日本 ラオスの若手行政官の留学支援に3.43億円を無償資金協力

日本政府は、ラオスの将来を担う若手行政官を対象とした留学支援として、供与限度額3億4,300万円を無償資金協力する。ラオス政府は「第9次国家社会経済開発計画(2021〜2025年)」で人材開発を重点課題の一つとして設定し、課題解決に向けて取り組んでおり、今回の支援はこの取り組みに直接貢献するもの。
この支援策により、令和6年度に最大22名のラオスの若手行政官等が日本の大学院へ留学し、学位(修士・博士)を取得する。そして将来、両国の相互理解や友好関係の強化につながることが期待される

ウクライナに自衛隊車両100台提供, 負傷兵の治療 都内で受け入れ 

岸田首相は5月21日、広島市内でウクライナのゼレンスキー大統領と会談した。この中で岸田氏は、日本独自の支援策を表明した。具体的には①100台規模のトラックなどの自衛隊車両の提供②約3万食の非常用食糧の提供③ウクライナの負傷兵を東京都内の自衛隊中央病院で受け入れて治療する④官民挙げてウクライナの復旧・復興を後押しする。
ゼレンスキー氏は、主要7カ国(G7)が表明したウクライナ支持を「一生忘れることはない」、そして「核兵器のもたらす被害の甚大さを再認識した」などと述べた。

ゼレンスキー大統領「被爆後の広島 バフムトと似ている」

ウクライナのゼレンスキー大統領は5月21日夜、前日の電撃的な来日、そしてG7サミット首脳や招待国首脳との分刻みの会談後の締めくくりに、広島市内で演説した。前日、G7首脳が同様に初めて訪れた広島平和記念資料館(原爆資料館)で見た被爆後の広島惨状に触れ、大要次の通り述べた。
①人類の歴史に戦争はあってはならない②破壊された広島の写真がバフムトと似ている③ウクライナの街も広島のように早く再建できることを夢見ている④戦後復興には日本の景観が必要ーなど。

「法の支配」最優先に新興・途上国へ働きかけ G7首脳宣言

広島で開催された主要7カ国(G7)サミットは5月20日、緊急初来日したウクライナのゼレンスキー大統領の広島到着前に首脳宣言を発表した。宣言では共通の価値観として「法の支配に基づく自由でほら枯れた国際秩序の維持・強化」を最優先に掲げ、ロシアや中国の覇権主義に対抗するための結束を打ち出した。また、G20の議長国のインドをはじめブラジル、インドネシア、ベトナム、韓国などの首脳をパートナーとして招き、グローバルサウスと呼ばれる新興・途上国への支援協力および働きかけを強めた。
G7首脳宣言の要旨は①国際法の重大な違反、ロシアによるウクライナ侵攻を残忍な侵略戦争で、全世界への脅威として改めて強い言葉で非難する②永続的な平和を取り戻すため、必要な限りウクライナに対し外交、財政、人道、軍事的な支援を強化する③「核兵器のない世界」という究極の目標へ核軍縮・不拡散の努力を強化する核拡散防止条約(NPT)は核軍縮・不拡散を追求するための基礎④法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋を支持し、一方的な現状変更の試みに反対する。東南アジア諸国連合(ASEAN)を含む地域のパートナーとの連携を強化する⑤産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑えるパリ協定の責務を堅持。2050年までに温暖化ガス実質ゼロ、カーボンニュートラルを達成する目標は不変⑥グローバルに分野を横断して注目が集まる生成人工知能(AI)について、「信頼できるAIという共通の目標達成に向け、民主主義の価値観に沿って国際的討論を進める」⑦政治や経済、教育などの分野で、LGBTなど性的少数者や女性の意味のある参画を確保し、一貫してジェンダー平等に努力するーなど。

G7首脳 平和記念公園で原爆慰霊碑に献花 広島サミット

広島市で5月19日に開幕した先進7カ国首脳会議(G7サミット)で、原爆資料館を見学した後、核兵器を保有する米・英・仏を含む参加国と欧州連合(EU)の首脳9人が平和記念公園を訪れ、原爆慰霊碑に献花した。米国のバイデン大統領、英国のスナク首相、フランスのマクロン大統領、ドイツのショルツ首相、カナダのトルドー首相、イタリアのメローニ首相、EUのミシェル大統領、フォンデアライエン欧州委員長、そして岸田首相の9人が揃って原爆犠牲者たちを追悼する、被爆地にとって記録に残る歴史的な瞬間となった。まさに広島で開催されるサミットならではの光景だ。

IPEF 鉱物, 半導体の供給網強化 原料調達協力で経済安全保障強化

米国が主導する新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の第4回目の交渉官会合が5月15日、シンガポールで閉幕した。今回は鉱物や半導体などのサプライチェーン(供給網)の強化についての議論などが行われた。例えばコバルト、ニッケル、リチウムはインドネシアなど東南アジアやオーストラリアなどに偏在する。こうした鉱物を各国が融通し合うことで、経済安全保障を強める。米国で27日に開かれる閣僚級会合で部分合意を目指す。

宇宙ごみ除去技術開発 G7が主導 科学技術相会合が共同声明

宮城県仙台市で開かれた主要7カ国(G7)の科学技術相会合は5月13日、共同声明をまとめた。宇宙ごみを除去する技術開発をめぐり、G7が主導して進めることで合意した。安全保障に不可欠な衛星が、宇宙ごみの破片にぶつかって壊れる危険性がある。声明では「喫緊の対応が必要」と強調している。
宇宙ごみは任務が終わっても軌道上に残る衛星などを指す。この処理を巡って中国が2007年、ロシアが2021年にミサイルで衛星を破壊する実験に踏み切り、大量の破片が散らばり、事態を悪化させた。

ワールドラグビー 日本の最上位メンバー入りを承認

日本ラグビー協会は5月11日、国際統括団体ワールドラグビー(WR)が、日本ラグビー協会を最上位カテゴリーの「ハイパフォーマンス・ユニオン」のメンバーとして認めたと発表した。この結果、日本ラグビーが世界の強豪の10カ国・地域(イングランド、ニュージーランドなど欧州6カ国、南半球4カ国)に11カ国目として加わることになった。

ASEAN首脳会議 東ティモール加盟へ行程表を採択し閉幕

インドネシアのラブアンバジョで開催されていた東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議は、東ティモールの加盟に向けた行程表を採択し、5月11日に閉幕した。いずれ議長国を務める場合、必要となる会議の運営など加盟国として必要な能力の構築に向けた支援を続けていく。今回の首脳会議には東ティモールのルアク首相が初めて出席した。