IDXの株価4300台割れ目前 米の14年度予算審議対立で
インドネシア証券取引所(IDX)は9月30日、13日以来11営業日ぶりに4400台を割り込み、終値が前週末比2.43%下げ4316.176となり、4300台われ目前に迫った。議席数で野党・共和党が与党・民主党を上回る米国議会下院での2014年度の暫定予算案を巡る対立で審議が難航していることで、米国経済停滞への懸念が高まり、アジア全体でリスク回避の売りが進んだことが主因。米国議会での対立が長引けば、じり安基調に拍車をかけるとの観測が強まっている。対ドルでの銀行間の実績取引レートは1ドル=1万1650ルピアで、先週末の1ドル=1万1550ルピアより約1%ルピア安に振れている。
インドネシア・豪首脳 貿易総額5割引き上げで合意
インドネシア・豪首脳 貿易総額5割引き上げで合意
オーストラリアのトニー・アボット首相は9月30日、就任後初の外遊先としてインドネシアを訪れ、ユドヨノ大統領と会談した。その結果、2国間の経済協力を強化することで一致し、2012年に約100億㌦(約9750億円)だった貿易総額を早期に150億㌦に引き上げることで合意。農業や観光産業の振興でも連携を深める。
経済以外では、中東や南アジアからの難民がインドネシア沖経由でオーストラリアに流入する難民密航船問題について意見交換。今後、改善に向けて連携して取り組むことで一致した。
14年の燃料補助金への割当予算5.4%増の210兆超ルピアに
14年の燃料補助金への割当予算5.4%増の210兆超ルピアに
インドネシア国家予算委員会は9月25日、2014年予算案で燃料補助金への割当を今年より約5.4%増の210兆7400億ルピアで承認した。燃料価格は周知の通り、6月に値上げされ補助金を大幅に削減した。それにもかかわらず増加したのは、ルピア安で燃料の輸入コストが膨らんでいることが主因。国家財政が為替や原油の国際価格に左右される構造の早期是正とともに、これまで以上に国内の燃料消費を抑制する取り組みが求められる。
インドネシアと韓国が通貨スワップ協定 上限100億㌦規模
インドネシアと韓国が通貨スワップ協定 上限100億㌦規模
複数のメディアによると、インドネシアは韓国との間で通貨スワップ協定締結に向けた協議を進めている。外貨準備高の上積みにより、異常なルピア安を防ぐための介入余力を高め、市場の信用回復を図るのが狙い。ヒダヤット工業相も9月24日、インドネシア中央銀行が大韓銀行(韓国中央銀行)と新たに二国間スワップ協定(BSA)を締結する予定だと語っている。上限100億㌦規模になるとみられている。朴大統領がAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議に出席するためインドネシア・バリを訪問する10月6~8日に、最終合意を経て締結される見通しだ。
米の緩和維持による急上昇の反動で株価4400台割れ目前
米の緩和維持による急上昇の反動で株価4400台割れ目前
インドネシア証券取引所(IDX)は9月25日、終値で前日比1.20%下げて4406.7657となり、20日以来4営業日連続で下落した。17~18日の米国連邦公開市場委員会(FOMC)が、一部で予想された金融緩和縮小を見送り、維持を決めた翌日、19日に株価が急上昇した反動が主因とする分析が大勢を占めている。市場では株価は、当面弱含み基調で推移するとの観測が強まっており、米国雇用統計などの主要統計が発表される来月初めまでに下落の底値がどの程度になるかに注目が集まっている。
米の金融緩和維持を歓迎 縮小見据え構造改革を推進
米の金融緩和維持を歓迎 縮小見据え構造改革を推進
インドネシア政府、中央銀行は、9月17、18日開かれた米国連邦公開市場委員会(FOMC)が金融緩和縮小を見送る決定を下したことを受け、これを歓迎するとともに、今後の金融緩和縮小を見据えた構造改革を進めていく考えを示した。アグス・マルトワルドヨ中銀総裁は、インドネシアは今回の米国の金融緩和縮小の見送りでできた猶予期間を利用して、今後の緩和縮小の事態に備え、金融や予算、インフラ整備など積極的に構造改革を進めなければならない-などと語った。
米の量的緩和縮小見送りでアジア株が大幅高、ルピアも
米の量的緩和縮小見送りでアジア株が大幅高、ルピアも
米連邦準備理事会(FRB)が量的金融緩和の縮小を見送ったことを受け、19日のアジア市場では株価が軒並み上昇し、インドネシアのジャカルタ総合指数は前日比で一時7%強も上がった。通貨ルピアも急速に買い戻され、一時1ドル=1万1195ルピアと、今月10日以来約1週間ぶりのルピア高・ドル安となるなど、対ドルでは前日比で2.3%のルピア高となる場面があった。
2014年政府予算案の財政赤字など各種指標を大幅修正
2014年政府予算案の財政赤字など各種指標を大幅修正
国会第11委員会(財政・開発・金融)は9月16日、先月ユドヨノ大統領が提出した2014年政府予算案の予備審査で、経済成長率や財政赤字などの指標を大幅に修正した。地元紙によると、経済成長率を6.0%(当初6.4%)、インフレ率を5.5%(同4.5%)、ルピアの対ドル年間平均レートを1万500ルピア(同9750ルピア)にそれぞれ修正した。当初の政府予算案が、それぞれの指標で先行きを楽観視しすぎで、現状を反映していないとの判断からだ。財政赤字も55兆3000億ルピア増えて209兆5000億ルピアと大幅に修正し、国内総生産(GDP)比では1.5%から2.0%に増えた。
ハティブ・バスリ財務相は修正理由について、世界経済の停滞による輸出減少や燃料補助金が膨らむことなどを挙げた。電力、交通に配分される燃料補助金はルピア安で石油輸入費用が増えるため、44兆1000億ルピア増の328兆7000億ルピアに見直した。一方で同財務相は今後、鉱業資源の輸出税や資産、金融への増税を通して、財政赤字を対GDP比で2.0%から1.7~1.8%に抑えると述べた。
来年中に失業率を5.7%に改善目標設定 国家開発計画庁
来年中に失業率を5.7%に改善目標設定 国家開発計画庁
地元紙によると、インドネシア国家開発計画庁は来年中に失業率を5.7%に改善するとの新たな目標を設定した。同国の中央統計庁によると、今年2月時点の失業率は5.9%。政府が掲げていた2014年までの改善目標の6%は前倒しで達成している。だが同国では、世界経済の低迷から輸出が減少し、国内の消費と投資も縮小しつつあるなど、景気の先行きに不透明感が広がっている。
こうした一方で、労働人口の拡大は続いている。13年2月には1億2119万人に膨らみ、さらに今後数年にわたり毎年200万人ずつ増加していくと見込まれている。そんな中、必要性が指摘されるのが、雇用の中身の検証だ。世界銀行によると、同国の労働人口の60~70%が自営業など不安定な職業に従事しているという。
それだけに、一時しのぎの失業率改善策ではなく、安定した雇用を生み出し、国の将来を担う若年層を労働市場に継続して吸収していけるか、抜本的な政府の取り組みが問われる。
投資調整庁の新長官にマヘンドラ財務副大臣を任命へ
投資調整庁の新長官にマヘンドラ財務副大臣を任命へ
地元メディアによると、ヒダヤット工業相は9月14日、投資調整庁(BKPM)の新長官に、財務副大臣のマヘンドラ・シレガル氏が就任することを明らかにした。マヘンドラ氏は経常赤字の拡大が進む中、海外直接投資の誘致など難しい舵取りを迫られる。
マヘンドラ新長官は1970年1月1日生まれの43歳。インドネシア大学経済学部を卒業後、外務省に入省。英国、米国大使館勤務の後、2001~05年に経済担当調整相事務所に入所、09年に商業副大臣、11年に財務副大臣を歴任。09年にインドネシア輸出信用機関(LPEI)の理事長にも就任。BKPM長官は今年5月以降、ハティブ・バスリ財務相が兼務していた。