っては運輸省は最大で2割増までと通達していたが、陸運協会ジャカルタ支部は6月25日、3割まで値上げ幅を広げたいとの考え方を示している。地方でも自治体が業界に2割程度までと通達したのに対し、業界団体が反発する事例が頻発している。