熊本城 完全復旧は30年後 当初予定より15年遅れ

熊本市の大西一史市長は11月22日、2016年の熊本地震で被災した熊本城について、復旧完了は2052年度になるとの見通しを明らかにした。石垣の復旧方法の検討に当初の想定より時間がかかることなどが原因で、これまで発表していた計画より15年遅くなる。
なお、本丸御殿と国の重要文化財の宇土櫓(やぐら)の復旧は2032年度に完了する見通し。また、すべての重要文化財建造物と、主要区域の工事は2042年度までに終わる予定。

京都・東福寺「五百羅漢図」14年間の修復作業終了

京都・東福寺(所在地:京都市東山区)で、14年間にわたり続けられてきた「五百羅漢図」の修復作業が終わったことを受けて11月15日、記念の法要が営まれた。
五百羅漢図は1幅が縦およそ1.7m、横およそ90cmで、羅漢と呼ばれる仏教の聖人たちが描かれた室町時代の絵画で、同寺では合わせて47幅を所蔵している。平成20(2008)年から修復作業が進められてきた。羅漢たちが修行に臨む様子や神通力を発揮する姿などが色鮮やかに描かれている。
この五百羅漢図は、2023年3月から東京国立博物館で、同年10月から京都国立博物館で一般公開される予定。

京都・南座「顔見世興行」”まねき書き”を公開

例年12月に京都・南座(所在地:京都市東山区)で行われる師走の風物詩、歌舞伎「吉例顔見世興行」に向け、出演演者の名前を「勘亭流」という書体で看板(長さ1.8m、幅30cm)いっぱいに墨書する「まねき書き」の作業が11月7日、京都市左京区の妙伝寺で報道関係者に公開された。
勘亭流で看板いっぱいに墨書するのは、隙間がないほど大入りになるようにとの願いが込められているのだ。でき上がった看板は11月末に南座に掲げられ、師走の公演を迎える。顔見世は江戸時代から続いている恒例行事で、今年は12月4日から25日に行われる予定。

日本で最初の「大阪手形交換所」143年の歴史に幕

「大阪手形交換所」が11月2日、決済手段の電子化などに伴って業務を終了、記念の式典が行われた。同交換所は明治12(1878)年、実業家、渋沢栄一らの呼び掛けでつくられた「銀行苦楽部(くらぶ)」の「大坂交換所」が設けられたのが発祥で、企業同士の取引で代金を後払いする際に使われる約束手形を取り扱ってきた。しかし、インターネットの普及で決済手段の電子化が進み利用が減り、今回143年の歴史に幕を下ろした。
約束手形の交換業務は11月4日から、全国銀行協会が新たに設ける「電子交換所」を通じて行われることになる。

金沢・兼六園で伝統の「雪づり」始まる 冬支度

日本三名園の一つ、石川県金沢市の兼六園で11月1日、北陸に冬の訪れを告げる伝統の風物詩、雪の重みから木々を守るための冬支度「雪づり」の作業が始まった。雪づりはマツやツツジなど園内800カ所で行う。庭師や造園業者ら延べ約500人が計4トンのわら縄を使用し、12月中旬までに作業にあたる。

横浜市大 藤沢市と芥川龍之介直筆資料修復で協定

横浜市立大と神奈川県藤沢市は10月25日、藤沢市文書館が所蔵する芥川龍之介の直筆資料修復に係る協定を締結すると発表した。文化・芸術の振興を図るため、また芥川龍之介資料に関する研究の一環。
両者は2022年度中に、藤沢市文書館が所蔵している芥川龍之介資料約100点の修復を予定しており、2024年度までに修復を終える予定。

「はやぶさ2」試料から宇宙由来のガス成分確認

宇宙航空研究開発機構(JAXA)や九州大学などの研究チームは10月21日、探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」で採取した試料に、46億年前の太陽系誕生以前のガスが含まれていたとする分析結果を発表した。小惑星由来の気体を直接確認するのは初めて。
チームは計16種類の試料を最高約1,800度まで加熱して、ガス化したヘリウムや、ネオン、アルゴンなどを調べた。これらのガスの一部は太陽系誕生以前に存在したことを示す特徴を持っていた。これらのガスを含んだダイヤモンドなどが材料となって、りゅうぐうのもとになった「母天体」を形成。その後、母天体に小天体が衝突し、生じた破片が集まってりゅうぐうができて以降もガスは残り続けたと、同チームは推定している。
ガスの分析から、りゅうぐうが比較的地球に近い今の位置に来たのは約500万年前と考えられることも初めて分かったという。

ノーベル生理学・医学賞にスバンテ・ペーボ氏

今年のノーベル生理学・医学賞にドイツのマックス・プランク進化人類学研究所のスバンテ・ペーボ博士が選ばれた。同氏は沖縄科学技術大学院大学教授(非常勤)も兼任している。
選考理由は、3万〜4万年前に絶滅したネアンデルタール人の骨に残っていた遺伝情報を詳しく解析し、現代の人類、ホモ・サピエンスと比較。その結果、ホモ・サピエンスはネアンデルタール人のの遺伝情報の一部を受け継いでいることを突き止め、ホモ・サピエンスとネアンデルタール人とで種が交わっていた可能性を明らかにし、人類の進化に関する研究で貢献した点が評価された。

東北大,JAXA「りゅうぐう」試料に水を確認

東北大学や宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの研究チームは9月22日付の米科学誌サイエンスで、探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」から持ち帰った砂などの試料に水が含まれているのを確認したと発表した。
研究チームは大きさ1〜8ミリの砂粒17個を分析。内部構造や鉱物の組成、硬さなどを詳細に調べたところ、試料内の硫化鉄結晶に微小な穴があり、内部に水が閉じ込められているのが見つかった。成分に塩や有機物のほか、二酸化炭素(CO2)が含まれる「炭酸水」で、りゅうぐうの元となった母天体の内部で硫化鉄の結晶が形成された際に取り込まれたと分かった。
地球外で採取された試料から、常温で水が液体となる状態で見つかったのは初めてといい、地球の海の起源解明などにつながる成果と期待される。

米NASA 新型ロケット打ち上げ延期 有人月探査計画

米航空宇宙局(NASA)は8月29日、日本初の月面着陸に挑む宇宙航空研究開発機構(JAXA)の超小型探査機「OMOTENASHI(おもてなし)」が搭載された新型ロケットSLSの同日打ち上げを延期すると発表した。エンジンに不具合が見つかったため。早ければ9月2日(現地時間)にも打ち上げられるが、機体を点検して日程を調整する。
今回の打ち上げは欧州、カナダ、日本などが参加する国際月探査アルテミス計画の一環で、SLSには有人月探査のための新型宇宙船も搭載されている。