東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳会議が5月10日、議長国を務めるインドネシアの、首都ジャカルタから東に1,500km離れた町、ラブアンバジョで開幕した。今回はクーデターで国軍が全権を掌握しているミャンマー問題に進展がみられるかが焦点。また、ASEANの一部加盟国と、強行に海洋進出を図る中国が争う南シナ海情勢などを協議するとみられる。
福島原発処理水 韓国視察団の現地派遣で日韓合意 懸念払拭へ
日韓首脳 未来志向で関係深化を 12年ぶりシャトル外交再開
岸田文雄首相と韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は5月7日、ソウルの韓国大統領府で会談した。会談では①未来志向で関係を深める②福島原発の処理水放出をめぐり、韓国から視察団を派遣する③北朝鮮のミサイル対応で抑止力を強化するーなどを協議した。この結果、日韓関係について「改善の動きが軌道に乗った」との認識で一致した。また、核・ミサイル開発を推進する北朝鮮に対抗するため、安全保障協力を深める方針も確認した。尹大統領は「両国の歴史問題が完全に解決されない限り、未来の協力に一歩も踏み出せないという認識から抜け出さなければいけない」と述べ、歴史問題より未来の協力を強調した。
日韓首脳が互いの国を訪問し合う「シャトル外交」は12年ぶりの再開となった。岸田首相は尹大統領を5月19〜21日の主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)に招待した。
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中国に「G7の懸念 直接表明」外相会合が共同声明に明記
長野県軽井沢町で4月16〜18日にわたり開かれていたG7(主要7カ国)外相会合が3日間の協議を終えて閉幕した。5月の首脳会議(広島サミット)に向けた議論の方向性をまとめた。
18日に採択された共同声明で、「G7として初めて法の支配に基づく国際秩序への関与を確認」し、「中国に懸念を直接表明する重要性を認識する」と明記した。
そのうえで議長を務めた林芳正外相は「世界のどこであれ、一方的な現状変更の試みに強く反対すると確認できた」と強調した。また、今回G7外相の共同声明に初めて「経済安全保障」の項目を設け、中国などの経済的威圧に対処するため「信頼性に基づく強靭なサプライチェーンを構築する」としている。このほか、気候変動などの国際課題には「中国と協働する必要性を認識する」とも指摘。中国に「国際社会の責任ある一員として行動するよう」求めている。
天然ガス段階的廃止で合意 G7気候・エネルギー・環境相
日本が議長国を務めたG7(主要7カ国)の気候・エネルギー・環境相は4月15〜16日、札幌市における会合で、二酸化炭素(CO2)削減への対策を講じていない化石燃料の使用の停止に向けた取り組みを強化することで合意した。今回天然ガスを対象に加え段階的な廃止に着手する。ただ、石炭火力発電所の廃止時期の明記は見送った。
再生可能エネルギーの導入目標として、洋上風力発電を2030年までに7カ国合計で2021年実績比約7倍の1.5億KWに引き上げる。太陽光発電は2030年までに現状の約3倍の10億KWに増強する。このほか、海洋プラスチックごみによる新たな汚染を2040年までにゼロにする目標でも合意した。これまでG20では2050までに汚染をゼロにすることで合意しているが、G7では10年前前倒しする。