加藤厚労相 補助金巡りコロナ病床の実態調査実施

加藤勝信厚生労働相は1月24日、新型コロナウイルス患者向けの病床を確保するために、医療機関に支給してきた補助金を巡り、実態調査を実施する考えを示した。補助金を受け取りながら、看護師らの人員不足を理由に受け入れを断っていないかなどを調べる。
補助金「病床確保料」を巡っては、会計検査院が先に、受け入れ態勢が整っていない8つの医療機関の病床にも支払っていると制度の不備を指摘している。これは態勢づくりを交付要件に明示しなかったことが原因だとして厚労省に検証を求めていた。会計検査員によると、病床確保料は2020〜2021年度、3,483の医療機関に3,848億円が交付されている。

価格転嫁率39.9% 経費の削減58.6% コスト圧迫限界

帝国データバンクはエネルギー、原材料の値上げが相次ぐ中、全国2万7,163社を対象に2022年12月16〜2023年1月5日に、「価格転嫁に関する実態調査」を実施した。有効回答は企業数は1万1,680社、回答率43.0%。
この結果、①約7割の企業で多少なりとも価格転嫁できているが、その転嫁率は39.9%で4割に届いていない②卸売業中心に転嫁進むも医療やサービス、運輸業などでは転嫁は低水準③価格転嫁以外の対応策は自社経費の削減が58.6%でトップ④価格転嫁できない理由:取引企業や消費者からの理解の得られにくさを指摘する企業が多い−などの点が明らかになった。
これにより、コスト圧迫はすでに限界に近づきつつある。とりわけ中小・零細企業の場合、窮状を訴え値上げを要請しても、発注量を減らされることと引き換えになっては元も子もないと判断、強くは求められない事情がある。ただ、その耐える余地はもうほとんど残されていないとする企業が多いようだ。

22年の上海市の成長率マイナス0.2% 都市封鎖響く

中国・上海市統計局は1月20日、2022年の同市の実質経済成長率が0.2%のマイナスだったと発表した。マイナス成長となるのは統計が確認できる1978年以降で初めて。「ゼロコロナ」政策のもとで約2カ月間にわたって実施されロックダウン(都市封鎖)により、経済社会活動が停止した影響が出た。上海市の2021年の実質経済成長率は8.1%だった。

中国 前倒しで人口減少時代へ 働き手10年で9%減

中国の国家統計局の推計によると、2022年末の中国本土の人口が61年ぶりに前年末を下回り、世界最大の人口大国の”座”をインドに譲った。長く続けた”一人っ子政策”という厳しい産児制限のツケで少子高齢化が止まらず、政府の予測より8年も早く人口減少時代に入ってしまった。
この結果、2023年からの10年間で生産年齢人口は約9%減る。中国が世界の巨大工場として君臨し、世界経済を牽引してきたのは豊富な働き手を擁していたからだ。その基盤が徐々に崩れていく。この働き手の減少に伴い、世界経済を牽引してきた中国の成長にブレーキが掛かり、これまでの”高成長”は望めなくなる。

中国 人口の80%がすでに感染「拡大の可能性低い」

中国疾病予防管理センターの専門家、呉尊友氏は1月21日、新型コロナウイルスについて「すでに中国の人口のおよそ80%、11億人に感染した可能性がある」とする試算をSNSの「ウェイボ」に発表した。春節連休の移動で感染を広げる懸念はあるが、同氏はすでに8割の人が感染し抗体があるため、大規模な感染拡大や今後2、3カ月の間に第2波が起こる可能性は低いというのが発言の主旨。果たして?答は2月後半以降に出てくる。

23年度年金3年ぶり増額 支給額抑制で実質目減り

厚生労働省は1月20日、2023年度の公的年金額を3年ぶりに引き上げると発表した。ただ、年金財政安定のため支給額を抑える「マクロ経済スライド」を3年ぶりに発動し、増額は2022年の物価の伸び(2.5%)より小さくなる。このため、相次ぐ物価高の中、年金受給者の負担感は大きくなる。改定率は2023年度中に68歳以上になるケースで前年度比1.9%増、67歳以下では2.2%増となる見込み。

電動キックボード事故増加傾向 2年半で49件発生

警察庁のまとめによると、利用者が増えている電動キックボードの事故も増加傾向をたどっている。2020年は全国でわずか4件だったが、2021年は29件、2022年は6月までの集計で16件報告されている。
これら49件の事故を都道府県別にみると、最多は東京の32件、以下、大阪6件、神奈川3件、埼玉2件、群馬・千葉・徳島の各1件と続いている。このほか、飲酒運転を含む違反行為の摘発は、2022年11月までの1年余りで1,600件を超え死亡事故も起きている。

国枝慎吾が引退 パラで「生涯グランドスラム」達成

車いすテニスの世界ランキング1位の国枝慎吾(38、ユニクロ)が1月22日、自らのSNS上で引退を発表した。2月7日に記者会見する予定。
国枝は2004年アテネパラリンピックの男子ダブルスで初の金メダルを獲得。2008年、2012年パラリンピックでもシングルスを制した。四大大会でも活躍し、国際テニス連盟(ITF)によると、シングルス28勝、ダブルス22勝。2022年のウインブルドン優勝で男子史上初の「生涯グランドスラム」も達成している。

連合・経団連 賃上げへ労使意見一致 春闘スタート 

経団連の十倉雅和会長と連合の芳野友子会長が1月23日、東京都内で会見し、2023年春闘が事実上スタートした。コロナ禍と歴史的な物価高で暮らしが厳しくなっており、賃上げの必要性については労使ともに認識が一致。ただ、賃上げ水準やその手法を巡っては意見の隔たりがあり、どの程度の賃上げが実現するか、業界や大企業、中小零細企業まで事情は大きく異なるだけに、賃上げ率の幅が大きくなりそうだ。
連合の芳野会長は3%のベースアップおよび定期昇給分を合わせ5%程度の賃上げを目指す。これに対し、経団連の十倉会長は「賃金引き上げに向けた積極的な対応を呼びかける」と強調したが、手法では企業間で「慎重な検討が望まれる」とした。連合が月給の引き上げを重視するのに対し、経団連はボーナスや手当などを含めた選択肢の中から、各社が判断するよう促している。