京セラ名誉会長・稲盛和夫氏死去90歳 日航再建に尽力

京セラ創業者で、KDDIを設立し、経営破綻した日本航空の再建に尽力した京セラ名誉会長の稲盛和夫氏が8月24日、老衰で死去した。90歳だった。告別式は近親者で執り行った。後日、お別れの会を開く。喪主は長女、金沢しのぶさん。
稲盛氏は1959年、同僚らとセラミック製品を手掛ける京都セラミック(現京セラ)を設立。小集団単位で採算を管理する「アメーバ経営」と呼ばれる独自の経営手法を取り入れながら、電子部品や半導体、太陽電池など事業分野を広げ、一代で京セラを売上高2兆円に迫るグローバル企業に育てた。

米NASA 新型ロケット打ち上げ延期 有人月探査計画

米航空宇宙局(NASA)は8月29日、日本初の月面着陸に挑む宇宙航空研究開発機構(JAXA)の超小型探査機「OMOTENASHI(おもてなし)」が搭載された新型ロケットSLSの同日打ち上げを延期すると発表した。エンジンに不具合が見つかったため。早ければ9月2日(現地時間)にも打ち上げられるが、機体を点検して日程を調整する。
今回の打ち上げは欧州、カナダ、日本などが参加する国際月探査アルテミス計画の一環で、SLSには有人月探査のための新型宇宙船も搭載されている。

イチローさん 米マリナーズ球団殿堂入り式典

米大リーグ、シアトル・マリナーズで活躍したイチローさんの同球団殿堂入り式典が8月27日、本拠地シアトルでのガーディアンズ戦前に行われた。紺色のスーツで登場したイチローさんは、ケン・グリフィー氏らかつての同僚や家族に見守られながら英語でスピーチした。
「選手としては引退したが、野球は私にとって永遠の魂」などと語り、大きな拍手と喝采を浴びた。

日本 アフリカに官民合わせ4兆円規模の支援表明

日本が主導する第8回アフリカ開発会議(TICAD)が8月27日、チュニジアの首都チュニスで開幕した。岸田首相はオンラインで出席し、官民合わせ今後3年間で総額300億ドル(約4兆1,300億円)規模の資金を投入すると表明した。
岸田氏は、アフリカを「ともに成長するパートナー」と位置付け、「人への投資と成長の質を重視する」との立場を説明。そのうえで今後3年間で、産業や保健・医療などの分野を中心に30万人の人材位育成を行うことを明らかにした。

タイ憲法裁がプラユット首相の職務停止 政局不透明

タイの憲法裁判所が8月24日、プラユット首相の人気問題を巡って首相の職務停止を命じたことで、にわかに政局が不透明になった。
憲法裁判所はそもそも軍政の流れをくむ現政権の影響下にあり、最終的にはプラユット氏の続投を認めるとの見方が有力だが、任期切れと判断した場合、国会で新首相を選出する運びとなる。
プラユット氏は軍事クーデターを経て、2014年8月に暫定首相となった。2019年の正式就任以降を含めて、在任期間は8年を超えた。このため野党は首相任期を通算8年までとする憲法に違反するとして辞任を要求、憲法裁判所に訴えを出していた。

NPT会議決裂 ロシア最終文書に土壇場で「ノー」

核拡散防止条約(NPT)再検討会議は8月26日、ロシアの反対で最終文書を採択できず、2015年の前回会議に続き決裂した。
米国・ニューヨークの国連本部で行われていた、4週間にわたった再検討会議の議論は紛糾を極めた。その過程で最終文書案から「核の先制不使用」政策を核保有国に求めるなど先進的な内容が削減されていく中、各国ともぎりぎりの交渉で妥結を目指していた。その結果、一時は「合意できそうだ」という見方が広がった。ところが、ロシアは土壇場で「ノー」を突きつけた。
核軍縮の進展に向けて、再検討会議は12年ぶりに成果を出すことに失敗した。これにより、核軍縮がさらに停滞することは確実だ。

米トランプ氏の不正相次ぎ発覚 問われる国の威信

米国のトランプ前大統領の不正疑惑が相次いで発覚している。同氏は①2021年1月の連邦議会占拠事件②大統領在任中に扱った機密文書をホワイトハウスから持ち出した疑い③同氏一族が経営する会社の脱税の疑い−などがある。
このうち、機密文書の持ち出しについては8月8日に米連邦捜査局(FBI)が家宅捜査に踏み切っている。これだけ疑惑が取り沙汰されると、その当局の対応次第では世界のリーダーを自認する米国の威信が喪失することにつながるのではないかと思われる。
同氏はこれらの疑惑については、相変わらず強気の姿勢を崩さず、外部には核心に触れない範囲での抗弁に終止している。だが、このまま放置、許容すれば米国における法のもとでの民主主義の質・レベルを問われる、米国の威信に関わる問題となりそうだ。厳しい断罪が求められる。

日本 コロナ新規感染で5週連続 世界最多に WHO

世界保健機関(WHO)の集計によると、新型コロナウイルス感染症の8月15〜21日の1週間の新規感染者数で、日本は前週比6%増の147万6,374人となり、5週連続で世界最多となった。
また、この間の週間死者数でも、日本は1,624人に上り、世界最多の米国の2,714人に次いで2番目に多かった。