インドネシア禁輸でフィリピンのニッケル鉱石急騰

インドネシア禁輸でフィリピンのニッケル鉱石急騰

 フィリピンのニッケル鉱石の価格が2013年秋に比べて約2倍に急騰している。世界最大のニッケル鉱石産出国のインドネシアが禁輸を実施していることで、フィリピンが代替調達先としての注目が集まっているもの。同国からの調達を拡大しつつある日本の非鉄製錬各社にとっては原料コストの負担増につながる頭の痛い事態だ。

   2013年10月に1㌧当たり30~35㌦だったニッケル鉱石(品位1.8%)のスポット価格は14年3月には50~55㌦、そして足元では60~65㌦へと上昇しているという。ブルームバーグなどが報じた。

すず、インドネシアの供給減で半年ぶりの高値

すず、インドネシアの供給減で半年ぶりの高値

 すず地金(じがね)の国債相場が続伸している。指標となるロンドン金属取引所(LME)では4月24日に1㌧当たり2万3750㌦前後で推移。直近安値の1月下旬から9%上昇し、半年ぶりの高値を付けた。この最大の要因は、世界生産で約2割を占めるインドネシアが、保護主義を強め、供給が不安定になっているためだ。インドネシアは2013年8月末から現地の取引所経由で調達しないと、すず地金を輸出できないようにしている。ただ、現地取引所はLMEよりもやや割高で、この日も100㌦程度高く売買されている。このため、価格が人為的に操作されているとの見方もでき、海外の輸入業者に敬遠されがちだ。

電気料金引き上げ幅を再検討 ヒダヤット工業相

電気料金引き上げ幅を再検討 ヒダヤット工業相

 インドネシアのヒダヤット工業相は4月21日、5月から段階的に実施される電気料金引き上げが、国内産業界の成長に大きな影響を与えるとして、引き上げ幅に関して再検討すると語った。今年の経済成長率目標6.4%を下方修正する必要も出ている。地元メディアが報じた。

 同国内では電力使用量が多い鉄鋼、石油化学、セメント、繊維業界などが大きな影響を受ける。産業界では、とりわけ大口需要家の値上げ幅である6カ月間で64%の引き上げに対しては、耐えられる財務体力を持ち合わせていないと抗議の声が高まり、3年間で徐々に引き上げるよう要望している。こうした状況を受け、同相は電気料金引き上げが財政混乱を招き、産業界に過度な解雇が起こることを懸念している。

年間インフレ率4.5%目標に アグス中銀総裁が見解

年間インフレ率4.5%目標に アグス中銀総裁が見解

 インドネシア中央銀行のアグス・マルトワルドヨ総裁は4月21日、4月のインフレ率は沈静化し、0.08~0.1%と予測。この数値は年間インフレ率予測7.32%を7.18%まで下げる効果があるとした。そのうえで年間インフレ率について、「4.5%をはさんで3.5~5.5%ほどの範囲で収まれば、正常な経常収支を維持することができる」と語った。地元紙が報じた。

ニッケル禁輸でWTO提訴をインドネシアに通告

ニッケル禁輸でWTO提訴をインドネシアに通告

 日本政府は、ニッケルなどの鉱石輸出を不当に制限しているとして、インドネシアに対し世界貿易機関(WTO)に提訴する方針を通告した。岸田外相が広島で行ったインドネシア外相との会談で正式に伝達したもので、新興国を中心に資源の輸出規制が広がる中、行き過ぎた保護主義を是正する狙いがある。政府は提訴の前提条件となるインドネシアとの2国間協議を近く正式に要請する考えだ。読売新聞が報じた。

民間企業の対外債務が4年で倍増 中銀が懸念

民間企業の対外債務が4年で倍増 中銀が懸念

 インドネシア中央銀行はこのほど、民間企業の対外債務が過去4年間で約2倍に急増していることを明らかにした。これは企業が金利の低い米国から借り入れる傾向が強いことがその要因だ。このため、中銀は為替リスクを引き起こし債務不履行につながることを懸念している。地元メディアが報じた。

 中銀によると、2009年に736億㌦だった民間の対外債務が2013年末時点で1405億㌦まで増加。同期間の政府機関の対外債務上昇率約25%と比べても、大幅に高い。対外債務急増の最大の要因は、周知のとおり、何といっても国内政策金利の高さにある。国内政策金利7.5%に対し、米国政府の政策金利がほぼ0%を維持しているため、民間企業の資金調達の目が米国に向きがちになることは避けられない。事実、企業の対外債務額の約90%が米ドルでの借り入れだ。

 このため、中銀のミルザ・アディティアズワラ副総裁は「1997~98年のアジア通貨危機のようなルピア安は起こらないだろうが、経済成長を維持するためにも、民間部門の対外債務に注視しなければならない」と警鐘を鳴らしている。

総選挙の結果受けジャカルタの株価急落 投資家が失望

総選挙の結果受けジャカルタの株価急落 投資家が失望
 東南アジア株式市場でジャカルタ市場の株価が4月10日、急落した。これはインドネシアで7月に行われる大統領選の最有力候補と目されるジョコ・ウィドド氏が所属する闘争民主党の得票率が、予想外に低かった総選挙の結果に外国人投資家が失望したためだ。これでは闘争民主党が単独でジョコ・ウィドド氏を擁立するには不十分で、同政権が誕生しても、投資呼び込みに必要な改革を積極的に進めるのに、極めて脆弱な基盤しか持てないとの観測が浮上したためだ。
 この結果、ジャカルタの総合株価指数は3.16%安の4765.73と3月27日以来の水準に下落した。下げ幅は2013年8月27日以来の大きさ。出来高は30日間平均の1.5倍に膨らんだ。外国投資家は1億2861万㌦を売り越した。これに伴い、通貨ルピアも下落した。ロイター通信などが報じた。

インドネシア中銀 金利7.5%で据え置き 5カ月連続

インドネシア中銀 金利7.5%で据え置き 5カ月連続
 インドネシア中央銀行は4月8日の月例理事会で、政策金利を7.5%で据え置くことを決めた。据え置きは5カ月連続。4月に入って貿易収支や消費者物価指数の上昇率が改善し、株式市場や通貨ルピア相場も堅調なことがその要因とみられる。

2015年メドに石炭輸出規制を検討 国内発電向けを優先

2015年メドに石炭輸出規制を検討 国内発電向けを優先
 インドネシアのエネルギー鉱物資源省は、2015年をメドに石炭輸出規制を検討している。電力需要の高まりを受けて、石炭火力発電所向け供給を拡大するためで、輸出を段階的に減らし、増産と合わせて国内供給量を増やす。
 現在検討されている規制案は2点。1案は5年間隔で生産量を5%(約2000万㌧)ずつ増やし、国内供給量を3000万~4000万㌧ずつひきあげ、輸出量を1000万~2000万㌧ずつ削減する。もう1案は年間生産量は均一4億100万㌧とするが、国内供給量を3000万~4000万㌧ずつ引き上げ、同量の輸出を削減する-というもの。
 エネルギー鉱物資源省は、国営電力PLNによる石炭火力発電の増強プログラムに沿って、石炭の国内供給量を15年に8900万㌧、20年に1億2000万㌧、25年に1億6300万㌧に増やしていく計画だ。地元メディアが報じた。