G20首脳会議閉幕 核使用認めず 首脳宣言は合意優先

インドネシア・バリ島で11月15、16日の2日間にわたり開催されていたG20首脳会議は11月16日、首脳宣言を採択して閉幕した。今回の首脳宣言は議長国インドネシアのジョコ大統領が主導し、ウクライナ侵攻を非難、「核使用を認めない」などとしたが、調整がつかず宣言を出せない事態を回避するため、ウクライナ侵攻をめぐり激しく対立した欧米とロシアなどそれぞれの主張を盛り込み、合意を優先させた。その結果、各国の対立や世界の分断は今後も続く続くことになった。

10月の訪日外客 前月比2.4倍の49万8,600人 回復途上

日本政府観光局(JNTO)の推計によると、10月の訪日外客数は前月比2.4倍の49万8,600人だった。新型コロナウイルスの水際対策が本格緩和されてから1カ月経過したことが大きく寄与、国際線が活況、百貨店の免税店も好調だ。ただ、「ゼロコロナ」政策を堅持している中国が、本土で新型コロナの新規感染者が広東省広州市など増えつつある地域があり、中国からの訪日客は依然として戻っていない。2019年と比べるとまだ2割の水準にとどまっており、本格回復にはほど遠い。

米中首脳 衝突回避へ対話継続 3年5カ月ぶり対面会談

米国のバイデン大統領と中国の習近平国家主席は11月14日、インドネシア・バリ島で約3時間にわたり会談した。バイデン氏は終了後、ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、「核兵器の威嚇や使用は全く容認できないという共通の信念を再確認した。私たちは精力的に競争するつもりだが、この競争を責任を持って管理したいと考えている」と説明した。
会談の最大のテーマは台湾問題だったが、両氏は率直な見解を応酬。バイデン氏は「台湾海峡の一方的な現状変更」や、「威圧的でますます攻撃的になっている中国の行動」への反対を表明。習氏は「台湾問題は中国の核心的利益の中の核心であり、超えてはならない一線」などと応戦した。
米ホワイトハウスの発表によると、両首脳は気候変動、世界経済の安定、衛生、食料分野で高官対話維持と取り組みの深化で合意した。

国連総会 ロシアに賠償要求の決議採択 94カ国が賛成

国連総会は11月14日、ロシアに対してウクライナ侵攻による損害の賠償を要求する決議を採択した。日米英など94カ国が賛成し、インドや南アなど73カ国が棄権した。ロシアや中国が反対した。
決議は、ロシアによるウクライナ侵攻が国連憲章や国際人権法に違反し、ウクライナ人に人的被害などを与えたため、賠償を含む法的責任を負うべきだと指摘した。さらに、賠償を管理する国際的な仕組みが必要で、損害の記録を作成するよう推奨した。

日本 カンボジアの上水道施設拡張などに74億円を支援

日本政府はカンボジアの上水道施設の拡張など4件を対象に総額73億9,800万円を限度とする無償資金協力を行う。この内訳は①サイバーセキュリティシステム構築のための機材供与に供与限度額11億5,000万円②地雷対策センター研修複合施設および広報施設建設に同24億5,100万円③首都プノンペン・プンプレック上水道施設の拡張に同33億6,100万円④医療廃棄物の処理設備の整備に同4億3,600万円。
カンボジアの首都プノンペンで11月12日、岸田、フン・セン両首脳立ち会いのもと、これらの案件に関する交換公文の署名が交わされた。

日米韓首脳 北朝鮮核実験強行なら「断固と対応」

岸田首相は11月13日、カンボジアの首都プノンペンでバイデン米大統領、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と会談した。共同声明を採択し、ミサイル発射を繰り返す北朝鮮を強く非難するとともに、同国が7回目の核実験を強行した場合、「国際社会の強力で断固とした対応に直面する」と警告した。

日韓首脳 3年ぶり会談 徴用工問題 早期解決で一致

岸田首相は11月13日、訪問先のカンボジアの首都プノンペンで韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領とおよそ45分間、2019年12月以来、およそ3年ぶりに正式な対面による日韓首脳会談を行った。懸案の徴用工問題について早期に解決する方針で一致した。また、ミサイル発射を続ける北朝鮮について協議し、非難した。そのうえで「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、連携していくことを確認した。

岸田首相 EASで中国を名指し批判,主権侵害活動頻発

岸田首相は11月13日、東南アジア諸国連合(ASEAN)に日本、中国などを加えた東アジア首脳会議(EAS)に出席し、名指しで中国を批判した。沖縄県・尖閣諸島周辺で中国の領海侵入が相次いでいることから、「中国による日本の主権を侵害する活動が継続・強化されている」と批判。東シナ海でも軍事化や威圧的な活動など地域の緊張を高める行為が続いていると懸念を示した。