「LCGCは7万人の雇用を生む」ハッタ調整相が強調

「LCGCは7万人の雇用を生む」ハッタ調整相が強調
 地元メディアによると、インドネシアのハッタ・ラジャサ経済担当調整相は11月19日、地方代表議会(DPD)で、低燃費・低価格車への優遇税制政策「低価格グリーン・カー(LCGC)プログラム」は、7万人の雇用を生む政策だと正当性を強調した。これはLCGCが、交通渋滞を悪化させるだけ-とジョコウィジャカルタ特別州知事らの間で不評、批判を招いていることを念頭に置いた発言。
 同調整相によると、この政策により製造業で3万人、派生的な物流や販売業などで4万人の雇用が生まれると見込まれている。さらに、この政策を受けて投資額は、自動車メーカーの5工場で30億㌦(約3000億円)、部品メーカーの80工場で35億㌦(約3500億円)に上ったという。

EU各国がインドネシアとの貿易促進団体EIBN設立

EU各国がインドネシアとの貿易促進団体EIBN設立
 EU(欧州連合)と加盟各国の商工会議所はこのほど、インドネシアとの貿易促進団体「EU・インドネシア・ビジネス・ネットワーク(EIBN)」を設立すると発表した。EIBNにはインドネシアとドイツ、フランス、オランダなど5カ国以上の商工会議所が参加。今後5年でインドネシア進出を計画する欧州企業支援など計140のイベントを開き、ウエブサイトや雑誌などを通じて、インドネシアに関する情報も発信していく予定だ。
 インドネシアのEUとの2012年の貿易額は250億ユーロ(約3350億円)で、対シンガポールの520億ユーロ、対マレーシア350億ユーロを下回る規模にとどまっている。

総額380兆ルピアの25件を民間資金活用し優先的に推進

総額380兆ルピアの25件を民間資金活用し優先的に推進
 地元各紙によると、インドネシア政府は、2025年までの包括的な開発計画「経済成長促進拡大マスタープラン(MP3EI)」で、2014~17年に開始を検討する総額448億㌦(約4兆4800億円)の56件のうち、総額380兆ルピア(約3兆4000億円)の25件を民間資金を活用しながら優先的に推進する。ハッタ・ラジャサ経済調整相が11月13日、ジャカルタで開かれたインドネシア国際インフラ会議で明らかにしたもの。
 2011年5月からのMP3EI事業の総投資額は355兆ルピアに達したが、投資元の内訳は国営企業30%、政府36%、民間5%で、各者による協力が28%。民間の比率が低いことに不満を示し、インフラ開発に民間資金引き寄せたい考えを改めて示した。

膨らむ燃料補助金 消費量増とルピア安で削減効果薄く

膨らむ燃料補助金 消費量増とルピア安で削減効果薄く
 現地メディアによると、インドネシアは6月に財政赤字削減のため補助金削減を断行したにもかかわらず、燃料補助金支出が増加する見通しとなった。同国の下院が承認した2014年予算案の燃料補助金は210兆7000億ルピア(約1兆8120億円)と今年の199兆9000億ルピアを約5.4%上回った。為替相場や原油価格の推移次第で支出額はさらに膨らむ可能性があり、専門家から懸念の声が上がっている。
 同国政府は今年6月下旬、財政赤字削減のために経済への影響などを含め熟慮の結果、約5年ぶりに補助金付き燃料価格の引き上げによる補助金削減に踏み切った。しかし、14年は補助金付き燃料の消費量が今年の4800万㌔㍑から5100㌔㍑に増えるうえ、通貨ルピア安などの影響で石油の輸入コストの増加傾向も続くことから、削減効果は早くも失われるとみられている。政府試算によると、インドネシアの今年の財政赤字は224兆ルピアで、国内総生産(GDP)の2,38%となる見通し。14年予算案ではこれを175兆4000億ルピア、GDPの1.69%に削減するとしている。

8月失業率6,25%で8年ぶりに悪化 失業者22万人増加

8月失業率6,25%で8年ぶりに悪化 失業者22万人増加
 インドネシア中央統計局が発表した8月の労働力統計によると、インドネシアの完全失業率は6.25%でほぼ8年ぶりに悪化した。同国の失業率は第1期ユドヨノ政権誕生から1年後の2005年10月以来、低下傾向にあったが、今年6月下旬の補助金付き石油燃料値上げや、景気減速に伴い、経済成長が失業率引き下げの最低水準とされる6%を割り込んだことが背景にあるとみられる。8月の労働力人口は1億1820万人で前期比300万人減、前年同期比14万人増。完全失業者数は739万人で前期から22万人増加した。調査は半年に一度実施されている。

中銀が予想外の利上げ 年7.5%に 市場の安定を優先

中銀が予想外の利上げ 年7.5%に 市場の安定を優先
 インドネシア中央銀行は11月12日の理事会で、政策金利を0.25%引き上げ、年7.5%とすることを決めた。利上げは9月以来2カ月ぶり。市場の大方の予想に反して利上げに踏み切ったのは、通貨ルピア安や経常赤字の縮小への取り組みを強化するため。経済成長よりも金融市場の安定を優先する姿勢を鮮明にしたもの。12日は市中銀行が中銀に資金を預け入れる際の預金ファシリティー金利も5.5%から5.75%に引き上げた。

来年の規制を前にボーキサイトなど鉱物輸出が好調

来年の規制を前にボーキサイトなど鉱物輸出が好調
 インドネシア鉱物資源省はこのほど、2013年1~9月期の鉱物輸出状況を明らかにした。ボーキサイトやニッケルなどの鉱物が昨年の輸出額を上回る伸びを示している。この結果、ボーキサイトは4260㌧、鉄鉱石は1430㌧、ニッケル鉱石は4040㌧、鉛・亜鉛は3888㌧となった。これにより、12月までの通年予想でボーキサイトは前年比70%増の5160㌧、鉄鉱石は同76%増の1840㌧、ニッケル鉱石は同27%増の5220㌧、鉛・亜鉛は同2%増の5681㌧の輸出高を見込んでいる。インドネシアでは2014年から未加工鉱石の輸出を禁止する予定。

 

10月末の外貨準備高は3カ月連続の増加に 中銀

10月末の外貨準備高は3カ月連続の増加に 中銀
 インドネシア中央銀行はこのほど、10月末の外貨準備高が9月末比13億㌦増の970億㌦となったことを明らかにした。政府の石油・ガス輸出による外貨収入増が主因で、3カ月連続の増加となった。同中銀は、この外貨準備高は5.3カ月の輸入決済分と、政府の対外債務を賄える額だとしている。

成長減速で景気下支えへ政府が外資規制緩和策打ち出す

成長減速で景気下支えへ政府が外資規制緩和策打ち出す
 インドネシア政府は11月6日、経済成長が減速する中、景気下支えのため外資規制の緩和策を打ち出した。同国は8月、特定分野への外資参入を制限してきた投資規制対象業種リスト(ネガティブリスト)を改定する意向を示しており、今回の緩和策はこの一環。政府は大統領令(2010年第36号)で定めた17分野にわたる外国投資のネガティブリストを3年ぶりに改定する方向で協議を進めている。ハッタ・ラジャサ経済担当調整相は同日、地元経済団体などとの協議を経て計画を最終判断する考えを示した。
 今回の緩和策(計画)によると、海外の投資家が空港や港湾、航空サービス業の運営を全面的に行うことが可能になる。また、医薬品や通信などの分野で外資の出資率の上限を引き上げた。医薬品はこれまでの75%から85%に、通信は固定・携帯電話ともに45%から65%への引き上げが提案されている。

7~9月期GDPの伸びは5.62% 2期連続6%割れに

7~9月期GDPの伸びは5.62% 2期連続6%割れに
 インドネシア中央統計局によると、2013年第3四半期(7~9月期)の実質国内総生産(GDP)の伸び率は前年同期比5.62%だった。この結果、4~6月、7~9月期と2四半期連続の6%割れとなった。13年1~9月期のGDP伸び率は5.83%。6月下旬の補助金付き燃料価格の引き上げの影響が本格化した7月以降、経済の減速傾向が強まった。これにより政府が予想する通年6%割れが、現実のものとなりそうな情勢となってきた。