ジョコ政権が克服すべき政治・経済の課題 本名教授

ジョコ政権が克服すべき政治・経済の課題  本名教授

立命館大学国際関係学部の本名純教授は11月7日、ジャカルタで三菱東京UFJ銀行が開いた講演会で、インドネシアのジョコ・ウィドド政権が克服すべき政治・経済の課題と、留意すべき対応策について語った。特定の支援組織を持たず、庶民派代表として大統領に上り詰めたジョコ氏だけに、また少数与党の国会や党内での基盤が確立されていないことで、「世論を味方につけながら政権運営していくことがカギを握る」などの見解を示した。

同氏が中長期的に課題として挙げた克服すべき政治面での課題は、汚職撲滅と治安問題だ。特に治安面では2000年前半に逮捕された大物テロリストが刑期を満了するほか、中東で訓練を受けた国際的なネットワークを持つテロリストが帰国してインドネシアで台頭する前に、その芽を摘み取ることが重要と述べた。地元メディアなどが報じた。

経済面では「中所得国の罠」の回避とインフラ整備、所得再配分と社会保障拡充などを課題として指摘した。成長のボトルネックとなっているインフラ整備には、財政政策や投資の呼び込みが必要となるが、国内産業を保護をする政策との板挟みを乗り越える必要があるとの見方を示した。所得の再配分では、低所得層に富を分配するメカニズムを構築していかけなければならないと強調。社会保障に資金を振り向けるには、企業の脱税を手助けする”税務マフィア”の撲滅に取り組む必要があるとしている。

訪日旅行希望55%へ上昇 アジア8地域の意識調査

訪日旅行希望55%へ上昇 アジア8地域の意識調査

日本政策投資銀行は2014年のアジア8地域・訪日外国人旅行者の意向調査をまとめた。その結果、日本への旅行を希望するする人の割合は55%と、13年調査から3ポイント上昇した。韓国とインドネシアを除く6地域で5割を超え、アジアの消費者にとって旅行先として日本の人気が高いことが浮き彫りになった。

8地域で「海外旅行で行きたい国・地域」を聞くと日本がトップ。韓国が43%、オーストラリアが42%と続いた。調査は韓国、中国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシアの8地域に住む20~59歳の海外旅行経験者を対象に9月9~16日にインターネットで実施。有効回答は4000人だった。

香港デモ支持者、中国の民主活動家ら94人が拘束

香港デモ支持者、中国の民主活動家ら94人が拘束

国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」の調査によると、香港の次期行政長官選挙制度に反発する民主派の大規模デモで、北京市在住の韓頴(かん・えい)さん(40)ら、抗議行動に賛同の意思を表明した中国の民主活動家、芸術家ら少なくとも94人が中国で公共秩序騒乱容疑などで拘束されたことが分かった。

ともに海洋国家として協力 新政権で初の日・イ外相会談

ともに海洋国家として協力  新政権で初の日・イ外相会談

日本の岸田文雄外相は11月8日、北京市内でインドネシアのルトノ外相と会談した。岸田氏は、ジョコ政権が「海洋国家としての発展」を目指していることを踏まえ、「ともに海洋国家として協力したい。自由で平和で、開かれた海が地域の繁栄には不可欠だ」と述べ、海洋安全保障分野などでの関係強化を呼び掛けた。ルトノ氏は「どんな提案でも歓迎する」と応じた。

また、岸田氏は安倍内閣が掲げる積極的平和主義に基づく安全保障法制の整備について説明。中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の一部で領有権を巡る対立が続いている南シナ海問題については、「法の支配」に基づく解決を訴えた。ジョコ政権発足後、両外相の会談は初めて。

メキシコ政府が中国との高速鉄道建設契約を破棄

メキシコ政府が中国との高速鉄道建設契約を破棄

中国メディアなどによると、メキシコ政府は11月7日までに、中国企業が中心の企業連合が3日に落札したばかりのメキシコ初の高速鉄道の建設契約を取り消した。10日から北京で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議にはメキシコのペニャニエト大統領も出席する。中国基準の全面採用など「高速鉄道の海外進出が真の意義で実現した第1弾」と勢い付いていた中国は、突然冷や水を浴びせられた格好だ。

今回のメキシコのプロジェクトは、首都メキシコ市と中部の工業都市ケレタロを結ぶ全長210㌔を、最高時速300㌔で両都市間を約1時間で結ぶ計画だった。中国国営新華社通信によると、契約金額は約47億㌦(約5000億円)。当初、日本の三菱重工、フランスのアルストン、カナダのボンバルディア、ドイツのシーメンスも入札を検討していると伝えられたが、10月15日の締め切りまでに入札したのは、中国企業がが中心の企業連合だけだった。

約2年半ぶり日中首脳が会談へ 日中ぎりぎり妥協

約2年半ぶり日中首脳が会談へ  日中ぎりぎり妥協

日中両政府は11月7日、安倍晋三首相と習近平国家主席との初の首脳会談を北京で開催することで合意した。日中首脳会談は2012年5月の野田佳彦首相と温家宝首相(いずれも当時)との会談以来、約2年半ぶりで、9日か10日に行われる。

これに先立ち両政府は、沖縄県・尖閣諸島の問題について「異なる見解を有している」が、「対話と協議を通じて、不測の事態の発生を回避する」などとした4項目の合意文書を発表した。両首脳の会談を実現するため、双方がぎりぎり歩み寄った内容となった。

補助金付き燃料値上げは11月中 経済調整相が方針

補助金付き燃料値上げは11月中 経済調整相が方針

インドネシアのソフヤン経済調整相は11月5日、11月中に補助金付き燃料を値上げする方針を示した。ソフヤン氏は「補助金を削減し、産業などの生産性を向上させる分野に予算を充てる」と述べた。インドネシア商工会議所(カディン)のスルヨ・バンバン・スリスト会頭は同日、「反対する者もいるが、このまま補助金を維持して経済成長の鈍化を招く方が損害は大きくなるだろう」と賛意を示した。

15年最低賃金決めが各地で難航 生活費項目決まらず

15年最低賃金決めが各地で難航  生活費項目決まらず

インドネシアの全国各地で2015年の最低賃金の決定がずれ込んでいる。最低賃金の基準になる最低生活費(KHL)項目で労使が折り合わず、協議が長期化。補助金付き燃料の値上げ時期が確定しておらず、地方自治体は交通費など最低生活費項目を決定できないためとしている。

ジャカルタ特別州は11月4日、最低生活費を決める会議を開いたが、炭水化物、コーヒー、新聞の3項目が決まらず決定を延期した。西ジャワ州ブカシ県は水や電気、交通費など4項目の最低生活費がまだ決定していない。東ジャワ州や中部ジャワ州も最低賃金の決定が遅れている。地元メディアなどが報じた。

中国漁船のサンゴ密漁問題 日本は罰則強化を検討

中国漁船のサンゴ密漁問題 日本は罰則強化を検討

菅義偉・内閣官房長官は11月6日、記者会見で小笠原諸島近海などで中国漁船によるサンゴの密漁が深刻化している問題で、「罰則強化や担保金引き上げについて、取り締まりの実効性を確保する点からも関係省庁と早急に検討したい」と述べた。担保金は、排他的経済水域(EEZ)での違法操業容疑などで外国漁船の船長らが逮捕された場合、支払えば釈放される保釈金に該当する。しかし、担保金を積んだまま裁判に出廷しないケースもあり、制度の実効性が疑問視されていた。

イ経営者協会がパスルアン県決定の最低賃金を批判

イ経営者協会がパスルアン県決定の最低賃金を批判

インドネシア経営者協会のパスルアン県支局は、パスルアン県政府が東ジャワ州政府に提出した2015年の月額最低賃金270万ルピア(約2万5300円)を批判した。事務局のラトノ委員は「ことしの最低賃金は219万ルピア。これほどの大幅な賃上げは当地の企業、とく  に全企業の半数以上を占める家具、食品加工、衣料、玩具などの製造業には、事業継続できるか否かの問題に発展するだろう。企業の倒産をを増加させ、他の賃金の低い地域に工場を移転する企業が増え、県経済全体にも影響を与える」と説明した。ビスニス・インドネシアが報じた。