首相 ペロシ米下院議長と「台湾」で日米間の連携確認

岸田首相は8月5日、ペロシ米下院議長と首相公邸で会談した。台湾周辺で大規模な軍事演習を実施した中国に対し、即刻中止を求めたと伝えた。会談で岸田氏は「中国の行動は地域、国際社会の平和と安定に深刻な影響を与える」と懸念を表明。両氏は台湾海峡の平和と安定の維持に向けた日米間の緊密な連携を確認した。

岸田首相 NPT会議で核戦力の情報開示を要請

岸田文雄首相は8月1日(日本時間2日未明)、ニューヨーク・国連本部で開かれた核拡散防止条約(NPT)再検討会議に出席して英語で演説した。この中で核兵器数のさらなる削減などに向けて、「全核兵器国に責任ある関与を求める」と述べ、各国に核戦力の情報開示を求めた。日本の首相が同会議に出席したのは初めて。
岸田氏は核兵器の危険性を世界に伝えるため、各国の若年層に被爆地への訪問を呼び掛けた。そのため、国連へ1,000万ドル(13億2,000万円)を拠出して基金を創設すると表明した。

JICA フィリピン7/27地震被災地に緊急支援物資

国際協力機構(JICA)は7月29日、フィリピンルソン島で27日発生した地震被災地に支援物資を供与すると発表した。緊急援助物資はテント、ポリタンク、プラスチックシート、スリーピングパッドなど。
7月28日現在の被害状況は死者4人、負傷者131人、被災者1万2,945人、避難者1,248人、倒壊家屋868戸。

日米 国際経済秩序強化へ連携深める 経済版2プラス2

日米両政府は7月29日、ワシントンで外務・経済担当閣僚協議「経済版2プラス2」の初会合を開き、国際経済秩序強化へ連携を深めることで合意、「ルールに基づく国際経済秩序を示す」と記した共同声明をまとめた。
また、次世代半導体などのサプライチェーン(供給網)の強化を含む4項目の行動計画も策定した。会合には米国側からブリンケン国務長官、レモンド商務長官、日本側から林芳正外相、萩生田光一経済産業相が出席した。

ISSの安定運用へ計画見直し ロシアの離脱表明で

ロシアが7月26日、国際宇宙ステーション(ISS)から2024年以降に離脱することを表明したことで、ISSの安定運用へ参加国は今後の計画の見直しを迫られることになった。米国はISSの運用期限を2030年まで延ばす方針だが、主力参加国のロシアが不在となれば、飛行士の滞在計画や輸送手段の余裕が乏しくなることは間違いない。

日本 ブータンの若手行政官の留学・学位取得費1.94億円支援

日本政府はブータンの若手行政官が日本で学位(修士・博士)を取得するために必要な留学・学資等総額1億9,400万円を限度とする無償資金協力する。インド・ニューデリーで7月22日、鈴木哲駐ブータン王国日本国特命全権大使(インドで兼務)と、ヴェツォプ・ナムギャル駐日ブータン王国特命全権大使(インドで兼務)との間でこの書簡の交換が行われた。これにより、令和5年度に最大で修士課程9名および博士課程1名の学位修得のための留学が可能になる。

日韓外相 徴用工問題の早期解決で一致 尹政権後初

林芳正外相と韓国の朴振(パクジン)外相は7月18日、東京都内の飯倉公館で会談した。その結果、日韓関係の悪化の引き金となった元徴用工問題の早期解決で一致した。朴氏は、韓国内で差し押さえられた日本企業に資産が現金化される前に、解決策が出るよう努力する方針を示した。
また、日韓関係悪化の要因の一つ、慰安婦問題について、日本との合意を尊重する意向を示した。日本側は、前政権からの具体的な転換を見極める。
協議は、夕食を交えた話し合いを含め、合計2時間半にわたって行われた。

G20またも共同声明出せず 財務相バリ島会議閉幕

インドネシア・バリ島で開かれていた20カ国(G20)財務相・中央銀行総裁会議が7月16日閉幕した。前回4月の米国・ワシントンでの会議に続き、全会一致が原則となる共同声明が2回連続で採択できなかった。
インフレや食糧危機など世界経済が直面する課題について、日米など先進国側はウクライナへの侵攻を続けるロシアを強く非難。これに対し、反発するロシアに加え、対ロ制裁に距離を置く中国など、新興国とは温度差があり、参加国間の溝は埋まらなかった。このため、11月のG20サミットに向けて不透明感が強まった。

インドネシア新首都開発で公共事業省とJICAが協議

国際協力機構(JICA)インドネシア事務所は7月13日、東カリマンタン州に移転する新首都「ヌサンタラ」の開発について、インドネシア公共事業・国民住宅省と協議を行った。インドネシア側は開発における品質管理を向上させるため、日本に継続的な協力を求めた。日本側は新首都の基礎インフラ工事の施工品質に関する助言を行う。
6月末から開始した開発用地の調査の結果、明らかになった課題として①地勢・地形に基づいたインフラ建設を行い、洪水を防ぐための排水計画を行うこと②地下インフラ計画との調整(マンホール、下水の配管整備など)③スマートシティなどの実現を想定した余裕のある用地の確保(公共交通サービス、停留所、街灯設置など)④施工品質管理−の4点を挙げ、報告した。この協議は2023年1月まで実施する予定。NNA ASIAが報じた。