南シナ海問題で緊張緩和促す米と中国 主張平行線

南シナ海問題で緊張緩和促す米と中国 主張平行線

中国を訪問したケリー米国務長官は5月16日、北京で李克強首相や王毅外相らと会談し、中国が南シナ海のスプラトリー諸島で進めている岩礁などの広範囲にわたる埋め立てに懸念を伝え、自制とともに、緊張緩和に向けた行動を促した。これに対し中国側は、「自らの主権の範囲内」との立場を繰り返し、米中双方の主張は平行線をたどった。ケリー氏は17日には習近平国家主席とも会い、南シナ海問題で重ねて懸念を伝える。

AIIB 中国出資比3割未満 資本金500億㌦より大幅増

AIIB 中国出資比3割未満 資本金500億㌦より大幅増

アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立協定の概要が明らかになった。創設メンバーが想定より増え57カ国となったため、資本金は当初予定の500億㌦より大幅に増やす。出資比率の算定方法も固まり、中国は30%を切る、20%台後半でトップとなる見込み。中国に次ぐ出資比率はインド、ロシア、韓国の順となる見通し。資本金は1000億㌦(12兆円)には達しないが、近い規模とする方向で詰めている。
創設メンバー各国は5月20~22日にシンガポールで首席交渉官会合を開き、出資比率などを協議する。そして、6月下旬に設立総会を開く方向で調整している。中でも中国は北京で、6月25日を軸に設立協定を結ぶ方針という。読売新聞などが報じた。

インドネシアの電子商取引市場規模5年で5倍に

インドネシアの電子商取引市場規模5年で5倍に

英ユーロモニターの推計によると、インドネシアの2015年時点のインターネット小売市場は15億8200万㌦(約1890億円)と、東南アジア最大規模となる。直近5年間で市場規模は5倍近くに拡大し、19年には50億㌦に達する見通しだ。1人当たりの国内総生産(GDP)は3500㌦を突破。中間所得・富裕層の消費意欲の高まりが、同国EC市場の急成長をけん引してきた。
ただ、これは新興国に共通するが、流通網や決済手段の未整備やインフラが脆弱なことがEC普及の課題として挙げられ、これらの克服、解消が今後問題として出てきそうだ。

日本の1~4月対中投資引き続き振るわず7.8%減

日本の1~4月対中投資引き続き振るわず7.8%減

中国商務省は5月15日、1~4月の日本から中国への直接投資実行額が前年同期比7.8%減の14億4000万㌦(約1720億円)だったと発表した。通年で約4割減だった2014年に比べて減少率は縮小したが、対中投資が振るわない状況は続いている。
オフィスや店舗の賃料、人件費が上昇しているため、日系企業は中国で利益を上げにくくなっている。また、戦後70年にあたり反日ムード高まっているだけに、対中投資手控えという基調の変化は期待しにくい。

インドネシアでバイオディーゼル配合燃料使用進む

インドネシアでバイオディーゼル配合燃料使用進む

インドネシア政府は、輸送用燃料へのバイオディーゼルの配合量を10%にすることを目標としている。エネルギー鉱物資源省のリダ・ムルヤナ再生可能エネルギー・エネルギー保護総局長は「B10(バイオディーゼルを10%配合した軽油)の利用は着実に進んでいる。2014年9月までのバイオディーゼルの生産量は321.7万㌔㍑、国内消費量(国内消費および輸出)は400万㌔㍑を目標、16年はB20(バイオディーゼル20%配合燃料)を目指す」と話している。ビスニス・インドネシアが報じた。

ロヒンギャ族900人が漂流 インドネシアが保護

ロヒンギャ族900人が漂流 インドネシアが保護

インドネシアで5月10~11日にかけて、スマトラ島アチェ沖を漂流していたミャンマーの少数民族ロヒンギャ族などの男女や子供900人近くが救助された。地元当局者が明らかにした。当局によると。10日に547人が救助され、11日には約400人の乗った船が見つかった。食料も水もないまま何日間も漂流し、衰弱していた人も多かったという。乗船者の中には幼児も多数いた。
救助された人は避難所に身を寄せているが、施設は定員をオーバーして食料などの物資も不足しているという。彼らがどこへ行こうとしていたのかは不明。船はインドネシア海軍が押収して調べている。
國際移住機関(IOM)は現地に係員を派遣して聞き取り調査を進めているが、これまでに確認された乗船者はロヒンギャ族とバングラデシュ人だ。CNNが報じた。

タイ投資”急ブレーキ”1~3月申請額97%減

タイ投資”急ブレーキ”1~3月申請額97%減

外資企業によるタイへの投資機運が急速に冷え込んでいる。2015年1~3月期の外資企業の直接投資申請額は、前年同期比97%減の56億バーツ(約200億円)にとどまった。直接の要因は、タイ投資委員会(BOI)が15年1月に投資促進制度を大幅変更し、税制優遇などの恩典を絞り込んだことだ。
1月からの投資制度変更が明らかになったのは14年12月。日系を含む外資系企業は一斉に変更前の駆け込み申請に走り、その結果、14年通年の投資申請額は前年比95%増の1兆229億バーツと過去最高だった。12月単月で通年の約6割を占めた。異常な駆け込み申請があったことが分かる。
今年1~3月の落ち込みはその反動だ。新制度の恩典対象は従来の243業種から190業種に減少。簡単な金属加工業種や縫製産業の一部などが対象外となった。日経産業新聞が報じた。

台湾をWTO提訴検討 日本産食品規制強化で 農相

台湾をWTO提訴検討 日本産食品規制強化で 農相

林芳正農水相は5月12日、台湾が東京電力福島第1原発事故を理由とする日本からの食品輸入規制を強化することに対し、「世界貿易機関(WTO)への提訴も含めてしかるべき対応を検討したい」との考えを表明した。林農相は、台湾の規制強化を「科学的根拠に基づかない、一方的なもの」と批判、引き続き強く撤回を求めていく方針を強調した。
台湾は15日から従来の福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県の食品輸入禁止に加え、あらゆる食品を対象に残る42都道府県ごとの産地証明添付などを義務付けると発表している。

フィリピンの銀行口座保有率31%に上昇

フィリピンの銀行口座保有率31%に上昇

フィリピンで銀行口座の保有者が増加している。世界銀行によると、同国成人のうち銀行や電子決済サービスで口座を保有する人の割合は、2011年の26.6%から14年は31.3%び上昇した。金融サービスの拡充や国民の金融知識の向上などが奏功したもようだ。現地紙インクワイアラーなどが報じた。
低所得者の口座保有率がとくに高まっており、成人所得者の下位4割の層では、保有率が11年の10.7%から14年は17.8%に急伸した。保有率を性別にみると、男性の24.4%に対し、女性が37.9%で、大きく上回っている。

タイ暫定内閣がAIIBに340億円出資を原則承認

タイ暫定内閣がAIIBに340億円出資を原則承認

タイ暫定内閣はこのほど開いた閣議で、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に95億バーツ(約340億円)出資することを原則承認した。バンコクポストが報じた。プリディヤトン副首相(経済担当)は、AIIB創設のための資金として、タイ政府が来年度(2015年10月~16年9月)から20年度にかけて、毎年19億バーツを出資していく計画を明らかにした。