環境省の専門家検討会は5月23日、2023年度に過去最多の人的被害が出たクマ対策について、一定の条件下で市街地での銃猟が可能となるよう鳥獣保護管理法の改正を柱とする対応方針案を議論した。その結果、法改正を目指す見通しとなった。検討会は夏ごろに方針として正式に取りまとめる予定。
環境省によると、現行法ではクマが市街地に現れた場合、ハンターらが銃猟できるのは警察官が警察官職務執行法に基づき命じた場合などに限られている。このため、クマによる人的被害の恐れが生じている場合、特例的に市街地での銃猟を認めるべきだとしている。
全国に広がる2023年度のクマに人的被害は、把握できる2006年度以降で最多の198件、219人に上っている。
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改正育児・介護休業法成立 子どもの対象年齢を拡充支援
育児と仕事の両立を支援するため、これまで子どもが3歳になるまでが中心だった措置を拡充することを盛り込んだ改正育児・介護休業法などが5月24日、参院本会議で与野党の賛成多数で可決、成立した。2025年4月以降、順次施行する。
改正育児・介護休業法は、新たに企業に対し①残業の免除対象を3歳から小学校に入学するまでの子どもを持つ親にも広げる②3歳から小学校に入学するまでの子どもを持つ親を対象に、短時間勤務制度や始業時間の変更、テレワーク、時間単位で取得できる休暇の付与など、複数の制度の中から2つ以上を設けることを義務付ける③子どもの「看護休暇」の取得を、感染症に伴う学級閉鎖や、入学式など行事への参加もできるようにし、対象を小学3年生まで広げる④男性の育児休業の取得状況の公表義務を、これまでの「従業員が1,000人を超える企業」から「300人を超える企業」に広げるとともに、目標設定を100人を超えるすべての企業に義務付けるーとしている。
一方、介護との両立をめぐっては、支援制度を利用せずに離職に至るケースが多いことから、企業に対し①家族の介護が必要となった従業員に介護休業等の制度を周知し、取得の意向を確認する②介護に直面していない従業員にも早めに制度を周知することを義務付けるーとしている。
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京大 iPS細胞から精子, 卵子のもと大量作製成功, 医療応用
京都大学高等研究院の斎藤通紀教授らのグループは5月21日、ヒトのiPS細胞から卵子、精子のもとになる細胞を大量につくり出す方法を開発したと発表した。これにより、将来的に不妊治療など医療への応用が期待される。
グループはヒトのiPS細胞から生殖細胞のもとになる細胞をつくり、さらに卵子のもとになる「卵原細胞」に変化させる方法を開発しているが、できる細胞の数が少ないことが課題だった。今回グループは、様々な細胞の分化を助ける働きをする「BMP」というタンパク質を加えて培養したところ、課題だった「卵原細胞」を大量に作製することに成功したという。細胞の数は4カ月の培養期間でおよそ100億倍に増えた。また、同じ方法で精子のもとになる細胞も大量に作製することができたとしている。