岸田首相「経済的威圧に強く反対」東アジア首脳会議で言及

外務省によると、岸田文雄首相は10月27日、東アジア首脳会議(EAS)のメンバーによるオンライン協議で地域情勢について触れ、中国を念頭に「経済的威圧に強く反対する」と述べた。
首相は沖縄県・尖閣諸島の周辺海域での中国公船の侵入を踏まえ「東シナ海で日本の主権を侵害する活動が継続している」と指摘。「南シナ海でも緊張を高める活動や法の支配に逆行する動きがみられる」と強調した。このほか、首相は香港や新疆ウイグル自治区などでの人権状況に関し、「懸念」を表明した。

G7貿易相会合 供給網から強制労働排除 ウイグル念頭に

G7(主要7カ国)は10月22日開いた貿易相会合で、国際的なサプライチェーン(供給・調達網)から強制労働を排除する仕組みづくりで一致した。採択した共同声明では名指しは避けたが、新疆ウイグル自治区で疑われる中国当局による人権抑圧を念頭に置いたもの。G7が強制労働の排除へ具体的な対応の方向性を打ち出すのは今回が初めて。
会合は英国・ロンドンでの対面とオンライン形式を組み合わせて開かれた。日本からは萩生田光一経済産業相がオンラインで参加した。

脱炭素へ石炭火力で深い溝 急ぐEUと慎重な中国・インド

第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)を前に、それぞれの国内事情を抱え意見の相違が出始めている。石炭火力発電の使用を当面維持したい中国やインドなどと、早急な休廃止を求める英国やEUの溝とくに鮮明だ。
国連では新たな気温上昇シナリオも公表され、気候変動対策の重要性は増しているが、実効性のある合意に向けては課題が多い。
COP26は10月末に英国で開かれる。早急な合意形成が求められているが、ハードルは高く一律の合意に至るかは極めて不透明だ。

JICA ベトナム・ハノイの鉄道学校における人材育成を支援

国際協力機構(JICA)は10月20日、ベトナムの首都ハノイで同国政府との間で、技術協力プロジェクト「鉄道学校における都市鉄道研修能力強化プロジェクトに関する討議議事録に署名した。
べトナム鉄道学校で、都市鉄道研修組織の設立、研修カリキュラムや教材の策定等を実施することで、ベトナム都市鉄道を安全かつ正確に運行し、適切な維持管路を行っていくための人材を、長期的かつ安定的に育成する。対象地域はハノイ市ほか。

JICA カンボジア第二期上水道拡張事業に63億円の円借款

国際協力機構(JICA)は10月21日、カンボジアの首都プノンペンで同国政府との間で、同国第3の都市シェムリアップ市の上水道拡張事業(第二期)を対象として63億3,600万円を限度とする円借款貸し付け契約に調印したと発表した。これはアンコールワット遺跡群を擁し、観光客の急速な増加と都市化が進むシェムリアップ市の取水施設、浄水場、配水管等からなる上水道設備の整備を行い、安全かつ安定的な上水道サービスの普及を図るもの。これにより、同市の生活環境の改善、観光産業の振興に寄与する。同事業に対して、第一期の円借款71億6,100万円を供与済み。

脱炭素へ日越両政府が二国間クレジット制度延長で覚書

日本とベトナム両政府は10月14日、温室効果ガス削減に取り組む「二国間クレジット制度(JCM)」の協力を延長する覚書を交わした。カーボンニュートラルに向けた協力の一環。JCMは2013年にベトナムで実施開始されて以来、現在までに39件の案件を採択し、ベトナムにおける脱炭素技術・インフラの推進と、温室効果ガス削減に寄与してきている。

ミャンマー国軍トップ招かず ASEAN首脳会議 約束不履行で

東南アジア諸国連合(ASEAN)は10月26日から3日間開く首脳会議と関連会議に、ミャンマー国軍のミン・アウン・フライン総司令官を招かない方針を固めた。オンライン形式で開いた15日の緊急外相会議で最終調整した。
ミャンマーを除くASEAN9カ国は4月、国軍側に特使の受け入れ、市民への暴力停止など5点を求めたが、多くが守られていないと判断。今回の会合では排除することを決めた。

日本 アフガンに21年中に220億円支援 G20で首相が表明

日本政府はアフガニスタンの人道危機に対応するため、2021年中に総額2億ドル(約220億円)の支援を行う。これは10月12日、アフガニスタン情勢について、オンラインで開かれた主要20カ国・地域(G20)の首脳レベルの臨時会合で岸田文雄首相が表明したもの。
首相就任後初の国際会議への参加となった岸田氏は、アフガニスタンに対し6,500万ドル(約71億円)規模の新規分を含め、2021年中に総額2億ドルの支援を行う考えを表明。「タリバンがテロ組織との関係を断ち切ることが不可欠」との認識を示した。

「メタン」30%削減公約 30カ国・地域突破 日本も賛同 

米国と欧州連合(EU)が主導する温室効果ガスの一種「メタン」の排出量を、2020年比で少なくとも30%削減する取り組みについて、10月11日オンライン形式で開かれた閣僚級会合で、今回新たに日本を含む24カ国が加わり、メタン削減を公約した国・地域は30を超えた。
温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」が掲げる温室効果ガス削減目標を達成するには、「メタン対策が近道」と訴え、10月末から始まる国際気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に向けて協調を促した。